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【米国を破滅に追い込むロシアの戦略】
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投稿者 アーヴ 日時 2003 年 3 月 25 日 01:29:23:

=== RPE Journal==================================
        
ロシア政治経済ジャーナル No.162
                   2003/3/24号
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★米国を破滅に追い込むロシアの戦略1

「だれがこの獣に匹敵し得ようか。だれが、これと戦うこと
ができようか」-(ヨハネの黙示録13章4節)

「アメリカが世界の国々と仲良くし、世界の国々から銭を
かき集めた時代は終わった。これから世界は混乱の21
世紀に向けて驀進する。」(RPE54号=2000年6月6日号)

「アメリカがもしイラク攻撃を止めるつもりであれば、アラブ
の石油戦略を怖れる必要はない。

仲良くこれまで通り生活したらいいからである。

ところが、欧米がロシアに急接近しているという事実は、
アメリカがイラクを攻める計画を断念していないことを示
している。

欧米とロシアの新時代。

その構図は、

欧米には石油を。

ロシアには銭を。

そしてイラクには爆弾を、ということなのだ。」
(RPE116号=02年5月30日)

「米国は国際世論を重視していないのだろうか?

世界一の経済力と軍事力を持つ米国にとって、国際世論
はそれほど重要ではない。

国内の世論はより重要だが、自国民はメディアを通して
洗脳することができる。

だから、ロシア・フランス・中国の3カ国がどういう決定を
下しても攻撃を開始するだろう。」-(RPE142号=03年2月
4日)

というわけで、いよいよ米国のイラク攻撃が始まりました。

前々からわかっていたことですが、いざ始まると、犠牲に
なる民間人のことを思い、心が痛みますね。

今回は、米国を破滅に追い込むロシアの長期戦略について
です。

米国がイラクに勝利することは疑いのないことですが、ロ
シアは長期的戦略を立てて米国を追い詰めていきます。

どうやって?

▼イラク問題をめぐるロシアの戦略の変化

まずこれまでの動きを振り返ってみることにしましょう。

イラクに石油権益を持つ安保理の常任理事国ロシア
・フランス・中国の対米戦略は、

上策=国際世論を盛上げることで、米国のイラク攻撃
を止めさせること。

中策=イラク攻撃を引き伸ばすことで、原油の高値を
維持して大儲け(ロシア)。フセイン後の石油権益も、
米国との話し合いできっちり確保する。(ロ・仏・中)

下策(=最悪のシナリオ)米国が、フセイン政権を崩
壊させ、イラクの石油権益を独占すること、
でした。

ロシアは当初、「世界最強の経済力・軍事力を持つ
米国を止めることはできない」「でも、既に確保して
いる石油権益くらいは保証してくれるだろう」との読
みから、中策=(イラク攻撃を引き伸ばすことで、原
油の高値を維持して大儲け(ロシア)。フセイン後の
石油権益も、米国との話し合いできっちり確保する
。(ロ・仏・中))を支持していました。

その為、米ロは一昨年から昨年の7月くらいまで急
速に接近していった。

両国の友好ムードがピークを迎えたのは昨年5〜7月。

「真の冷戦終結宣言」が出され、ロシアは米国への
原油輸出を開始します。

ところが、その後状況が変わってきた。

つまり、「米国にはイラクの石油利権を他国とわかち
あう意志がない」ことがわかってきたのです。

そこでロシアは、同じ立場のフランス・中国と組んで
上策(=国際世論を盛上げることで、米国のイラク攻
撃を止めさせること)の実現に全力を尽くすことにな
ります。

ところがその努力もむなしく、結果は下策(=米国が、
フセイン政権を崩壊させ、イラクの石油権益を独占
すること)になってしまった。

▼米国のイラク攻撃でロシアが失うもの

第1に、ロシアがフセイン政権と結んだ油田の開発事
業権を失う。

ロシア企業は、イラク最大の西クルナ油田、西部の第
4鉱区、第9鉱区、南部のラフィダイン油田の開発事業
権を取得していますが、フセイン失脚後はその権利を
失うでしょう。

第2に、ロシアはフセイン政権に70億米ドルの債権が
ある。米国の傀儡新政権は、これを返済しない可能性
が高い。

第3に、米国が原油埋蔵量1位のサウジ・アラビア、2
位のイラク、3位クウェートを抑えることで、原油価格が
下落する。

世界第2位の産油国ロシアにとって、これは大きな打
撃となります。

ロシア経済は、原油価格とリンクしているので。

▼プーチンさんのリアクション

次に米国のイラク攻撃に対するプーチンさんのリアクショ
ンを見てみることにしましょう。

プーチンさんは20日、米国によるイラク攻撃が開始された
ことについて「大きな政治的誤りだぜ!」(怒)との声明を
出しました。

また、「武力行使は決して正当化されない」

「攻撃が開始された時、イラクは隣国にとっても他国・他地
域にとっても脅威ではなかった。

10年間の経済制裁でイラクは、軍事的にも経済的にも弱
体化していた。

国連査察団が活動している状況ではなおさらだ」
(ロシア情報ステーション
http://www.ai.wakwak.com/~cpm/russiaから引用)

と語り、激しく米国を非難。

そして、「ロシアは直ちに武力行使を停止するよう要求して
いくぜ!」と語ったのでした。

(つづく)


