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森田実氏:2003.4.1 「日本再生の道」研究――『老子』を知れば道は開ける[1]
http://www.asyura.com/0304/hasan25/msg/182.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 02 日 21:00:06:


21世紀初頭の新たな混乱期の中で日本が生き抜くためには古い固定観念からの脱皮が必要だ

「道の道とすべきは常の道にあらず」(老子)


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 上記の老子の言葉は、「万物は流転する。その中で人間が生きる真の道に、永久不変の道というものがあるわけではない。変化の時代の中で人間は独自の道を開かなければならない」という意味(『中国の思想』第6巻「老子・列氏」参照)。老子の教えは、「自由な発想をもって独創的な道を見出し、切り開け」という点にあるというのが私の解釈である。

 まず世界情勢の捉え方。世界は大変化を始めた。唯一の超大国米国が国連の枠からはみ出てイラク戦争を始めた。第二次大戦後の国連中心の世界政治の枠組みは崩れた。平和的強力の時代は終わった。世界的紛争の時代が始まった。
 発想の大転換をしなければ日本は生きていけない。この時にわれわれ日本人が学ぶべきは『老子』である。老子哲学を知れば道は開ける。
 米国一辺倒の今の日本の生き方についてを考え直さなければならない。
 世界中の近代兵器の50%以上を一国で所有するほどの軍事超大国・米国が国連の決議なしにイラクへの軍事行動を起こしたことは、歴史の大転換に直結する大事件である。いかなる結果になろうとも、世界は新たな動乱期に入ったと見なければなるまい。歴史は暗い方向に向かって大きな第一歩を踏み出したのである。
 唯一の超大国である米国が、国際的に孤立しながら、その巨大な力を振り回して暴走するという事態になれば、世界は中長期的に混乱期に入る。この中で、各国はそれぞれの生き方を追求しなければならなくなっている。

 小泉内閣は米国に追従する道に踏み出したが、これは誤った道である。従米路線にさらに深入りすれば、日本は政治的にも経済的にも米国の支配下に置かれることになる。日本は主権国ではなく米国の植民地に化してしまう。しかし、こんなことで日本が生きていけるはずはない。独自の文化をもち、1億3000万人近い人口をもつ大国日本が米国の一部になるなどということはあり得ないことである。
 繰り返すが、日本にとって今必要なのは発想の大転換である。従米路線が日本にとっての唯一の生き方だという固定観念を捨てて、より自立的な異なる生き方を追求しなければならない。
 新たな進路の模索にあたって前提とすべきことは、経済大国意識を捨てなければならないということである。
 当面われわれがなすべきは、日米関係を中曽根内閣以前、1960年代、70年代の中立的な関係に戻すことだ。1982年に登場した中曽根内閣以後、日米関係に節度が失われた。とりわけ小泉内閣は過度の従米主義である。何事も「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」。行き過ぎは是正しなければならない。
 中国・韓国などのアジア諸国との関係改善は急務である。とくに小泉首相の靖国神社参拝でこじれた中韓両国との関係修復は緊急の課題だ。これなしに極東の安全保障は困難である。今のままでは日本はアジアの孤児になる。
 新たなアジアとの関係の確立が求められている。アジアも大転換期に突入している。

 日本国民自身、大転換に向けて新たな発想が必要である。
 日本再生の方策を考えるにあたって必要なことは、歴史をきちんと総括し、過ちを正すことだ。日本の政治はこの20年間大きな過ちを繰り返してきた。日本政治の過ちは1982年の中曽根内閣から始まる。中曽根首相は対米関係における“節度”を捨て、“過度の接近”という過ちを犯した。中曽根首相は過剰な政治的野心をもち、レーガン、サッチャーとともに世界の大指導者たらんと夢見たのではないか。政治指導者の過剰な野心は国を滅ぼす最大の原因になる。節度なき日米関係の結果、日本の国益は大きく傷ついた。1985年9月22日のプラザ合意は日本政府による日本の国益の放棄だった。これにより米国経済は復活、逆に日本は沈没することになった。
 プラザ合意から17年半が経つ。日米経済関係は逆転し、米国は世界の王者になった。日本は不況のどん底であえぎつづけ、破滅の一歩手前まで追い詰められている。このままいけば、日本は米国の植民地と化してしまうだろう。弱者日本は強者米国の肉にされ食べられてしまう。いや、もはや半分食べられてしまっている。
 80年代につづいて90年代も日本は過ちをつづけた。90年代から今日までの間に三つの「改革内閣」が誕生した。政治改革の細川内閣、行政改革・財政改革など五大改革を掲げた橋本内閣、構造改革の小泉内閣である。いずれの内閣の挑戦も大失敗に終わった。
 この原因は、第一に、日本の風土・文化を無視して無理矢理アングロサクソンと同じ道を進もうとしたこと、第二に新しい低成長の時代に適応しようとせず、自らの力を過信して、80年代までの経済的成功の夢を追いつづけたこと、第三に国際情勢の変化とくに米国と中国の変化を見誤ったこと、にあった。

 日本再生のためには、まず、上記の三つの過ちに気づかなければならない。過ちを率直に認め、その原因を分析し、改革・改善の方向を見つけ出すための努力を始める必要がある。
このためには、すべての指導的政治家が自由で創造的な精神をもつことが大前提となる。ここにおいて役立つのが老子哲学だと思う。(つづく)
【今後、老子哲学の現代日本政治への適応について私見を述べることにします】


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