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マルクス理論は「学問体系」ではありません
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投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 10 日 18:57:43:

(回答先: Re: 世界中で虐殺を続けた英国が“最大の敵”マルクスを保護したとお考えですか? 投稿者 きゃべ爺 日時 2003 年 4 月 10 日 16:39:56)


きゃべ爺さん、レスありがとうございます。

>「マルクスが国際金融資本家のエージェントである」というのはあなたの「仮説」で
>あり,私はその十分な「反証」を提示したつもりです.

そこそこのブルジョアでしかなかったエンゲルスが、第一インターナショナル(国際労働者協会)の資金まで負担できたとお思いですか?
マルクス派が無政府主義者やサンジカニストと熾烈な闘争を展開をした第一インターナショナルにはマルクス一家の生活費とは比べものにならない資金が投入されています。
そのお金がどこから拠出されたか考えてみてください。

エンゲルスは、パトロンというだけではなく、革命の同士です。
エンゲルスをもって、マルクスが国際金融家のエージェントだと言っているわけではありません。


>しかし,一般に科学・芸術・思想家がパトロンを持つというのは普通のことであり,
>むしろ望ましいことであるとさえ言えます.ここで言う「パトロン」は,そのような
>意味での「善意の保護者」ではなく,「エージェント,つまり手先として使うことを
>意図してする買収行為」と理解します.

マルクスやエンゲルスは、科学・芸術・思想家ではなく、革命家なのです。
彼らは、建前としては、資本家の搾取や支配を終わらせる運動を行なっていたのです。

自分の身包みを剥ごうとする人物に支援をする奇特な人はいないとはいいませんが、そのような危険人物を排除したいと考える人は数多くいます。
そのような危険人物が、つい目と鼻の先をうろちょろしているのですよ。

これは、たいして影響力を持つわけでもない革命家が世界各地でどれほど虐殺されたかを考えればわかることです。


> マルクス経済学はひとつの学問体系であり,善でも悪でもありません.時代的な限
>界はあったとしても,そのことによって直ちにその理論が誤っているということにも
>なりません.もし,「完全な理論が地上に存在する」とお考えだとしたら,それこそ
>が大きな誤りです.

マルクスは革命家であり、革命理論を補強するために経済学批判を行なったのであり、新しい経済学を樹立しようとしたわけではありません。(「資本論」の副題は“経済学批判”です)

マルクスは、自分の価値観や世界観を“善”と主張し、自分が理想と考える世界を作り出すためであれば、暴力的手段を使ってもそれを遂行すべきだという考えを持っていた人です。

剰余価値説という誤り(まやかし)は、「時代的な限界」によって生じる性格のものではありません。
「資本論」の最大の偉業は、剰余価値説にあるというのがマルクス主義者のあいだの通説です。
それがまやかしであり、それが労働運動や政治運動を大きく歪めていることを問題視しているのです。

「完全な理論が地上に存在する」なぞ主張したことはありません。

ところで、あなたは剰余価値説は誤りだとお思いですか?

(マルクスの人物像よりも、理論のほうをより問題視すべきだと思っています)


『> きちんと経済論理や現実を掴めば解決できる問題が、そのために放置されたままになっています。

< それはマルクスの責任ではないでしょう.』


自分の認識と相手の認識の違いを踏まえていない反論です。

私は、マルクスの責任だとは言っていません。
マルクスは国際金融家のエージェントだと言っているのですから、そのような現実が生まれていることで、マルクスは十二分に責任を果たしているのです。

また、誤った理論に縛られているのは、縛られている個々人の責任であり、他の誰の責任でもありません。


『> 別にお金の入手先を云々しなくても、「資本論」や革命理論そのものが、国際金融資本家のエージェントであることを如実に物語っています。

< どの部分,ないしどのような主張が,でしょうか?私には見つかりません.それにしても,今問題にしているのは,「マルクス個人」がそのような汚れた金を受け取った事実があるのか否か?ということなのですが...』


