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“カリスマ”の名が泣く、三井住友FG・西川社長の弁明 金融ポストFinancial Report
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投稿者 十夜 日時 2003 年 5 月 20 日 16:15:51:

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◇◇◇◇◇◇◆金融ポスト☆Financial Report◆◇◇◇◇◇◇◇
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 2003.4.30〈vol.4〉  ■編集発行・金融ポスト編集部
http://www.kinyupost.com/
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【CONTENTS】
・“カリスマ”の名が泣く、三井住友FG・西川社長の弁明
・大銀行の“リストラ”は本物?――社用の施設から見る
  ◎みずほ銀行 その2
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◆“カリスマ”の名が泣く、三井住友FG・西川社長の弁明
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 もう少ししっかり説明するのかと期待したのに、すっかり裏切られ、
落胆させられたのが、さる4月20日、テレビ朝日の『サンデープロ
ジェクト』に出てインタビューを受けた三井住友フィナンシャルグル
ープ(FG)の西川善文社長。

 インタビューの要点は、このところさまざまに騒がれている3点。

1 増資問題――ゴールドマンサックス社に破格の条件を出して優先
株を引き受けてもらった件。

2 子会社のわかしお銀行との「合併問題」――存続会社を三井住友
銀行ではなく、第二地銀のわかしお銀行=旧太平洋銀行(旧第一相互
銀行)とし、伝統ある旧財閥系銀行が2度も破綻した第二地銀に“吸
収合併”される形をとったこと。

3 本誌でもふれたことがある熊谷組(三井住友がメインバンク)と
飛島建設という債権放棄対象の負け組のゼネコン同士の合併問題――
破綻の先送りか…?

 以上の3点で、インタビューに先立ち、このところ“カリスマ”西
川社長に対するバッシングというか、内部批判が高まり、内部情報も
流出している、だから一般の視聴者より、まず銀行の内部に向けて説
明をしていただきたい、という趣旨の発言が、コメンテーターの財部
誠一氏からあった。

 それを受けての田原総一朗氏のインタビューだったが、西川社長の
説明は、新味ゼロ…、いつもの歯切れのよさも感じられない、何のた
めに出演したのか、首をひねらざるを得ないものだった。

 ご覧になっていた方も少なくないだろう。行員だけでなく、一般視
聴者にとっても、何も訴える点、中身のないものになった。

 特にゴールドマンサックスの1500億円優先株引き受け問題では、
決して鋭い質問を浴びたわけではないのに、歯切れ悪く、ただGSと
提携して新規事業を始めることの意義だけを強調。その内容も、これ
までの繰り返しにすぎないのに、カリスマらしからぬ訥弁で、苦渋だ
けが表に出た感じだった。

 優先株1500億円に4・5%という高利回りを25年間保証した
上、GSのローンの信用リスクに対する保証など、ほかの株主が怒り
出して当然といえるような破格の条件をさまざまに目一杯付けたこと
に対する説明は皆無だった。

 ●わかしおに吸収で、企業会計も変える

 わかしお銀行との合併問題では、小が大を呑み込むことによって生
じる合併差益約2兆円で莫大な株式の含み損を処理する…という点だ
けが強調された。インタビューアの突っ込みがお粗末だったこともあ
り、その弁明だけに終始。法律の裏をかくことまでやらなければ、三
井住友は存続できない状態に陥っているのか…というような、基本的
な疑問に応える説明がなかった。

 三井住友の仰天処理を受けて、金融庁の企業会計審議会は、この4
月初め、企業合併の会計処理から企業の裁量余地を小さくして透明性
を高める方針を固めたという。原則として時価評価方式に統一すると
いうものだが、三井住友はそういう動きさえ生み出したのだ。

 しかし、そもそも「株式の含み損を処理しなければ市場の信用を得
られない…」(西川氏)として、合併差益を当て込み、資産総額が約
200分の1のわかしお銀行が、三井住友を吸収合併する形をとった
というが、市場には姑息な手段と映ったか、合併差益による含み損処
理はまったく評価されていない。株価は下落の一途なのだ。

 合併差益2兆円といっても、それはいわば帳簿上の話なのだから、
市場の評価も当然のことと言えるのだろう。このインタビューでは、
それらの点も無視されてしまった。      (以下次号)

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■ 大銀行の“リストラ”は本物?――社用の施設から見る
 ◎みずほ銀行 その2
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 ●系列会社とのキャッチボールの歴史

