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【イラク侵略戦争のゆくえ】 傲慢者らしく“願望”と“信仰”で作戦計画を立てたブッシュ政権 − 戦闘の勝利さえ危うい実情 −
http://www.asyura.com/0304/war26/msg/826.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 23 日 00:51:51:


「イラク侵略戦争」の見通しについて、20日に次のような書き込みを行なった。

『米英軍の「イラク侵略作戦」を読む − 長期化の可能性 −』
http://www.asyura.com/0304/war26/msg/497.html

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「イラク侵略戦争」は、現在のところ、いわゆるハイテク兵器を装備した圧倒的な軍事力を誇示する米軍が短期間で勝利するというのが多数派の見方のようである。
(“戦争犯罪人”日本政府は、それを見越して、国連に戦後復興を議題にするよう働きかけている)


私自身も、期間の長さは別として、米英軍が正規戦に勝利しバグダッドに占領権力を樹立するだろうと考えてきた。

しかし、攻撃開始後日を追うごとに、米英軍は戦闘にも勝てない可能性があるという思いを強めている。
なぜ、そう思ったのかを簡単に説明したい。


● ブッシュ政権は米軍の攻撃をきっかけにクーデタや反乱が起きると想定していた


米英軍が戦闘でも勝てないと思う最大の根拠は、ブッシュ政権が“他力本願”でイラク侵略戦争に踏み出したと推察したことである。


『ラムズフェルド長官とマイヤーズ統合参謀本部議長の記者会見 【長期化必至】』( http://www.asyura.com/0304/war26/msg/530.html )を参照していただきたいが、ブッシュ政権は、米国が最後通告を投げ掛け軍事攻撃に踏み切れば、反フセイン感情を持っている国軍幹部や共和国防衛隊幹部が反フセイン(クーデタや離反)に動いたり、宗派武装勢力などが蜂起すると見込んでいたようである。

攻撃開始初日のラムズフェルド国防長官の記者会見を中継で見聞きして、ブッシュ政権はクーデタや蜂起を期待して戦争に踏み切ったのかと心底驚いた。

ブッシュ政権が、空軍の支援を受けながらとはいえ12万人ほどの陸上侵攻部隊でイラク占領支配をめざしたのは、バグダッド市街戦もなくそれが可能だと勝手に判断していたことを支えにしたのだと思ったとたんに、この侵略戦争は、長期化が必至で、侵略軍が戦闘に勝つとしたらとんでもない焦土作戦を実施したときだろうと予感した。


バグダッド制圧の難しさは『米英軍の「イラク侵略作戦」を読む − 長期化の可能性 −』( http://www.asyura.com/0304/war26/msg/497.html )を、占領支配の難しさは、『破壊や虐殺の軍事作戦と占領支配とは次元が異なります。』( http://www.asyura.com/0304/war26/msg/720.html )を参照して欲しい。


ラムズフェルド国防長官は、今日未明のの記者会見で、イラクにクーデタや反乱が起きる兆しはないと語っていた。
クーデタや反乱は、隠密裏に進めなければ成功しないものだから、兆しがあってもそれをわざわざ語ったりしないものである。

しかし、今日の報道記事や転載記事には、イラク国軍及び共和国防衛隊の幹部に対する“離反工作”の失敗が書かれている。

CNNは、「交渉はイラク国内で過去36時間内に集中的に実施されているという。フセイン大統領直属で首都バグダッド防衛の重要任務を担う共和国防衛隊の幹部級も対象とされ、CIA工作員や米軍幹部も交渉に参加している。共和国防衛隊幹部の説得については、前向きな感触はあるものの、“取引”の成立はまだないとしている。これら投降交渉での成果の有無は、米英軍による空爆のタイミング決定にも一定の影響を与えているとも述べている。共和国防衛隊の内部崩壊は、フセイン政権の瓦解(がかい)につながる重要要素との認識に基づくとみられる」と報じている。

このような内容が表に出たということは、対象組織を揺さぶるためのプロパガンダか、その工作が失敗したことを意味する。


日本時間3月20日午前11時半に開始されたイラク攻撃は、バグダッド空爆を嚆矢とした。そして、フセイン政権中枢の居場所が特定されたので、それを標的として行なったとされている。

