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戦場記者ピーターアーネットの転落 「アーネット記者は謝罪などするべきではなかった」 [JANJAN小池正春氏]
http://www.asyura.com/0304/war30/msg/322.html
投稿者 ファントムランチ 日時 2003 年 4 月 03 日 16:59:22:oswAM6lqBSCW6

2003/04/03
 3月31日、戦場記者として世界に名を知られるピーターアーネット記者がイラク国営テレビインタビューに出演し、「米国の戦争計画は失敗」と述べたことが原因で、雇い主の4大ネットワークの1つNBCとナショナル・ジオグラフィックテレビから契約を打ち切られた。

 アーネット記者はAP通信記者時代の1966年、ベトナム戦争報道でピューリッツア賞を受賞。その後、24時間ニュースケーブルテレビ「CNN」に移籍し、1991年の湾岸戦争では全世界のメディアの中で唯一バグダッドに残り、フセイン・イラク大統領との単独インタビューをはじめとして「戦争の実況生中継」で活躍し、看板記者となった。

 しかし、その後、1998年CNNとタイム誌のスクープとしてアーネット記者の名前で「米軍はベトナム戦争で脱走兵の掃討でサリンを使用した」と報道。後にこれが誤報と判明し、プロデューサーが解雇され、アーネット記者も戒告処分となった。波紋は大きく、結果としてアーネット記者は1999年CNN を辞職した。

 今回、アーネット記者は「米国の戦争計画の第1段階は失敗した」「米国の作戦立案者たちは明らかにイラク軍の決意のほどを甘く見ていた」「戦争の遂行状況について米国内の反対勢力がブッシュ大統領にとって大きな問題となりつつある」「イラク国民が大量に死に続けるようでは、米国のイラク政策は重大な局面にさらされることになる」などと発言した。さらに「イラク軍や政府の決意の強さ、国のために戦う決意の強さを米国人に伝えることを目的にする」と述べたことから米国内で批判が噴出した。

 NBCは放送が行われた30日、「イラク国営テレビの取材に応じたのは、アーネット記者の職業上の礼儀によるものであり、あくまで解説としての性格のものだ」とアーネット記者を擁護する声明を発表した。一方、アーネット記者も「当惑している」とNBCと米国民に謝罪。「わたしは反戦・反軍の立場ではない」釈明した。

 ところが翌31日になって、NBCは「アーネット記者がイラク政府の管理する国営テレビに出たことは誤りで、個人的意見を述べたことも間違いだった」として解雇に踏み切った。以上が事の顛末である。

 ジャーナリストは真実の僕であることを旨としている。だから敵地にも条件付きだが潜入が許される。しかし、戦争当事者の国籍を有する場合、その報道のスタンスは微妙だ。果たしてどこまで客観報道が可能だろうか。前述のアーネット記者の発言は、日本人の立場からすれば、それほど荒唐無稽な見方とは思えず、米国内においてもおそらく少なくない支持者がいるだろう。だが、多くの戦争支持者(当事者)からすれば利敵行為と映る。アメリカの若者が毎日、犠牲になっているからだ。批判は許されない。

 そうなると、第2次世界大戦時の日本の報道を思い出さざるを得ない。嘘八百のニュースを垂れ流し続けた結果、国民は真実を知らされず、無駄な血を多く流した。報道もまた“戦争責任”の一端を担うほかなかったし、戦後、多くの自己批判が行われたのだった。

 アーネット記者は謝罪などするべきではなかった。クビは勲章だったのではないか。

 翻って日本のマスコミも多くの記者をイラク周辺に派遣している。例えば、フジテレビは39人。女性記者もいる。このうち、米軍の精鋭部隊101空挺師団には記者を1名従軍させている。日本テレビは、クゥエートからイラク国内に地上軍を投入する際、女性記者にリポートさせた。首をかしげたくなるようなシーンで業界内で話題になっている。また、TBSだけは唯一従軍させていない。「TBSの報道局内で問題になっている。なぜ、うちだけ行けないのかと。そのくせ、視聴率はいいんだから」(事情通)

 「なんだよ。自分たちは周辺国の安全地帯にいて、命がけのバグダッド取材はフリー任せかよ」とはよく言われるがまさにその通りのようだ。従軍記者にしても米軍に守られ、規制されながらの取材であってそうした状況で米軍の批判記事や敗戦記事を書けるのだろうか。

 日本の報道記者もまたアーネット記者の抱え込んだ問題とは無縁ではない。ただ、どうも見ていると第三者的なポジションだ。悪く言えばヤジウマ。小泉政権は米国の方針にいち早く賛意を表明していて当事者そのものだ。日本のアーネットにならないことを望む。

(小池正春)

転載元
http://www.janjan.jp/media/0304022629/1.php


★アーネット記者は契約を解除されたが、その数時間後に英デイリー・ミラー紙と専属契約を結んだ。
  英デイリー・ミラー紙は、1日付紙面の1面見出しに、「真実を語り米国に解雇され、真実を語り続けるためデイリー・ミラーに雇われた」と掲げた。同紙の記事中でアーネット記者は、「私はここバグダッドで起きている真実を伝える。そのことで謝罪はしない。(ミラー紙)には常に敬意を抱いており、記者として参加できるのを誇りに思う」とコメントした。
  アーネット記者がNBCのインタビューに対し、自らの報道姿勢や報道内容の誤りを認め謝罪したのは、批判の動揺から生じた先走った発言だったのだろう。これについては世界中の多くの人が、一人のジャーナリストの信念が揺らぐ瞬間を見た思いだった。米国民の中でさえ失望した人も多いと思われる。
 今、意図的に虚偽の情報が流されている中で、米国民にとっても最も渇望されているのは真実の報道ではないか?戦場で多くの記者が犠牲になっている中、今後ミラー紙でのアーネット記者の活躍を期待したいが、まず彼自身がすぐに立ち直れるかが心配である。

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アーネット記者を解雇 国営テレビ出演で米NBC (mainichi)
投稿者 ああ、やっぱり 日時 2003 年 4 月 01 日 00:41:52
http://www.asyura.com/0304/war29/msg/816.html

THIS WAR IS NOT WORKING(mirror)
投稿者 えっくす 日時 2003 年 4 月 02 日 11:11:07:
http://asyura.com/0304/war30/msg/141.html
(↑ピーター・アーネット氏の新たな決意でしょうか)

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