=== RPE Journal==================================
        
   ロシア政治経済ジャーナル No.163
                    2003/3/24号
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★米国を破滅に追い込むロシアの戦略2

前号の続きです。

▼それでもプーチンさんのブレーンは上機嫌

このように短期・中期的に見れば、ロシアが失うもの
は大きいのです。

筆者も「どんなにプーチンさんはがっかりしているだろ
う」と思っていた。

ところがそうじゃないんですよね。

筆者は最近、富の女神ラクシュミーに取り付かれたス
ーパー侍ビジネスマンH氏と、プーチンさんの政策ブレ
ーンZ氏に会ったのです。

Z氏は、ナーバスになっているどころか上機嫌。

米国の行動については、「安保理決議なしで攻撃を開
始したことで、米国は孤立し、大変なことになるぞ!」
( ̄ー ̄)ニヤリッ

もちろん、「イラクが勝つ」って言ってるわけじゃないん
です。

もっと長期的な話し。

Z氏が言いたいのは、「長期的に見れば世論を味方に
つけた国が勝利する」ってことであり、「ロシアは戦略
的に米国を悪の帝国にしている」ということなのです。

つまり、「ロシアは経済(石油)戦では負けたけど情報
戦では米国に勝利した」ということ。

▼法的に言うとブッシュは犯罪者

情報戦に勝利したとはどういうことでしょうか?

「米国は法的手続きを経ないまま戦争に突入した」と
いうこと。

もっと正確に言うと、「米国は、ロシア・フランス・中国
・ドイツの抵抗により、止むを得なく違法行為(戦争)
に走った。」

説明します。

昨年11月、国連安保理では「イラクの武装解除を求める」
1441号決議が採択されました。

で、そこには「イラク政府が国連査察団に全面的に協力
しない場合は、深刻な結果を招く」と書いてあった。

米国はその後、もっと厳しい内容の新決議案を提出した
のですが、ロシアとフランスが「拒否権を使う」と明言し、
採択されなかったわけです。

で、米英は結局1441号を攻撃の根拠にしていますね。

これは法的にどうなの?という問題になる。

「イラクが査察団に協力していない場合」はOKとなる。

じゃあ「誰が査察団に協力しているかいないか決める
の?」となると、「査察団の報告を元に、安保理が決め
る」のが正しいですよね?

国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委
員長は3月7日、弾道ミサイル「アッサムード2」のうち34
基が廃棄されたことなどをあげて、「現在行われている
破棄は、武装解除に向けての重要な取り組み。これは
1990年代半ば以来で初めてのことだ」とイラクの動
きを評価しています。

この報告を聞いて、戦争に反対する常任理事国ロシア
・フランス・中国を始め大部分の安保理メンバーは、「イ
ラクは協力的になっている」と判断していた。

これを米国が「イラクは決議に違反している!」と勝手
に決めて攻撃を開始していいという法はないわけです。

プーチンさんは20日、イラク攻撃は「国際法の原則お
よび国連憲章に反しているぜ!」と語りましたが、これが
国際法に対する正しい認識。

法律に反する人を世間では犯罪者という。

ブッシュは法的に見れば間違いなく犯罪者。

しかも確信犯ということになるのです。

▼経済戦で勝利し情報戦に負けた米国

歴代の米国政権は「世論の重要性」を理解していました。

ですから、米国はいつも「仕方なく戦争をする」と世論
を誘導してきた。

例えば、「日本が攻めてきたから戦争するよりしゃ
ーない」「アルカイダがテロをしたから、アフガンを攻
めるよりしゃーない」

非常に説得力があり、国内世論も国際世論も文句
を言えない。

ところが今回はどうか?

米国は世論つくりに失敗し、国連や安保理の意向を
無視して戦争を開始してしまった。

そして、世論つくりをしたのは言うまでもなく、ロシア
・フランス・中国。

国際社会における善・悪を決めるのは言うまでなく
国連(特に安保理)。

これを無視したということは、米国は「世界公認の悪
の帝国」になったということなのです。

米国が怖いから、皆さんこんな風には言いません。

しかし、今の現状は「警察(国連)よりマフィア(米国)
の方が強いから手出しできない」ということであって、
マフィアが正しいということには決してならない。

米国のイラク攻撃を45カ国が支持しているといいます
が、それは「マフィアが怖いから従っている」だけであ
って、正しいから従っているわけではないのです。

ロ・中・仏・独は米国に最後まで反対することで、米国
が違法行為を行うよう誘導し、同国は国連公認の「犯罪
国家」「悪の帝国」になってしまった。

これが、「ロシアは情報戦で勝利した!」の意味です。

▼米国の逆転作戦に気をつけよう!(^O^)

さて、情報戦に負けた米国ですが、形成を逆転する方法
はあるのでしょうか?

これはあります。

米軍がイラクの首都バグダットを攻略し、その時に「大
量破壊兵器を見つけました!」と大々的に宣伝すれば
いい。

もちろん大量破壊兵器は米軍がこっそり運んでおいたもの。

これで、ブッシュは「ほら俺が正しかっただろ!」(^O^)
と国民や国際社会を納得させることができる。

ですから、RPE読者の皆さんは「米軍が大量破壊兵器
を発見!」というニュースを聞いたら、「やっぱり出て
来たか!」と思い、騙されないでください。

(つづく)

●まぐまぐメールマガジン『ロシア政治経済ジャーナル』
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm

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