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「政策転換」ってなんだ? 〜まず考えるべきは「なぜ民需が伸びないのか」だ。
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投稿者 奈々氏 日時 2003 年 5 月 25 日 23:46:33:

「政策転換」ってなんだ?
まず考えるべきは「なぜ民需が伸びないのか」だ。
2003/5/25

この期におよんで小泉の支持率は50%前後を維持しているらしい。
マスコミの世論調査のサンプルの偏りはしばしば指摘されているし、
また、日本が混乱し衰退するほど喜ぶ左翼カルト世代に牛耳られた
マスコミの洗脳による影響が大きいとはいえ、
日本の将来を考えると暗澹とした気分になる数字だ。

一方、小泉内閣の「経済政策」については7割が「不満」としており、
逆に支持理由のトップは常に他を引き離して「他に人がいない」である。
確かに、小泉の「経済政策」(とよべる代物とも思えないが)がデタラメで
あるということは、現在の状況を見れば明々白々である。
(その原因の理解が正しくなされているかどうかは別として)

それでも「他に人がいない」という形で高支持率が続くのは、
いくら彼の経済政策がむちゃくちゃとは言え、
ここで小泉を引き摺りおろした場合、
「公共事業垂れ流し体制」に舞い戻ってしまうのではないかという
国民の不安が大きいことを示しているように思う。

最近は「政策転換」ということがキーワードのように使われている。
確かにこのままの政策を続けていれば出口はないのは明白なのだから、
何らかの転換が必要であることは誰でも解る。
しかし、どうも最近この言葉は「財政支出」のバラマキと
同義で使われているようだ。

現状存在する反小泉勢力は亀井を筆頭に
多分全員が「補正予算」を求めている。
しかし、再三繰り返している通り現在の問題の根源は
あくまで「不良債権処理の強行」にあるのである。

「査定強化」などといって銀行が貸したくても貸せない状況を作ることで
数十兆円の信用収縮を招いただけでなく、
それに伴う倒産の増加によって企業経営者や一般国民の不安を増幅し
企業も個人も投資や消費を減らし貯蓄に走る状況を作り出している。
今回のりそなの件ではさらにそれに拍車がかかるだろう。

そういう、問題の根源を放置したまま、
なんで「財政支出」にばかりこだわるのかさっぱり解らない。
はっきり言えば彼らの支持組織維持のため以外に思いつかない。
小泉がマスコミ重視型のポピュリズムであるとすれば、
彼らは支持組織重視型のポピュリズムであると言えよう。
このあたりが見え透いてしまっているから、
小泉の経済運営がいかにめちゃくちゃでも
反小泉勢力へ支持が流れていかないのだと思われる。

また、政策の方向性という面で言っても
小泉が銀行という資本主義の心臓の機能を破壊することによって
社会主義を実現しようとする路線とすれば
反小泉勢力は公共事業により経済に占める官の比重を
高めることによる社会主義路線である。
この両者の差異は社会主義への方法論の違いだけであって
いわば「革マル派」と「中核派」の戦いと言ってよいだろう。
どちらにしてもロクなものではない。

バブル崩壊前はGDPの19%程度だった「公的需要」は
今やその24%前後にもなっている。
企業や国民が将来不安から投資、消費を控える中、
「国民が使わないなら俺達がつかう」というような勝手な理屈で
ひたすら「官」の肥大化が続いてきた。

最近は学者の中にも「単に需給ギャップが埋まればいい」というような
乱暴な理屈で財政支出の増大を支持するものも多いようだ。
また、日銀に巨額の国債を引き受けさせた上で徹底的な財政政策を
行うことを主張するHPがかなりの支持を受けていたりする。

しかし、まず考えるべきは「なぜ民需が伸びないのか」である。
結局、誰も使わない漁港や山奥の道路に流れる公共事業を行うより
企業が国民のニーズを踏まえて行う投資や
国民が自分の好きな物を買う消費によって
景気が回復する方が、はるかに国民を幸福にするし、
産業構造も国民のニーズにあったものになってくる。
いま、やるべきことは「不良債権処理」を完全に棚上することにより、
民間経済主導による経済復興をめざすことなのである。
「財政」をさらに悪化させてまで無駄な公共事業を行うことではない。

とはいえ、残念ながら現状このようなポリシーミックスを
主張する政治勢力は見当たらない。
左翼カルトの破壊主義をDNAとして引き継ぐマスコミへの迎合か、
官需依存の地元業者への利益誘導でしか当選できない日本の民度の中で、
いずれにしても社会主義的な対処療法ばかりが声高に論じられている。

かつては、大蔵省が「マクロ経済を見渡した金融政策」と「健全財政」という、
実は最も資本主義的な方向でのマクロ運営に一定の影響力を持っていたと思う。
もちろん、最終的な判断は国会の議決に委ねられるものの、
社会主義的政策に陥りがちなポピュリズムの谷間を埋める
このような機能の存在は極めて貴重であった。

しかし、本来「どこまで政府がやるべきなのか」が問われるべき「行政改革」が、
世の中の混乱を楽しみルサンチマンを煽るだけのマスコミによって、
単なる官僚バッシングにすり替えられる中で、
このような官僚機構の最も良質な部分が失われてしまったことが、
今日の底無しのデフレ不況の大きな元凶になっていることを理解すべきであろう。

とはいえ、現状の政治状況を見る限りは
いずれにしても社会主義Aをと社会主義Bの中での選択がなされそうである。
最悪なのは両者の妥協の中で「不良再建処理強行」の継続しながら
大型「補正予算」が行われるという組合わせである。
まさに、クーラーとストーブを同時に全開にして資源だけ浪費しながら、
経済の「官」への依存度が加速度的に高まるという最悪な政策である。
クーラーとストーブを両方切って自然に任せるのが
最も賢明な選択であることを認識すべきである。

http://village.infoweb.ne.jp/~fwhh1899/index.htm

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