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株式日記と経済展望 朝日ジャーナリズムと木村剛氏を批判する。
http://www.asyura.com/0304/hasan26/msg/402.html
投稿者 TORA 日時 2003 年 5 月 20 日 21:03:04:


●このことの善悪はさておき、これで思うことがある。他の説との矛盾だ。
 「劣悪な銀行は退去させよ。優勝劣敗」
 というのが、ペイオフ実施論者の意見だった。また、
 「劣悪な企業は退去させよ。優勝劣敗」
 というのが、不良債権処理論者の意見だった。

 とすれば、「劣悪な銀行は国有化せよ」つまり「劣悪な銀行は完全保護せよ」というのは、まったく正反対の(矛盾する)意見である。だいたい、「劣悪な企業を国有化せよ」という理屈が成立するのなら、ダイエーでも何でも、企業をつぶす(不良債権処理する)かわりに、どんどん国有化するべきだ、ということになる。
 「銀行だけは例外だ」と主張するのかもしれないが、だとしたら、その理由を述べるべきだ。先の「優勝劣敗」なんていう理屈では、矛盾する。銀行は破綻しなくても、論者の論理が破綻する。破綻した論理にしたがって行動すれば、日本経済を破綻させる。狂気。

 もう一つある。
 「不良債権処理をすれば、景気が回復する」という意見がある。つまり、「不良債権をRCCに渡せば、景気が回復する」と。だったら、「銀行を国有化して、その名称をRCCにする」のでも、同じことだ。RCCも銀行も、どちらも国の保有物なら、同じ国の帳簿の上で、右手から左手へ(銀行からRCCへ)、不良債権を移すだけのことだ。実質的には、何も変わらない。
 呆れますねえ。帳簿の保有者の名称を、国の「銀行部門」から、国の「RCC部門」へと、名称変更するだけで、日本の経済は一挙に回復する、という案だ。「改名するだけで景気回復!」だって。
 そりゃまあ、易者に運勢占いしてもらって、改名する人はいますよ。「これで運がよくなるぞ」と。これとほとんど同じレベルだ。今の国の経済政策は、こういう易者頼りみたいなことをやっている。狂気。
( ※ ついでだが、易者の名前が問題だな。木村……)
( ※ ロシアのエリツィンか誰かだったか、よく覚えていないが、易者にしたがって国の政策を取り、国を破綻させたという、ひどい権力者がいた。小泉はその二番煎じ。)

 [ 付記 ]
 「では正解は?」と疑問に思うだろうから、示しておこう。
 公的資金を投入しようが、不良債権処理をしようが、そんなことは、本質的な意味をもたない。「良いか悪いか」と問うこと自体が、間違いである。つまり、正解はない。
 「均衡状態では正しいことが、不均衡状態では正しくなくなる」
 という状況がある。それは「合成の誤謬」が働く状況だ。だから、まず、この状況を解決するのが根本対策だ。── 「需給ギャップの解消」。これが根本対策だ。これによって均衡状態が回復したあとで、ようやく、銀行国有化や不良債権処理について正解が出る。
 均衡状態が回復するまでは、正解はない。答えを無理矢理さずに、保留しておくべきだろう。(たとえば、「ペイオフ延期」というのは、「保留」を意味する。こういう「保留」が、最善だ。)


小泉の波立ち 2002年10月20日の日記よりhttp://www4.justnet.ne.jp/~greentree/koizumi/97d_news.htm

○昨日のテレビは、木村剛氏がテレビ朝日の「ニュースステーション」とテレビ東京の「WBS」に出ていたので見ていました。「りそな」への公的資金注入のニュースを受け、竹中ー木村コンビの意図を探るためですが、木村剛氏は所詮経理屋に過ぎない。会計基準を厳格化して公正に判断すれば「りそな」は自己資本の4%を割ることになる。金融庁は監査法人に悪役を押し付けて、自分は「中小企業にはてごころ」持ってなどと逃げている。

「ニュースステーション」の久米弘氏は経済問題に関しては全くの素人だ。朝日のコメンテーターも経済の専門家を自称していますが、自分の言っていることが矛盾していることに気がつかない。さらに木村剛氏を何度もテレビ出演させてプロパガンダをしている。完全に報道機関としての中立性を逸脱している。

この点、「WBS」においてはマクロ経済学者の植草一秀氏との論争で中立性が保たれていた。しかしながら小谷キャスターが問題の本質がわかっておらず、二人の論争の混乱に拍車をかけていた。マクロ経済を回復させなければ、ミクロでいくら正論を言ったところで問題は解決しない。

マクロを回復させなければ、ミクロで各企業ががんばっても無駄な努力に終わる。この点で植草氏の方が正しい。トヨタがいくら最高益を出しても日本経済はマクロがダメでは意味がない。私がここでマクロと言っても十分理解しているわけではない。それでマクロ経済を調べていたら南堂久史氏のウェブサイトが見つかった。

結局のところマクロ経済を理解するには植草氏や南堂氏や私のような天才的な頭脳でないと理解できないのだろう。あるいはノーベル賞学者のスティグリッツ教授の言っていることが理解できたのはホンの一部で、財務省や日銀のキャリア官僚も理解できなかったようだ。ましてや木村剛氏や久米キャスターのような単細胞では、ミクロはわかってもマクロは無理なようだ。南堂氏も朝日ジャーナリズムを次のように批判している。