剰余価値説です。

別に金融資本家から金を受け取っていても、汚れた金を受け取ったというわけではありません。
前にも書きましたが、国際金融家が支配する世界が善だと考えていれば、彼らからお金を貰うことはまったく問題ありません。

仮に、国際金融家を打倒するための運動に国際金融家から金をせしめたとすれば、それはそれで見事なことです。

マルクスは国際金融家のために政治運動や著述活動をし国際金融家から支援を受けていたといっているだけで、汚れた金を受け取ったと非難しているわけではありません。

マルクスを労働者の救い主のように考えるのは愚かであり、「資本論」は主敵を見誤らせる説明体系だと主張しているだけです。

『> 産業資本家が労働者を搾取していることを困窮の原因とする理論はまやかしです。

< それは暴論です.私はあっしらさんの金融寄生理論にほぼ同意するものですが,搾取が無くなったとも,もともと無かったとも思いません.むしろ現在進行形で(再)強化されつつあると認識しています.』

「暴論」といわれるのなら、そうではないという理論をご提示ください。

“資本”が利潤を獲得できない世界経済構造になりつつあることの認識が極めて重要な時代になっています。

奴隷的搾取や前近代的搾取そして被搾取意識と、近代的利潤(「資本論」などで言われる利潤)とは論理的に性格が異なるものです。
だからこそ、「資本論」という理論的説明体系が成立するのです。

国際的な利益が利潤の源泉であることや近代経済システムの世界化を推進してきた主体は誰なのかを認識しなければ、「デフレ不況」の解消も、「近代」の超克もできないのです。

『 マルクスほどの知性を持つ人であれば、剰余価値理論の誤りに気づかないわけがありません。その誤りに気づかないような人には、見事な資本制経済社会の説明体系である「資本論」を書くことはできません。

< どんな大天才でも時代の制約を超えることはできません.(むむ...資本論の未完部分がそれですか?)』

剰余価値理論が時代の制約で生み出されたものではないことは、「資本論」全体を読めばわかることです。

剰余価値理論を“真実”だと考える人には、あれほど優れた理論体系である「資本論」は書けないと主張しているのです。

剰余価値理論は、枝葉部分ではなく、「資本論」の根幹なのです。


『> 最重要テーマである利子論は、産業資本家の利潤配分の一つとして枝葉的な位置づけで論述されています。

< 金融資本と産業資本を明確に区分することの重要性が見出されるには,ケインズという次世代の天才の登場を待つしかありませんでした.』

ケインズは経済政策論学者であって、経済原論(資本制経済の運動論理)学者ではありません。
ケインズはマルクスと比較できるほどの知性の持ち主ではなく、ナチスドイツは、ケインズ理論に先行してケインズ的経済政策を実施して成功を収めています。

ケインズも国際金融家のエージェントであり、国家に借金をさせて、その返済を国民に負わせる重犯罪にまやかしの理論的正当性を付与しただけです。


『> マルクスが果たした役割は、労働者と産業資本家という対立構造を生み出したことです。労働者が雇用主である産業資本家を憎悪するように仕向けることで、根源的な敵である国際金融家(労働者を雇用する必要はない)が“安全地帯”にいられようにしたのです。

< そうでしょうか?マルクスのモデルは確かにシンプルに過ぎますが,この時代には十分妥当性を持っていたと思います.』

どういう妥当性を持っていたとお考えなのかご提示ください。

『> 英国は、経済権益のために、北米大陸のみならずアジア・アフリカ・太平洋で虐殺と略奪を続けた国家です。

< そのような把握は現代(つい最近)になって確立したものです.日露戦争を侵略と把握した日本人がその時代にいたでしょうか?』

的外れの反論です。

当時の英国支配層は、強欲のために意識的に世界各地で虐殺と略奪を続けていたと言っているのです。
そう人たちが、自分たちの牙城で自分たちの身包みを剥ごうと主張する危険人物を放置するでしょうか?と問いかけたものです。