近代戦争は、正規軍と正規軍が戦闘を行ない、交渉相手である政府首脳を標的とした攻撃は行なわないのがルールである。

元々フセイン政権の打倒を目標とした戦争だから、フセイン氏の「首取り」作戦(米国自身がそう言っているだから恥知らずも極まれり)を敢行しても不思議ではない。

しかし、フセイン大統領を殺害したからといっても、現行のイラク政権が崩壊すると決まっているわけではない。戦時下にあるのだから、素直に考えれば、臨時大統領や集団指導体制で政権を継続させるはずである。(フセイン大統領が死んでいる可能性もある)

フセイン氏の「首取り」作戦は、イラクのクーデタを誘発するための軍事行動だろうと考えている。
そして、フセイン氏死亡説・フセイン氏長男死亡説・側近複数名死亡説も、それがイラク国内にも流れることを想定したプロパガンダであろう。

そして、フセイン政権中枢の誰かが死んだか誰も死ななかったかは別として、現在のところはイラクで政変は起きていない。


同時に、このようなフセイン氏の「首取り」作戦が公表されたことにも驚いている。

米英の情報機関が行なってきた謀略工作によりイラクの政権や軍機構の幹部にもエージェントがいると考えている。

フセイン政権中枢の居場所を特定したのはCIAだと発表されているが、実態はCIAエージェントからの内通だと思われる。
戦時下で大統領の動向を知っているということは、側近クラスの大物エージェントであろう。
メディアが、フセイン氏の「首取り」作戦の経緯を公表したことで、エージェントの洗い出しが行なわれ、たぶん処刑されたと推測している。
(ごく限られた人しか、攻撃開始刻限の大統領の居場所は知らないはずだから割り出しにはそれほど手間取らない)


● ブッシュ政権中枢の傲慢と“信仰”がこのような失敗に結びついた

ブッシュ政権が、最後通告を投げ掛け攻撃を開始すれば、イラクにクーデタや反乱が起きると予測したのは、ブッシュ政権中枢の傲慢と“信仰”のなせるわざであろう。

米国政権は、90年のイラクのクウェート侵攻以後フセイン政権に対する非難を強め、「湾岸戦争」で勝利することでイラクを国連管理下に置いた。
国連管理下で、「フセイン=悪」論を世界に広めるとともに、イラクの軍事力を削ぐために武器査察を行ない、イラク国民を経済的に疲弊させるために経済制裁を継続してきた。(98年の「砂漠の狐作戦」に限らず、恒常的なイラク空爆も行なってきた)


「湾岸戦争」以降の“イラク管理”は、2003年3月20日のためにあったと言っても過言ではないと考えている。

国際世論にフセインは極悪人というイメージを醸成しつつ、イラク攻撃に対する防御力を削ぎ、経済的苦境でイラク国民のなかに反フセイン感情を増殖させることで、イラク占領支配がスムーズに完遂できる条件をつくってきたのである。


今回の侵略に安保理のお墨付きが得られなかったことにも現れているが、米国政権中枢は、自分たちが行なってきたプロパガンダがそのまま現実であり国際社会に受け入れられていると錯誤し、反フセイン感情=親米感情だと勝手に思い込んだと推察する。


イラク国民はこれまでの経済的苦境が主として米英の経済制裁によるものと考えると同時に、フセイン政権でなくなればそれが解除される可能性もあると考え反フセイン感情を抱くようになったのは確かだろう。

しかし、反フセイン感情が、そのまま親米感情につながるわけではない。
それどころか、国際社会の圧倒的多数が反対しているイラク攻撃を行なおうとし行なった時点で、反フセイン感情よりも、反米感情のほうが強くなると考えるほうが素直だろう。
(制圧された地域の住民が米軍を歓迎したとしても、中国戦線でも、日本軍が占領した地区の住民が日の丸を振ったのと同じで、人々の生きる知恵である)


ブッシュ政権中枢のなかには、米国流国家社会が理想だと考えている者もいるようである。そのような人たちは、イラク国民も、同じような国家社会を求め、それが軍事力による押し付けであっても受け入れると勝手に信じているフシもある。