 前号から始まった銀行保有の“豪華”施設を見る連載企画。これは
公的資金まで投入された“再建途上”の大銀行の基本姿勢を、いまだ
に温存されている社用施設を観察することを通して見ていこう――、
というもの。

 第1回が、東京都渋谷区初台2丁目にあるみずほ銀行の「初台会
館」(旧富士銀行初台会館)――。

石垣とや石塀に囲まれた約5400平方m(約1630坪)の林の
中にある大理石張りの堂々たる白亜の「集会所」(登記上、地下1階
付で延べ床面積約503坪)。

 この建物は、昭和56年2月新築(同年10月登記)で、所有者が
「富士銀行」(現在も)。

 土地は昭和54年(1979)に富士銀行に――。ここまでは前号
既報のとおり。

 なお、前号では、土地は「関連会社から購入した」と記したが、正
しくは、以下で示すように、この時点では「関連会社から交換により
所有権を取得した」となる(すでにその前に購入・所有していた土地
のキャッチボールが行われた)。

 ●鉄鋼会社から購入の歴史

 この「初台会館」の敷地の歴史を見るといろいろ面白いこともわか
ってくる。

 初台2丁目のあたりは住宅地だが、戦後、企業用地として使われて
きた土地が多い。周辺には企業の寮や社宅、あるいはすでに処分され
てマンションになっている元企業用地が少なくない。

「初台会館」の敷地の所有者も、戦後は個人から次のように企業の所
有になっている。

 昭和24年3月30日 売買 大阪鉄板製造
 昭和26年9月15日 売買 八幡製鉄
 昭和27年1月29日 売買 冨士銀行
 昭和49年9月30日 売買 日本橋興業
 昭和54年12月1日 交換 富士銀行

 最初に登場する大阪鉄板製造は、現在の日新製鋼。

 次の八幡製鉄はもちろん現・新日本製鉄。戦前からの日本製鉄が昭
和25年に解体され、八幡製鉄と富士製鉄に分離、設立されたばかり
だった。

 新日鉄は現在、日新製鋼とは提携関係にあり、同社の筆頭株主にも
なっている。

 当時は、朝鮮戦争の勃発(昭和25年6月)による戦争特需の恩恵
を受けて日本経済が急速に復興しようとしていた。八幡製鉄が土地を
購入する直前の昭和26年9月8日、サンフランシスコ講和条約が締
結され、翌年の昭和27年4月の条約発効により、日本は独立する。

 八幡製鉄がなぜ数カ月間だけ持って転売したのかはわからないが、
とにかく富士銀行が土地を購入するのは、そういう時期であった。

 富士は八幡製鉄のメインバンクではなかったものの、八幡は大量の
資金を消化してきた重厚長大型の代表企業だったから、多数の有力銀
行と密接な関係にあった。

 メインバンクは、重工業向けの国策金融としてスタートした旧日本
工業銀行だった。戦前、日銀から安田銀行(富士の前身)の経営に転
じ、のちに興銀総裁から日銀総裁まで務めた結城豊太郎氏(昭和26
年没)のようなバンカーもいた。結城氏はのちに政界で“絹のハンカ
チ”といわれた藤山愛一郎氏(日商会頭から岸内閣の外相に転じた政
治家)の岳父。

 なお、参考までにふれておくと、今回行われた、みずほフィナンシ
ャルグループによる1兆円増資に対して、新日鉄が100億円、日新
製鋼が10億円を引き受けている。

 日新製鋼はUFJ系である。また、鉄鋼では旧芙蓉系のNKKと旧
一勧系の川崎製鉄によるJFEホールディングスが100億円、ほか
に旧一勧系の神戸製鋼が30億円。

 製鉄会社は決して決算内容がいいわけではないのに(もちろん、保
有銀行株の下落も大きなマイナス要因)、住友金属を除いて、こぞっ
て“株の持ち合い解消”に逆行する不評の増資に応じた。

 1兆円増資には、旧興銀系と旧富士、旧一勧系のライバル心もあお
り立てられ、予定より多くの資金を集めた、などとも言われているが、
それはともかく、この土地には、鉄鋼と金融の関係の深さを示す歴史
も刻み込まれている、と言うこともできるかもしれない。

