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戦争の裏に石油の影色濃く 復興・経済で主導権争い[asahi.com] (「利権説は見当はずれ」=ウールジー元CIA長官)
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投稿者 ひろ 日時 2003 年 3 月 30 日 00:21:02:YfXbGWRKtGRPI

戦争の裏に石油の影色濃く 復興・経済で主導権争い

 油田の制圧――それは、ラムズフェルド米国防長官が掲げるイラク戦争の「主な8目標」の一つだ。ブレア英首相も27日の米英首脳会談後の記者会見で、戦果として「南部油田の確保」を最初に挙げた。

 開戦翌日、戦闘による初めての米兵死者が出たのも、南部のルメイラ油田だった。「イラク軍が油井に火を放った」との情報に、米海兵隊が急行。炎を上げる油井のポンプ施設に駆け寄った中隊長(30)が、腹部を撃たれて死亡した。

 米英は「油田はイラクの人々に属する」と強調する。それでも制圧を急ぐのは、湾岸戦争での苦い記憶があるからだ。クウェートから敗走するイラク軍は「焦土化作戦」で油井に次々と火をかけた。700カ所以上が炎上し、復旧に8カ月、200億ドルを要した。

 開戦から10日、ニューヨークの原油先物市場は1バレル当たり30ドル前後の比較的落ち着いた値動きを続けている。イラクに1680ある油井のうち、28日までに火災が確認されたのは9カ所だ。しかし、イラク軍による油田破壊が広がれば、「原油は50ドル超にも跳ね上がりかねない」(ヤマニ元サウジアラビア石油相)。

 米英軍の進路は、南部のルメイラ、北部のキルクークという2大油田の確保に目配りしたものとなっている。それは、戦争による世界景気の後退はなんとしても避けたいという米当局の経済政策も反映している。一方で、「イラク復興の原資となる」(米国務省幹部)石油を押さえることで、戦後の主導権を握る狙いも透けて見える。

 ■戦後復興は巨大ビジネス

 「重要な責務を担っている米英などが、中心的役割を果たすと考えている」

 イラクの戦後復興について問われたパウエル米国務長官は26日、下院の公聴会で言い切った。

 この日、米国際開発局はイラクの初期復興事業として、今年度中に総額24億ドルを投じる方針を発表。うち、人道支援を除いた道路、港湾などの基盤(インフラ)整備事業19億ドル分については、主契約先を米企業に限定する意向を示した。入札業者にはチェイニー副大統領が経営者だったハリバートン社が含まれる。

 ドビルパン仏外相は翌27日、「イラク復興は国連がかじ取りをしないといけない」と米の動きを強く牽制(けんせい)した。「戦争へのかかわりがどうであれ、戦後の事業参入は平等に扱われるべきだ」(仏石油大手トタルフィナエルフのデマレ会長)との産業界の声も背にしている。

 戦後復興の事業費は、1000億ドルに達するとの試算もある。巨額のビジネスだが、その財源は「関係国の拠出、フセイン政権の資産、そして石油収入」(ラムズフェルド米国防長官)。戦後の復興と石油開発は1枚のコインの裏表だ。戦争長期化の見方が広がる一方で、主要国の間では早くも、復興の主導権をめぐる綱引きが始まっている。

 砂嵐が吹き荒れる戦場の地下には、1125億バレルと見積もられる石油が横たわる。確認埋蔵量はサウジアラビアに次ぐ世界第2の規模で、世界全体の1割を超す。

 度重なる戦争と国際的な経済制裁で、実際の生産量は日量約250万バレルとサウジの3分の1以下だ。だが、復興で増産が進めば、サウジ主導のOPEC(石油輸出国機構)体制さえ揺らぎかねない実力を持つ。

 フセイン政権下で油田開発の権利を得ていた外資は、フランスのトタルフィナエルフ、ロシアのルクオイル、中国のCNPCなどの国策企業だ。武力行使に賛成しなかった仏ロ中にとって、戦後復興の枠組み次第で既得権にも影響が出る。

 シラク仏大統領は29日、ブレア英首相との電話会談で、復興での共同歩調を確認した。

 ■戦線で乱高下する株・原油市場

「戦況を知りたいなら砂漠ではなく、ニューヨーク市場を見よ」――米政府関係者が軽口を言うほど、株式と原油市場は刻々と戦場を映し出す。戦争長期化の見方から神経質な取引が続く中、28日の米国産WTI原油価格は一時1バレル当たり31ドル台に上昇。一方で、ダウ工業株平均は終値としては開戦以来初めて8200ドルを割り込み、今週の取引を終えた。

 米国でいま、最も注目されている企業の株価は、乱高下した後、83セントで引けた。「ブーツ・アンド・クーツ国際油田管理」。ヒューストンに本社を置き、油田の危機管理を得意とする。

 昨年には倒産の可能性すらささやかれ、株価は一時6セントまで落ちたが、開戦の直前には40倍超の2ドル55セントまで上昇した。戦争と戦後復興の行方を占う注目株として、投機筋が動く。

 イラク南部のルメイラ油田で油井に火の手が上がると、すぐに国防総省から消火活動を受注、11人の作業員が現地に入った。「消火そのものは簡単なんだ。難しいのは、油井を修復し原油を生産できるようにすることだよ」と油井管理部門トップのダニー・クレイトン氏は言う。

 油田の周辺では、イラク兵が投降すると見せかけ、奇襲する戦法が相次いでいる。消火活動は、米英軍とブーツ社の軍産一体でしか進まない。

 炎上した9油井のうち、28日までに6カ所はほぼ鎮火したという。それでも、カタール駐留英軍のバリッジ司令官は「復旧には10億ドルかかり、輸出再開には3カ月が必要」と明かした。

 油田の制圧は、直接には戦費と復興費の負担を軽くすることにもなる。さらに、「この油田を血を流して守った、との事実は戦後に残る」(米国務省幹部)。

 石油利権欲しさのために米国がイラク戦争を起こした、という説については「戦争の大きな経済・政治的コストに見合わず、せいぜい副次的な利益をもたらすだけ」(歴史学者のウォーラーステイン氏)と否定する見方も強い。政権に近い保守派、米中央情報局(CIA)のウールジー元長官も「利権説は見当はずれ」と強調するが、こうも言う。

 「新しいイラク政府を動かす人たちが、仏ロの政府・企業に好感情を抱かなかったとしても、それは自然なことだ」。戦争にくみしなかった国々が商機を逃しても自業自得、との思いをにじませた。

(03/29 23:23)

http://www.asahi.com/business/update/0329/005.html

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