ムスリムが圧倒的に多いイラク人が、イラク国家よりも、アラブ人としての民族的アイデンティティやムスリム共同体意識に“忠誠心”を持っていることを理解できていないのである。

このような現実認識しか持たない“狂犬”(ワンちゃんごめんね)が襲いかかっても、ことを成就する可能性は低いと判断せざるを得ない。


逆に、イラク攻撃に反対してきたCIAやそのエージェントであるスコット・リッター氏のほうがきちんとした現実認識を持っていたことになる。


● 南部の戦況について

フセイン政権は彼我の軍事力をきちんと認識し、妥当な戦術をとっていると推測する。

南部地域の戦闘では米英軍による大虐殺も行なわれたようだが、イラク第2の都市バスラを別にすると、目立った抵抗はなくまとまったイラク軍兵士の投降も見られるという。

しかし、バスラ陥落間近と報道され、イラク軍第51師団の全兵力が投降したとされているにも関わらず、バスラ制圧には手間取っているようである。

軍事作戦として笑えたのは、捕虜収容所は設置せず武装解除した兵士の多くは放免するという話が漏れ伝わっていることである。
捕虜の管理をしようと思えば、その分、兵力や物資を削がれることになる。それよりは、バグダッド攻略に全兵力を注力したほうがいいとの判断であろう。
まさか、縛って砂漠に放置したり、銃殺したりするわけにもいかないから、家に帰れ!ということになるのだろう。

しかし、放免したからといって、彼らが反米闘争を行なわないという保証はないのである。

これがそのような事態を意味しているのかどうかはわからないが、BBCが、「イラク南部の港湾都市ウムカスルに展開する米海兵隊従軍記者の報告として、イラク兵の一部が軍服を脱ぎ、各所で武装ゲリラ化している」と伝えている。

米英正規軍部隊にとっては、イラク正規軍との戦いは優位に進められるが、ゲリラとの戦いでは優位に立つことはできない。


フセイン政権の軍事作戦が、当初から、南部地域ではバスラ以外ではたいした抵抗をしないまま投降するというものであった可能性もある。


このようなことから、米英の「イラク侵略戦争」は予想を超えた苦戦を強いられていると考えている。


『米英軍の「イラク侵略作戦」を読む − 長期化の可能性 −』( http://www.asyura.com/0304/war26/msg/497.html )で書いたように、南部地域を完全に平定しない限り、バグダッド攻略に踏み切ることはできない。

しかし、正規軍がいなくなる代わりに、ゲリラ化した戦士が跋扈し始めれば、南部地域が北部同盟のいない“アフガニスタン”になってしまう芽も出ているくらいだから、そう簡単には平定できないようである。


米英軍は、このような推移を踏まえて、首都バグダッドなどへの猛爆を敢行した。
これにもまた恥知らずの「衝撃と畏怖」という名前をつけ、猛空爆でイラク軍やイラク国民の継戦力を削ぐものだと位置づけている。

もちろん、そのような猛爆を続ければ、国民は早くケリがついて欲しいと考えるようにはなるだろう。
しかし、それは、あると仮定する親米意識を徐々に反米意識に変えていく過程でもある。
さらには、開戦前からという史上初めてとも言える世界的な反戦運動も、さらに高まることになる。


「イラク侵略戦争」が長期化すると、物資の補給には事欠かない米英軍と違って、イラク軍及びイラク国民は物資不足に陥ると予測できる。

弾薬はその時にならなければ使わないとしても、食糧は日々消費するものだ。
バグダッドも、8月くらいまでは配給された食糧と備蓄で維持できそうである。

米英軍が“兵糧攻め”に移れば、現状のままではイラクの抵抗力は消えていくことになる。

そして、この場合は、周辺諸国のムスリムや国際社会がそれにどう対応するかがポイントになるだろう。
まさか、バグダッド国民を餓死同然に追い込む事態を周辺諸国ムスリムや国際社会が放置するとは考えられない。

バグダッドの基礎的生存維持条件が補充され続ける限り、米英軍は、「イラク侵略戦争」の戦闘にも勝てない可能性が高いと見ている。

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