 ●登場する日本橋興業とは…

 富士銀行は、講和成立直前の昭和27年1月に敷地を購入し、以来、
22年間保持しながら、なぜか昭和49年(1974)9月、いった
ん日本橋興業という会社に売却し、その5年後の昭和54年(197
9)に交換により再度名義を換えている。

 日本橋興業は、芙蓉グループの不動産部門、別働隊ともいえる関連
会社。昭和49年は、前年の昭和48年10月に始まった第4次中東
戦争による第一次オイルショックにより、右肩上がりだった日本経済
が、戦後初めてマイナス成長を記録した年だった。

 その年、田中内閣が倒れ、“日本列島改造論”も破綻、商社などに
対する悪徳商法追及運動なども盛んになった。銀行に対しては、大蔵
省が大口融資規制を通達(昭和49年12月)。

 土地の所有権を関連会社の日本橋興業に付け替えるのは、その直前
の中間決算の時であった。

 時代背景を見るだけでも、旧富士銀行幹部の意図が何となくわかる
感じがする。

 日本橋興業所有になってからの昭和51年、1630坪の敷地に平
屋建て約60平方mの「共同住宅」名目の建物が建てられた(それ以
前の建物については不明)。

 そして昭和54年に交換により敷地が富士銀行名義に戻された時、
「共同住宅」は富士が買い取った形になった。その後、取り壊し。

 大理石の「集会所」が建てられたのは昭和56年2月。前号でもふ
れたが、同年5月には、のちの金融ビッグバンの露払い的な50年ぶ
りの銀行法の改正が行われた。

 当時は松沢卓二頭取時代(同年会長に)。証券と銀行との間や旧興
銀などを含めた長短金融の垣根、さらに金融行政の規制などをめぐっ
て、旧大蔵や政治家をはさんで、さまざまな攻防戦が演じられていた
時期だ。

「(昭和)50年5月の金融制度調査会への諮問から、銀行法公布ま
で6年という長時間と多大なエネルギーが費やされ、50年ぶりの銀
行法改正がなされたわけだが、私個人としてはいくつかの不満が残っ
ている…」などと松沢氏は自著『私の銀行昭和史』で書いている。残
念ながら、この「初台会館」には一切ふれられていない。だが、そう
いう背景があったから“城塞のような白亜のクラブハウス”が生まれ
たと言えるかもしれない。

 なお、この敷地を何年間か保持していた格好の日本橋興業は、みず
ほ銀行から膨大な借り入れを行っている関連企業で、不動産事業を行
いながら、みずほインベスターズ証券、みずほキャピタル、芙蓉総合
リースなどのグループ企業の大株主。株の持ち合いだ。

 日本橋興業はほかに東京都との共同の土地開発事業(旧富士銀行、
みずほが都の指定金融機関である効果か? 石原知事は、こういう事
業をどう考えているのか)や、みずほの融資とセットになっている損
害保険なども扱っている。ただ、非上場企業でもあり、みずほの持ち
株や今回の増資の引き受けなどの詳細は不明…。かりに株を引き受け
ているとすれば「初台会館」の敷地と同じで資金のグループ内の“付
け替え”に過ぎない、ということになりかねないが…。

●2兆3800億円の赤字

 ところで、みずほフィナンシャルグループは3月28日、03年3
月期の連結最終損益が2兆3800億円という膨大な赤字になると発表
した。今年2月の予想より赤字幅が4300億円も拡大した。
 
 その大きな要因は、自ら招いた感もある株安…。町田充常務執行役
員も発表会見の席で「減損処理と期中の売却損が、業績修正の100%
の要因」と釈明。また同社株が急落していることについて、同氏は
「株主になっていただいている投資家に本当に申し訳ない」と謝罪し
た。

 そのみずほが今頃になってようやく本格的な支店削減に乗り出すと
いう。みずほには手つかずの重複支店が多い。支店削減が何で今にな
るまで…と驚かれる向きも少なくないだろう。

 本企画で取り上げている施設は、いくら豪華でも、2兆何千億とい
う膨大な赤字の前では、余りにも細かく、ちっぽけ…。それでもあえ
て見ていこうというのは、銀行のこのような基本的な姿勢を問題にし
たいから。一時が万事、この体たらく…なのだ。

 旧富士銀行では、合併前からさまざまな問題が噴出していた。この
「初台会館」のような接待施設が温存されてきたのには、内柔外剛の
姿勢だけでなく、それを使わなければならないケースが多かったから
…と言える面もあるのかもしれない。
                         (以下次号)

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