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ビル・トッテン氏:題名:No.568 経済犯罪に厳罰を
http://www.asyura.com/0304/hasan25/msg/242.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 04 日 20:28:47:


From : ビル・トッテン
Subject : 経済犯罪に厳罰を
Number : OW568
Date : 2003年4月4日

 汚職やホワイトカラー犯罪が跡を絶たない。犯罪がなくならないのは、犯罪をしないよりした方が“得”だからだろう。経済犯罪に実刑が科せられることは1割にも満たないのであるから。

(ビル・トッテン)

経済犯罪に厳罰を

 14年にわたる長期公判の後、未公開株を譲渡して贈賄罪に問われていたリクルート社元会長の江副浩正氏に懲役3年、執行猶予5年の判決が言い渡された。猶予判決となったのは現金の贈賄に比べて犯情が軽い、収賄側が政治・行政をゆがめなかった、審理の長期化で社会的制裁も受けたとの理由からだという。江副氏の贈賄額は約1億2300万円で、これを含めて70万株を約80人に譲渡、うち国会議員は17人で政治献金も含めると国会議員40人以上に10億円を超える資金提供を行っている。

 さらに3月初め、在日本朝鮮信用組合協会の会長らによる不正融資事件で背任罪に問われた同協会の元会長、李庭浩被告に対し懲役3年、執行猶予4年が言い渡された。李氏は朝信協元会長と共謀して旧朝銀大阪理事長時代に旧朝銀兵庫、京都、愛知から返済の見込みもないのに計約10億4000万円を引き出し、旧大阪が抱えていた不良債権の穴埋めに流用した。

 また鈴木宗男衆院議員をめぐる事件のうち、国後島ディーゼル発電設備不正入札と国際会議費不正支出の事件で国際機関である支援委員会に約3300万円の損害を与え、背任と偽計業務妨害の罪に問われていた元外務省の役人(懲戒免職)に求刑1年6か月、執行猶予3年が言い渡されている。

 わずか数日間に報道されたこれらの判決結果から、この手の犯罪が今後も後を絶つことはないだろうと感じたのは私だけではないだろう。少数のエリート集団が一般の国民を罰しながら、自分たちだけが罰から逃れられることのできる社会であってはならないと私は信じている。

 人権団体アムネスティ・インターナショナルは、かねてから日本の刑務所における暴行や虐待行為について警鐘をならし、状況の改善を求めてきたが昨年、名古屋刑務所で刑務官の暴行によって受刑者が死亡、または傷害を受ける事件が明らかになった。アムネスティによれば矯正施設は過剰拘禁の状態にあり、秘密主義で、囚人に対する虐待が広範に行われているという。企業経営者、政治家、官僚がそのような場所に入りたくないと思うのは当然のことであろう。

 しかし彼らが犯した経済犯罪の金額の多さと、その社会に与えた影響を考えたときに、実刑ではなく、ほとんどが執行猶予になることはどうしても納得がいかない。エリート集団がその地位を利用して株主に巨額の損害をもたらしたり納税者から数千万円を奪ったり、何億円もの預金者の金を流用するという行為が凶悪犯罪ではないとしても、経済力や権力のある者は罰を逃れられるという不公平感は、一般の国民の法律を順守しなければいけないという意識の低下につながるだろう。

 地位や権力を使った数億円規模の汚職や脱税は経済犯罪で、ナイフを使って数万円を奪うコンビニ強盗は窃盗だという区別はしたとしても、ともに財貨を手にしたいという欲望から起きた行為に変わりはない。国は司法をもってそれを国民に示すべきである。経済犯罪を禁固刑にするだけで犯罪が激減することはないかもしれない。しかし、いくら国や企業の指導者に「政治倫理要領」や「行動規範」を訴えたところで何も変わらないのであれば、その罪をより厳しく罰するしかない方法はないと思う。

 二人が死亡して国内原子力史上最悪の被害を出した東海村臨界事故で、業務上過失致死などの罪に問われた核燃料加工会社JCOの所長ら6被告に対しても、全員が執行猶予付きの有罪判決を受けた。事故では住民ら663人も被ばくしている。執行猶予になったのは、安全審査を怠った旧科学技術庁や違法操業にかかわったJCO歴代幹部らにも過失責任があり、また臨界事故は、長年にわたるずさんな安全管理体制下にあった同社の企業活動において発生したもので、被告らだけが事故発生に寄与したわけでないことから、事故の結果が極めて重大であるからといって過度に重い刑をもって被告個人の責任を問うことは事故の実態を反映させることにはならない、というのがその理由であった。

 食中毒事件で約1万3000人の被害者を出した雪印乳業では、製造担当者2人が実刑判決を受けたが、経営陣は不起訴、また偽装牛肉事件で詐欺罪に問われた雪印食品の元社員五人は全員が執行猶予判決であった。

 厳しい雇用状況のなかで企業が利益追求と効率だけを求めると、経営者が正しくないことをしていても社員は企業犯罪に加担するか黙認のいずれかしかないだろう。そして「正しくない」行為に対する罰が、執行猶予か低額の罰金であれば、表面だけのおわびや反省で不正行為は繰り返される。安全で公正な社会に近づけるためにも、過失やミスではない不正行為に対しては厳しい罰を突きつけるべきであると私は思う。

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著作:株式会社 アシスト  代表取締役 ビル・トッテン
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