(英国を中心とした西欧諸国の虐殺と略奪は、当時から認識されていました。インドや中国でどのような運動が起きたのかご存知ないのですか?幸徳秋水など少数ですが日露戦争を侵略と考え反対した政治勢力も存在します)

『> マルクスがロンドンにいた19世紀前半(1830年頃から1858年頃)は、そのような帝国主義活動の最盛期です。

< 1848年(ドイツ)3月革命敗北,1849年ロンドン亡命,1883年死亡ですから,むしろ19世紀後半ではないでしょうか?』

確かに19世紀後半です。失礼しました。

この当時の英国は、マルクスの著述にも書かれているように、過酷な児童・婦人労働がはびこり、民主主義(普通選挙制)も確立していません。

そういう英国支配層が、つい最近まで“最大の敵”としてきた共産主義の創始者マルクスにどうして庇護を与えたのかという疑問を提示しているのです。


『> マルクスが英国支配層を脅かす偉大な理論家で強力な革命家であったのなら、エージェントによって虐殺されたと考えるほうが素直だと思っています。

< マルクスはこの期間おとなしく机に向かっていました.』

「ペンは剣より強し」という言葉を引用するまでもないことですが、彼の前歴や著述内容はわかっているのですから、「マルクスはこの期間おとなしく机に向かっていました」という反論には苦笑せざるを得ません。

ドイツはなぜ彼を放逐しようとし、英国はなぜ保護したのかを、第二次世界大戦までの歴史と照らし合わせながら考えることをお勧めします。


『> あなたが書かれたことは私も知っている内容です。
> マルクスを“神話”化したい勢力が書いた内容を根拠に、「マルクスにパトロンがいたなどというのは荒唐無稽な与太話」だと断じられても苦笑するしかありません。

< スターリンやレーニンを偶像視するということはあっても,マルクスを神格化するというのはあまり聞いたことがありません.』

スターリンやレーニンは、マルクスの正統で優れた後継者だということが偶像視される大きな根拠でもあります。

マルクスは偶像視を求めてはいませんが、マルクス主義者の最高の偶像対象はマルクスだと見るのが妥当と思っています。

旧共産圏諸国で、マルクスの胸像や肖像画そしてマルクスの名前を冠した諸施設があったことをご存知ないのですか?


『> 19世紀中盤の英国で大英博物館に通い詰める研究活動ができ、数々の出版もできたという“現実”が何に支えられていたかをまじめに考えるべきです。

< 人間と真理への比類のない愛だと思います.』


(失礼ながら、まじめに笑ってしまいました)

そのようなご認識は、現在イラクで英米支配層が行なっていることを、「人間と真理への比類のない愛だ」と説明するのと変わらないものです。

当時の英国支配層は、今よりもエグイことを世界各地で行なっていたのですよ。

『命題:Xが虐殺されないのは,Xが国際金融資本Mのエージェントであり,彼らによって買収されていたからである.

例題:阿修羅が虐殺されないのは,阿修羅が金融資本のエージェントであり,彼らによって買収されていたからである.

もし,この例題が荒唐無稽ではないというのであれば,私ももう少し「まじめに」考えなくてはなりませんね.』


諸条件を捨象した「命題」を提示しても意味がありませんよ。
マルクスの前歴や著述内容、そして、彼の現実的影響力がどの程度のもので、彼が亡命し生活していた場所がどこであったかを捨象して命題を立てても無意味です。

阿修羅が虐殺されないのは、サイトの存在を知っている人はわずかであり、彼の存在そのものを知っている人はさらにわずかであり、重要なのは阿修羅サイトにそえほどの影響力があるわけではなく現実的脅威もないからだと考えることができます。

(たかだか数千人が眺めているサイトであり、あれこれどぎつい非難はあっても政治運動を呼びかける投稿は皆無です)

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