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食品安全基本法案及びその関連法案の問題点  農薬問題連絡会
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投稿者 小耳 日時 2003 年 5 月 12 日 22:11:53:

(回答先: 食品安全基本法案の国会提出について 投稿者 小耳 日時 2003 年 5 月 12 日 22:08:12)

2003.2.13        農薬問題連絡会

                          
食品安全基本法案及びその関連法案の問題点

1 食品安全基本法案について

(1) 総合的でなく、食品リスク評価法に過ぎない

 本法案は、第1条目的において「食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進する」ことを掲げています。しかし、この法案は、その目的を実現させるにはほど遠く、食品健康影響評価(食品リスク評価)を食品安全施策ごとに行わせることを定めたものであり、「食品健康影響評価法」と名称を改めたほうがよいような内容のものです。

 個別の農薬、食品添加物等について、食品健康影響評価をし、それが問題ないとなれば、その範囲内でいくら使用しても良いとなってしまうものであり、国民の望んでいる食の安全の課題である農薬や食品添加物の使用を全体として抑制しようとするものではありません。むしろ、それらの使用にお墨付きを与え、それらの使用を奨励することにすらなりかねません。

この法案は、「安全な食べ物は、化学合成物質や遺伝子組換え技術等に汚染されていない豊かな自然環境から作られる」という認識を根本的に欠くものです。また、この法案は、限界のある科学的知見でもってすべての食に関する施策を管理し、積極的な食の安全に関する政策展開を阻もうとする危険な側面を持っています。

(2)食の安全・安心を推進する真の基本法が必要

 食の安全・安心を確保する上で最も重要であり、国民の関心が高く、国民が望んでいることは、有機農業の振興、農薬の抑制、食品添加物の抑制、自給の拡充などです。ところが、この法案は、それらの施策を計画的に打ち出すことを可能とする法案ではありません。

 したがって、このような不備を改めるためには、この法案ですでに述べられているものは「食品健康影響評価」の章として一部分を成すものとするとともに、さらに、化学合成物質の使用をできるだけ減らし、遺伝子組み換え技術に頼らない食品に切り替えるため、有機農業の振興、農薬の抑制、食品添加物の抑制、地産地消の推進などの行動計画を策定し、実施することを定めた章を設ける必要があります。

 この行動計画は、有機農業、消費者、学識者による審議会を設けて、その専門の事務局の協力の下で作成し、内閣総理大臣が責任をもって政府決定とし、実施する実効性のあるものとする必要があります。

(3)自然環境への影響も含めた総合的な食品健康影響評価の必要性

 この法案では、上記のように個別の農薬、食品添加物等の化学合成物質について食品健康影響評価を行うものであり、それが良しとなれば、その総合的な使用量や量的な使用の増大などは規制されません。また、他の化学合成物質との複合汚染による人体への影響を積極的に評価しようとするものともなっていません。しかも、自然環境への悪影響(環境汚染)は、食品の汚染に密接につながるにもかかわらず、評価において基本的に考慮されていません。こうした総合的な視点の欠如した評価では、健康への悪影響を未然に防ぐことはできません。

(4)農薬、食品添加物等の従来基準の徹底的な見直しの必要性

 認可・登録等の従来基準を徹底的に見直す必要があります。そのためには、独自の分析調査機能を持ち、鋭い科学的な分析が実施できる委員会でなければなりません。とりわけ、国際基準が設定されているもののなかには、従来からの日本の規制水準からみれば緩いものや、食の安全確保に照らして新たに厳しい基準設定が必要とされるものが少なからずあります。そのような国際基準に対しては、より厳しい基準を採用する必要があるとの科学的立証を積極的に行う役割を持つことを規定する必要があります。

また、基準の遵守状況や基準の現状との不具合を徹底的に調査する機能・役割も委員会が持つ必要があります。

(5)データ及び情報の公開

 評価や分析調査が実施されたときは、その基礎データを含めすべての情報が公開されることを規定する必要があります。認可や登録の申請の際に企業が提出するデータは、すべて公開され、企業秘密等を理由に公開を免れることを許さない規定が必要です。

(6)措置請求の申出手続きの必要性

 何人も施策や評価について適切な措置をとるように求めることができる規定を設けるとともに、その申出があった場合には、その適正な処理がなされることを確保する手続規定を設ける必要があります。

(7)基本法の運用体制

 上記の行動計画にかかわる章の運用体制は、有機農業、消費者、学識者による審議会とそれを支える専門事務局を内閣府に設置する必要があります。また、食品健康影響評価にかかわる章の運用体制は、食品健康影響評価委員会(食品安全委員会を改称)とその事務局を内閣府に置きますが、委員会の委員の選考は、広く候補者を公募し、公募のあった者の中から選考理由を明確な形で明らかにした上で決定されるものとするべきです。委員会の審議は公開とします。

2 農薬取締法改正法案について

(1)目的と定義の見直し

法律の目的に自然環境及び生活環境の保全、農薬散布者・散布地周辺住民の健康保全を明記するとともに、これまで拡大を重ねてきた農薬の定義をしなおす必要があります。

農薬の定義では、まず、基本的に化学合成農薬を農薬として規定することが必要です(「農作物等を害する病害虫を防除に用いられる殺虫剤、殺菌剤、除草剤、殺鼠剤その他の薬剤及び農作物等の生理機能を制御するために用いられる植物成長調整剤で、合成化学物質を含む薬剤」などの規定)。これに対しては、現行よりもはるかに厳しい規制(登録保留要件への環境影響要件等の追加、使用基準の強化等)を加えることが必要です。

次に、「特定農薬」は、これを廃止します。天然物質等を原材料とするものについては、化学合成農薬とは異なる規制体系とするとともに、次にみるように、農水大臣が省令で定める農業資材は適用除外とします。 

(2)有機農業で使用される資材の適用除外

有機農業の推進に配慮し、有機農業の観点から独自に判断されるようにするため、有機農業で使用される資材を適用除外にする必要があります。

そして、化学合成農薬の使用を削減することを図る規定を農薬取締法本体あるいはそれ以外の法律で規定する必要があります。

(3)農薬の登録にかかわる権限等、農薬取締法の所管を農林水産省から環境省に移管します。

3 食品衛生法改正法案について

(1)登録検査機関の規定を削除するとともに、現行の食品の検疫体制を大幅に強化します(食品衛生監視員の大幅増員)。

(2)申請の際に企業が提出するデータは、すべて公開され、企業秘密を理由に公開を免れることを許さない規定を設ける。また、何人も施策や評価について適切な措置をとるように求めることができる規定を設けるとともに、その申出があった場合には、その適正な処理がなされることを確保する手続規定を設ける必要があります。

         以上

http://www.jca.apc.org/joaa/mondaitn.htm

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