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福井テレビのドキュメンタリー 「通りすぎた17年〜空港拡張の悲哀〜」を見て、≪住基ネット≫について大いに危惧する
http://www.asyura.com/0304/bd25/msg/722.html
投稿者 ファントムランチ 日時 2003 年 4 月 23 日 20:16:50:oswAM6lqBSCW6

(回答先: 自衛官募集に住基情報の提供依頼、自治体の3割応じる 【健康状態なども】 [朝日] 投稿者 ファントムランチ 日時 2003 年 4 月 23 日 20:03:20)

★先日「FNSドキュメンタリー大賞」
福井テレビの「通りすぎた17年〜空港拡張の悲哀〜」
という番組を見た。

 その中で「お役所というものがいかに信用に値しないか」ということを目の当たりにした。そのドキュメンタリー番組は、まず(福井)県に宛てた大量の接待請求書の山から始まり、県が長年にわたって行なってきた、個人情報に基づいた反対住民に対する買収と、ひいては差別や制裁の実態について告発するものだった。

その内容紹介を一部引用すると、
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■<福井テレビの「通りすぎた17年〜空港拡張の悲哀〜」の内容>
 2003年2月2日(日)午後4時〜5時25分放送

 1985年に福井新空港の建設計画が発表された。1200メートルの滑走路をもつ福井空港に隣接する建設予定地に総工費780億円をかけ、新滑走路を建設して、ジェット便の離発着を可能にしようという計画だ。長さ2000メートルの新滑走路は春江町と坂井町にまたがる9地区にわたり、140人の地権者がいた。反対運動は地権を持たない者にも広がり、坂井町の反対念書には200世帯が印を押していた。

 航空法によれば自治体は地権者の同意さえあれば、空港の調査・測量に踏み切れるが、県はあくまで住民の過半数の賛成を得る「総論同意」にこだわった。その背景には内ゲバが続いた成田空港闘争があった。

 1992年の年明け早々、栗田県知事が建設予定地を訪れ、坂井町の一戸一戸を回り、空港建設への理解を求めた。この年、国から空港建設の調査予算を獲得したが、このままだと測量さえも行えない状況だったからだ。県は反対派住民に真正面から説得を続ける一方、水面下でもう一つの作戦を展開していた。福井県内のレストランや割烹の請求書。全部で776枚を数え、89年から6年間の支払い総額は実に5000万円以上にものぼった。1年に百数十件、3日に一度のペースだ。

 1992年には9地区のうち5地区が賛成派が反対派を上回り、県に「総論同意書」を提出した。残るは4地区。県はさらに懐柔策を用意した。県は通常、各地区の農家が共同で購入する大型トラクターや耕運機の購入額の3分の1を補助しているが、空港予定地に限って、額を倍にした。ただし、空港計画に同意するという条件付きだった。

(以下省略)
↓全文
http://www.fujitv.co.jp/jp/pub_info/pub/03-22.html

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★つまり、空港建設に反対する住民を個別に買収するため、飲食接待や農機の補助金優遇などにより、莫大な公費を使って裏工作を行なったわけだ。まさにお役所が個人情報(職業・収入・家族構成・嗜好・交友関係・政治思想など)を丹念に調べ上げ、個別のデータに基づいて懐柔策を練り、一本釣り式に切り崩す作戦を採ったのである。そして住民同士の人間関係を利用した勧誘や根回しも行なわれた。もちろんまだ住基ネットなど無かった時代のことである。

 そしてお役所はアメだけでなく、ムチも用意していた。ドキュメンタリーのなかで、現地撮影によって反対地区と賛成地区の境界近辺の風景を映し出していたが、賛成地区側の道路はきれいに舗装されているのに対し、反対地区側では、道路は長年整備なしに放置され、アスファルトが剥げて砂利道同然のガタガタ状態になっていた。また賛成地区側は用水路や側溝に石の蓋が取り付けられているのに対し、反対地区側ではまったく整備されず、随所に破損した箇所があり、水も汚濁していた。役所は陳情にも応じないということだった。

 納税者の受ける当然の権利である公共サービスを特定の地区だけ故意に差し止め、予算を別の地区の優遇と、裏工作の個別接待費用に充当する。こういう個人情報を悪用した差別と制裁を行なって憚らないのがお役所=権力機構一般である。15年以上にわたる空港建設反対運動と、このような差別政策の結果、この空港周辺の地区同士・地区内部の隣人同士・あるいは家庭内にまで、疑心や不和・対立・怨恨などをもたらし、土地だけでなく人心までもが荒廃していった。

 最後まで反対を貫いていた東長田地区は2000年夏、反対派抜きで行われた採決の結果、過半数によりこの地区も「総論同意書」を県に提出することを決定した。手段を選ばないやり方で建設しようとした新空港は、さぞかし素晴らしいものなのかというとそうではなく、それ自体に大いに問題がある。つまりいわゆる「無駄な公共事業」の典型ともいうべき杜撰な計画なのだ。それについてはここでは詳述しないが、2001年8月24日、予想もしなかった「計画中止」のニュースが届いた。国が翌年度の予算の概算要求から新福井空港を外すと決定したのだ。9月14日栗田知事は「凍結」を表明した。

