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(回答先: １９日にも対米協力承認か＝開戦には間に合わず 投稿者 YM 日時 2003 年 3 月 19 日 06:49:38)
『ＡＥＲＡ』2003/3/24
トルコ「米軍受け入れ」問題
米軍精鋭は間に合うか
編集部 田岡俊次
米軍の受け入れを議会が拒否したトルコで、与党党首が補選で議席を得た。首相が代わり、議会も「是」に転じ、北部戦線は構築できるようになるのか。
トルコ東部のシイルト県で３月９日に行われた国会議員の補欠選挙ほど世界の注目を集めた補選はなかったろう。米軍がイラク攻撃をする場合に、トルコ経由で侵攻して北部戦線を開けるか否かがかかっていたためだ。昨年１１月のトルコ総選挙で圧倒的多数を占めたイスラム教系の公正発展党のエルドアン党首は、この総選挙には公民権停止中だったので、http://www.asahi.com/special/iraq/TKY200303100012.html">今回の補選に立候補し、議席を得た。
外国軍通過は議会承認
米国はトルコが北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の一国である以上、協力すると考え、南のクウェート側と同時に北のトルコ側からも攻め込むことを計画した。だが、トルコは東部に総人口の１８％（１２００万人）のクルド人を抱えるため、米国がＣＩＡ工作員や特殊部隊をイラクのクルド人地域に潜入させて武器や資金を与え、蜂起するようそそのかすのに反発した。イラクのクルド人が戦争に乗じ独立闘争を再開すれば、トルコ領内のクルド人にも波及するのは必至だからだ。さらに戦争によりイラクとの貿易が途絶え、観光収入も激減する。世論調査で９０％以上が米国のイラク攻撃に反対したのも当然だった。
トルコでは外国軍の受け入れは議会の承認を要する。米国はトルコ政府との交渉で、トルコ軍６万〜８万人がイラク北西部のクルド地域に侵攻し、独立運動を押さえ込むことを認めた。米国は一方でクルド人に対イラク蜂起を求めつつ、他方でトルコ軍がイラク領内のクルド人を討伐するのを認めたのだから支離滅裂の戦略で、クルド人こそあわれだ。
トルコの経済的損失に関しては、米国は実質５０億ドルの援助とｌ００億ドルの低利融資を約束した。これは経済援助というより損害賠償だ。だがトルコ議会は３月１日、米軍受け入れ案を３票差で否決した。しかし、否決で慌てた議員もいたという。
（中略）
党首当選で再提案か
米国はトルコ政府に再提案を求めたが、エルドアン党首が議席を得て首相となり、組閣をしないと提案しにくい。今回の党首の当選で、米国が北部戦線を開くための最初のハードルを越えた。
だが組閣、再提案、そして可決となっても、まだ時間はかかる。トルコ沖には米陸軍の最精鋭師団、第４歩兵師団（機械化）のＭ１戦車２５０両、Ｍ２歩兵戦闘車２００両、ヘリコプター１００機などの装備を積んだ輸送船約３０隻が停泊しーカ月を空費した。
米軍はトルコ東部のイスケンデルン、メルシンの２港の埠頭の使用を許されており、一部の装備は陸揚げしたが、約３０隻分の装備、物資の荷揚げに２週間はかかる。
それをイラク国境まで約８００キロ陸上輸送し、梱包を解いて部隊に渡し、照準装置などの再調整などをして戦闘態勢になるのは、議会承認の約ーカ月後、早くて４月中旬になると見られる。
第４歩兵師団は全部隊が戦術インターネットで結ばれて情報を共有し、一体となって作戦できる米軍唯一の「デジタル師団」だ。これが緒戦で使えないのは、将棋にたとえると、最初に飛車を取られた形だ。もしバグダッドを南北から挟撃する戦略が取れないと、米軍は片手でボクシングをすることになる。イラク軍が北部の１６個師団の一部を南に転用すればバグダッドの守りは固くなる。
第４師団の展開完了を待って開戦すれば気温は上昇し、砂嵐は激しくなる。飛車なしで序盤戦を始めるかどうか、米国は苦しい選択を迫られている。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。