●結局、正しいと思うことをやればやるほど、かえって状況が悪くなる。その理由は? 「経済学音痴」の一語だ。阿呆が日本経済をいじると、もてあそんだすえに、ぶちこわす。「狂人に刃物」というわけだ。
( ※ 一番の責任者は、小泉ではない。阿呆はちっとも悪くない。阿呆は自分が阿呆だと理解できないのだから。阿呆に阿呆と告げないマスコミが、最大の責任者だ。今日もまた、新聞には、デタラメ記事ばかりが出る。かくて世間を誤った方向にミスリードする。ハーメルンの笛吹。……昔も、マスコミは、日本軍の暴走を擁護して、日本を破滅させた。歴史は繰り返す。)

○田原総一郎氏も久米弘氏も木村剛氏も竹中平蔵氏も、自分は正しいと確信して発言し行動しているつもりなのだろう。しかしアホは自分がアホであることを理解できない。そこを突くと感情的になって反論する。木村剛氏も植草氏に感情的になっていた。結局のところ彼らは広島長崎に原爆が落ちるまで、自分がアホであることが理解できなかった青年将校と同じだ。

木村剛氏も竹中平蔵氏も榊原英資氏も、自分が矛盾した発言をしていることに自分で気がつかない。発言の内容がクルクル変わる。朝日ジャーナリズムは彼らの広報機関に過ぎない。南堂氏は昨日の5月19日の日記でも次のように指摘している。

●りそなが経営危機を起こして、事実上の国有化となった。この「銀行の国営化」の意味を、整理しておこう。
 第1に、銀行の国営化は、原則としてするべきではない。
 第2に、銀行が正常経営をできなくなったら、倒産よりは、国営化を選ぶべきだ。

 この二点を混同しないように注意しよう。実質倒産した銀行について「国営化は絶対にいけない」とは言えないし、また、正常な銀行については、「国営化するべきだ」とは言えない。

 ところが、この二点を逆に主張している意見もある。朝日がそうだ。次のような意見を取る。
 「ペイオフを実現するべきだ。つまり、経営悪化した企業は、市場から退場させるべきだ。政府による保護など、もってのほかだ。そんなことをすれば、モラルが荒廃する。厳しい態度を取れば、銀行経営はまともになる。ゆえに、ダメな銀行に、手を差し伸べてはならない。」
 「正常な銀行には、予防的に、国営資金を投入せよ。そうすれば、金融システムへの信頼が増す。」

 まったく、メチャクチャの極みである。この二つは、明らかに矛盾するが、最近は、後者の意見ばかり主張して、ちょっと前まで「ペイオフ実施!」と主張していたのを、すっかり忘れてしまったようだ。健忘症。


小泉の波立ち 南堂久史氏の政治経済の論説http://www4.justnet.ne.jp/~greentree/koizumi/


○南堂氏の主張で私と全く異なる見解がある。それは政府や日銀が株や土地を買い上げると言うことだ。南堂氏は株や土地を日銀が買い上げればミニバブルが発生するとしている。私はデフレが脱却できる程度の買い上げが必要だと思っている。「りそな」のみならずメガバンクは倒産の危機に直面している。

劇薬であるが至急的に政府による簿価による株や不良債権の買い上げが必要だ。「りそな」クラスでも2兆円の公的資金が投入される。メガバンクだと数倍となるだろう。それなら最初から銀行の資産を買い上げて経営を立ち直らせた方が早いだろう。もちろん経営陣の退陣や従業員の賃金30%カットなども行う。南堂氏は公正さを問題視しているがどうだろう。

●(3) 政府買い上げによる資金供給
 上の (1) (2) が効果が出ないのは、経済学者も薄々気づいている。(現実にそうなのだから、気づかない方が変だ。)そこで、「政府による買い上げ」という案が出てくる。「不動産や株式を政府が買い上げて、民間に資金を供給する」という案だ。
 これは最悪である。(1)(2)は、「効果がない」だけだったが、(3)は、「悪効果がある」からだ。なぜなら、これは、「ミニバブルを発生させる」ということだからだ。
 この施策を実施すれば、確かに、大きな目で見て、民間に資金は供給される。しかし、「民間」とは何か。株や不動産をもっている、特定の人々だけだ。国民のごく一部だけに集中的に莫大な金を投与する、というのは、たとえそれが少しは効果をもつとしても、不公正である。しかも、その結果、一部の人々がさんざん贅沢をするだけで、大衆はおこぼれをあずかるだけにすぎない。また、金を受け取った人だって、大部分は貯蓄に回すはずで、結局、預金通帳のゼロの数字が増えるだけだ。莫大な金を投じて、このありさまでは、およそ「政策」の名に値しない。
 こんな馬鹿げた案を実行するくらいなら、所得税減税の方がはるかにマシである。所得税減税は、公平さの点で問題はあるが、少なくとも、国民の大半に金が行き渡る。「不動産や株をもっている人だけ」を対象とする「政府買い上げ」なんかよりも、ずっと公平だし、しかも、効果は大きい。「所得税減税」なら、自動車やパソコンなど、さまざまな商品がまんべんなく売れるようになるが、「政府買い上げ」では、高級料亭とか、ゴルフ場とか、宝石店とか、そういう一般大衆とは遊離した一部の業界だけが一時的に繁栄するだけだ。まさしく、ミニバブルである。こんなことをすれば、当面は楽だとしても、あとでまた国全体でツケ払いを迫られる。まだしも「米百俵」の精神で我慢した方がいい。
 バブル(資産インフレ)というものには、もうすっかり懲りたはずだ。にもかかわらず、「ミニバブル」を提案するような人が今なおいるのは、まったく困る。そういう人は、少しはクルーグマン教授の本でも読んではどうだろうか。 

第二章 改革の問題点 南堂久史http://www4.justnet.ne.jp/~greentree/koizumi/2_mondai.htm#03

http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu47.htm

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