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■地元の反対地権者、大看板を撤去 [福井空港の拡張中止を求める会HP]

 知事の「凍結」表明を受け、最後まで結束して反対を貫いてきた坂井町東長田区20数戸の反対地権者は、9月30日「終結宣言」を行い田んぼに設置していた大看板(写真)や小看板を撤去・焼却しました。

 反対運動は事実上終わったわけですが、地元集落に残された様々なしこりの修復には、多くのエネルギーと時間がかかると見られます。道理のない計画に莫大な税金が注ぎ込まれ、破壊された人間関係だけが残される、「利益誘導」のみに頼った公共事業のごり押しには、心の底から腹が立ちます。

http://kore.mitene.or.jp/~gomuyo/

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★この問題はまだ終わっていない。現在新福井空港拡張工事は「凍結」としているが、福井県は国との原発問題を絡めた取引により、復活を企んでいる。国は高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開を福井県に認めさせるために、福井県知事が強く要望する福井空港拡張事業を「与党預かり」にしたと言われている。つまり原発再稼動+空港工事再開の、住民にとってはダブルパンチの可能性があるのである。相変わらずこの地域では、疑心暗鬼に満ちた不安定な情況が続いている。

参考
http://kore.mitene.or.jp/~gomuyo/p3.htm

★この問題で注目すべきは、県が住民の反対運動を切り崩すための裏工作に於いて、盛んに個人情報に基づいた買収や制裁を行なったその実態である。ある日突然、権力と対立する立場に置かれたとき、個人情報がハッカーなどではなく、その管理主体であるお役所自身の手によっていかに悪用されるかを実例をもって証明している。そして賛成しない地区に対して採った、道路を整備「してやらない」というような住民を見下した傲慢な態度は、支配者意識の本質を象徴している。

 小渕政権のもとで住基ネット法案が通ったとき、その是非の議論は国会もマスコミも「住民票取得の便利化は必要か」とか「情報漏れに対するセキュリティーは万全か」などという内容がほとんどだった。こんなことは国民の目先を逸らすための、政府の論点すり替え・強行突破という常套手段にすぎない。実際の目的は紛れもなく「国民の一元管理」である。番号を持った日本国民への管理強化と、番号を持たない外国人への警戒強化を図っているのである。そして権力機構は常に制裁を下す能力を持っている。

 2002年8月5に施行された住基ネットの個人情報は、地方のお役所に限らず今後あらゆる権力機構に利用されることになる。ある特定の条件を指定した検索によって作成されたリストを元にすれば、その可能性は無限に広がる。事実「防衛庁が自衛官の募集に使う目的で、全国の自治体に対し、住民基本台帳の情報の提供を依頼し、多くの自治体が応じていた」というニュースが出たばかりだ。健康状態や家族についての情報も提供していたという。

 今後このほかにも例えば警察・公安・総務省・国税庁・厚生省(特に被害訴訟や福祉面)・政党(特に選挙活動)などなど、閲覧が禁止されている情報でも説得や圧力によって簡単に個人情報を手に入れ、善からぬ目的のために利用することは大いに考えられる。だいたい多くの自治体は財源問題などをみても中央に対して基本的に弱い立場にあるし、住基ネットについては議論が尽くされておらず問題意識が希薄だから、要求されればいくらでも秘密裏に応じる可能性はある。また、自治体自身が悪用する場合はより簡単である。

 権力者は有るものは何でも利用しようとする。住基ネットなど無くて済むなら初めから無いほうが良いのである。その必要性については未だに納得できる説明がなされていない。このシステムは権力による個人情報の悪用、またはいつ悪用されるか分からない「不安」を社会にもたらした。国の管理強化が、逆に社会に「安定」をもたらすと信じている人々は、その刃がまだ自分に向けられていないから呑気でいられるのである。まったくそれは権力者と行政のモラルというものを過信した幻想である。

 野党4党は共同で「住民基本台帳法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案」(住基ネット凍結法案)を154回通常国会に提出した。しかし民主党などの凍結の理由は主にセキュリティー面の主張であり、横浜市の選択式同様、非常に中途半端な対応である、できるだけ早くということで取りあえず「凍結」することは良いが、その後の方向性としては「廃案」が望ましい。「凍結」とはどんな問題に於いてもクセモノで、むしろ再開のための待機状態ともいえる。

 
関連

自衛官募集に住基情報の提供依頼、自治体の3割応じる 【健康状態なども】 [朝日]
http://www.asyura.com/0304/bd25/msg/721.html
投稿者 ファントムランチ 日時 2003 年 4 月 23 日 20:03:20:oswAM6lqBSCW6

民主党国会レポート2002  国民のプライバシー保護 住基ネット凍結法案
http://www.dpj.or.jp/seisaku/sogo/report2002/html/3_17.html

私たちは、なぜ空港に反対しているのか【県議会における反対地権者の発言】
http://kore.mitene.or.jp/~gomuyo/sp1.htm

【福井県知事宛て】高速増殖炉「もんじゅ」の安全審査入りを事前了解しないで下さい
http://www4.ocn.ne.jp/~wakasant/monju/f010321a.htm

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