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【哲学クロニクル】第1次世界「内戦」のはじまり(1)
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投稿者 愚民党 日時 2003 年 4 月 07 日 02:00:03:

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哲学クロニクル 第366号
(2003年4月4日)
第一次世界内戦の始まり(1)
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米英軍はバクダッドに迫り、インフラを破壊しているようです。
市民の生活が長期的に脅かされることになり、心配です。
今回は、911テロの際にも洞察力にあふれた見解を表明してくれたヴィリリオの
インタビューです。数回に分けて連載します。

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第一次世界内戦の始まり(1)
(ポール・ヴィリリオ、フランクフルター・ルントシャオ、2003年2月1日)

【問】ブッシュ大統領は、戦争とは別の手段による政治の継続だと言ったクラウ
ゼヴィッツは正しかったと認めるでしょう。ところであなたは、この定義はもう
時代遅れだと主張しておられますね。では戦争とは何でしょうか。
【答】911テロは、広島の原爆と同じように、軍事秩序における大きな歴史的な
エポックとなるものでした。この大規模攻撃は、飛行機事故を利用したものであ
り、広島の場合と同じように、戦略的な秩序の転換をもたらしました。わたした
ちはポスト・クラウゼヴィッツ的な戦争の時代に、足を踏みいれているのです。

クラウゼヴィッツの戦争は、政治的な戦争で、国家、軍旗、宣戦布告を伴う政治
的な構造をそなえていました。ところが大規模テロでこれらは姿を消してしまう
のです。これからは世界の対立は、できるかぎり大規模な事故という形をとるよ
うになったのです。

【問】どういう意味でですか。
【答】これからはわたしたちの社会の壊れやすさが巨大になり、事故そのものが、
さまざまな集団が利用したがるパワーをもつようになったという意味です。とこ
ろがブッシュ大統領の遂行しているイラク戦争は、この戦略的な転換にはまった
くふさわしくないものです。いわばアメリカ合衆国は、一つ分だけ、昔の戦争を
戦っているのです。それもアメリカ合衆国の伝統的な意味での軍事的な強さのた
めなのです。

こう言い換えてみましょう。アメリカ合衆国はたしかに超大国ですが、この新し
い戦争においては、超大国としての極度の強みが、反対に極度の弱みになるとい
うことです。もはや敵をみいだすことのできない戦争を戦うことはできません。
これは根本的に新しい事態です。アメリカの政治的な弱点は、その軍事的な極度
の強さにあります。

【問】ということは、アメリカはすでにこの戦争に敗れているということですか。
【答】そのとおりです。この戦争がいかなる脅威にも対応していないからです。
ブッシュは、出された問いに、すでに答えを出している人物のようにふるまって
います。アフガニスタンでも同じような状況がありました。でもイラクとは違っ
て、うまい理由がありました。ところがイラク戦争は、脅威に対処するものでは
ないのです。

【問】正しい答えはどんなものですか。
【答】いまの21世紀の脅威を、20世紀の脅威と比較してみましょう。20世紀の脅
威は、1914年のサラエボ、第一次大戦でした。ヨーロッパは戦争に突入すること
を望んでいなかったのですが、サラエボの襲撃があり、ヨーロッパのすべての国
が戦争に突入してしまったのです。これがヨーロッパの没落の始まりでした。第
二次大戦の勃発の理由は、周知のことですね。

ところがニューヨークのテロ攻撃は、第三次大戦を勃発させることはなく、〈第
一次世界内戦〉を引き起こしたのです。これはグローバリゼーションの時代の世
界内戦です。伝統的な戦争とは違い、構造がなく、封じ込めることのできない戦
争です。わたしたちがいま直面しているのは、1930年代のスペイン内戦や、最近
のユーゴスラビア内戦のような局地的な内戦ではないことを強調したいと思いま
す。世界で初めての地球規模の内戦であり、グローバリゼーションが引き起こし
た最初の世界的な内戦です。

この内戦を戦うのは、イスラーム原理主義グループであり、その他の圧力団体や
テロリストたちです。彼らは、国家の弱点を利用しながら戦っているのです。現
在では国家はどれも、あまりに弱体化しています。グローバリゼーションが国家
の力を強めなかったからです。ブッシュが〈ならずもの国家〉と呼んでいる諸国
だけではなく、アメリカそのものも弱くなっているのです。プーチンをごらんな
さい。チェチェンの脅威を一度も制御できなかったではありませんか。

【問】もう一度お尋ねしたいのですが、わたしたちはこの新しい脅威からどうや
って身を守ればよいのでしょうか。
【答】なによりもわたしたちは、「災厄の科学」についての新しい理解を構築す
る必要があります。ハンナ・アレントはかつて、進歩と災厄は、同じコインの裏
表だと語ったことがあります。もはや物質的な内容を、災厄と切り離すことはで
きません。技術的な事物やエネルギーなど、物質的な内容が強力にればなるほど、
災厄もますます激しくなるのです。

進歩のもたらす恩恵と、事故の致命的な破壊力は密接に関連していて、たがいに
その成立の条件を作り出しているのです。ですから考えられるかぎりの最大の災
厄について、政治的に理解する必要があります。進歩とともに、わたしたちの社
会は脆弱なものとなりました。そして、「巨大な災厄」は、戦争と同じように破
壊的な力を発揮するのです。

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ポリロゴス事務局
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(c)中山 元
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