★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 戦争33 > 900.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
風化される『イラク戦の大義』 根拠なかった?脅威論
http://www.asyura.com/0304/war33/msg/900.html
投稿者 小耳 日時 2003 年 5 月 09 日 19:07:54:

風化される『イラク戦の大義』 根拠なかった?脅威論

 バグダッド陥落から1カ月−。大量破壊兵器による数百万人の命を守るために数千人の犠牲はやむなし、と突き進んだイラク戦争だが、肝心の兵器は見つからない。戦争の「大義」への問いは時の流れに消されつつある。しかし、「こちら特報部」の使命は「ニュースの追跡」だ。大義は本物だったのか、再び検証する。

 「わが国や他国政府による情報収集の結果、イラク政権が引き続き、これまで発明された最も殺人的な兵器のいくつかを保有、隠匿していることは疑いない」

 開戦三日前の三月十七日、ブッシュ米大統領は国民に向けイラク戦争の開戦理由をこう演説した。大統領は、大量破壊兵器がテロリストの手に渡りかけており、もはや一刻の猶予もないと強調した。

 だが、バグダッド陥落後の米軍の動きはこうした緊張とは程遠かった。米ワシントン・ポスト紙によると、バグダッド南郊のトゥワイサ核研究センターには千八百キロの半濃縮ウランが隠されているとみられた。しかし、米軍は占領後も施設を数日間放置し、調べた時点ではウランは見つからなかった。国防総省の担当者は「略奪されたか、なかったかは不明」と話した。

 米ニューヨーク・タイムズ紙は先月下旬、国防総省が大量破壊兵器発見のため派遣した四チームのうち、二チームが兵器とは無関係の戦争犯罪を証明する班に再編された、と伝えた。

■英首相も「時間かけて探す…」

 連合軍の一翼である英国のブレア首相は先月二十八日の記者会見で、今後のイラクでの展開を問われ(1)イラクの 政治的安定化(2)人道的な措置、を挙げたが、大量破壊兵器については「時間をかけて探す」とのみ答えた。緊急ゆえ戦争以外に手はない、という戦前の主張とはかけ離れた姿勢だ。

 では、だれが脅威論をブッシュ大統領に具申したのか。戦争を牽引(けんいん)したブッシュ政権の新保守主義派(ネオコン)の頭目、国防政策委員会リチャード・パール氏を委員長辞任に追い込んだ「ニューヨーカー」誌のセイモア・ハーシュ記者は国防省内「特殊計画局(OSP)」を名指しする。

 OSPはイラクの大量破壊兵器保有やアルカイダとの連携を証明するため、創設された。米国にはかねてから中央情報局(CIA)や国防総省の国防情報局(DIA)という二大対外情報機関があるが、OSPの影響力は二大機関を圧倒しているという。人員は十人程度で局長のアブラム・シュルキー氏は、パール氏がレーガン政権下で国防次官補だった当時、同氏の「子飼い」として上院情報委員会のスタッフを務めた。

 OSPの情報源はネオコン寄りの反体制組織「イラク国民会議(INC)」だが、情報には偏りが著しいという。ハーシュ記者はINCがイラク人亡命者と接触し入手した「一九九〇年代にイラク国内の秘密基地でアルカイダを育成した」という証言を例にする。

 この証言から一カ月後、CIAがあらためて同一人物と接触したが、亡命者は「アルカイダなんて言っていない」と否定。だが、この否定情報は政権内で極秘扱いにされ、INCの情報のみがリークされた。

 このほか、二〇〇一年にINCの工作で亡命したイラク人技術者アドナン・ハイデリ氏の証言がある。ハイデリ氏情報はOSP経由で政権中枢に流された。

 ハイデリ氏は「イラクには二十以上の生物化学兵器工場があり、バグダッド市内の病院もその一つ」と語り、これはパウエル国務長官が二月五日に国連安保理で演説した際も使われた。

 だが、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)もこの病院を地下探査レーダーまで駆使して調べたが何の痕跡もなかった。しかし、こうしたOSP経由の情報がイラク戦争を正当化する米国の「大義」と世論づくりを支えてきた。

 OSPを重用しているラムズフェルド国防長官は先月十七日の記者会見で「個人的には(米国調査団が)イラクで大量破壊兵器を発見できるとは思えない。われわれにできるとすれば、その在りかを知る人々を見つけることだ。(中略)国連査察官が見つけられないのにわれわれが見つけるのは疑わしい」と述べた。

 日大国際関係学部の宇佐美滋講師は、大量破壊兵器について「これだけ探してもないのだからもう見つからないだろう」と話す。

 一方、名古屋学院大大学院の梅津和郎講師(国際関係論)は「製造場所は見つかっているので、見つかるだろう。フセイン政権のバース党は隣国のイランとシリアと密接な関係を持っているので、そちらへ運んでいった可能性も否定できない」と分析する。

 「投降したイラク幹部らも大量破壊兵器はもともとなかったと言っているし、実際に見つかっていないとなると、戦争の目的はフセイン政権を打倒しイラクを自由化することだったことになる」と話すのは、静岡産業大経営学部の森戸幸次教授(現代中東論)。

 イラク戦争への関心が薄れつつある風潮に対して、梅津講師は戦争は忘れることはできないと断言する。

■総裁選再選が首相の関心事

「日本政府は非常に冷淡だし、ぽかんと見ているだけだ。小泉さんは自民党総裁選で再選することが一番の関心事だから今は混乱を起こしたくないようだが自衛隊を派遣するためにイラク新法を作るまでもなく、医療援助はすぐにできる。イラクの病院では医薬品が足りず手当てができないのだから。それに今積極的にかかわらないと北朝鮮の脅威が現実になったときに米国が十分な手を差し伸べてくれないかもしれない」

 評論家の西部邁さんも「北朝鮮の脅威から守ってくれるのは米国だからという論理で多くの国民がイラク戦争を支持したが、米国に依存し切っているから気力も準備も能力もなくなったと感じるんだ。北朝鮮の次は中国が脅威になる。
今こそ対米依存を延長して良いのかどうか問題にしなくてはいけない」と警告する。

 「イラク人の生命の危機が去ってしまったこともあり仕方ないが、米政府の思惑通りになってしまった。きちんとした報告書が必要だ」と危機感を持つのは宇佐美講師。

 森戸教授は「ブッシュ対フセインの武力闘争の第一幕は終わったが、これから第二幕が始まる。米国が解放軍として歓迎されるのか占領軍となってしまうのか監視しなければいけない。このほかにもろ手を挙げて喜べない事情もある。パレスチナ問題が解決しなければ中東の危機は終わらない」と、戦争の余波はまだ続くと強調する。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20030509/mng_____tokuho__000.shtml

」大量破壊兵器はでてきません。なぜかというと、フセインが、キッシンジャーが苦労して築き上げた「石油の決済はUSドル」の暗黙のルールを破り、ユーロ決済に切り替えたことがトラの尾を踏むことになったのです。
当然、いまにも崩壊しそうな米国経済のドル安とユーロ高を比較して、アメリカ憎しでかたまったフセインはユーロ決済を選択したわけですが、これがイラク戦争前に非常に有利に働いたわけです。それを見てOPEC各国が追随する動きをみせたものですから、アメリカはあわてました。アメリカの全ての産業そのものが石油 帝国なのですから、世界経済の崩壊の先陣を切らされることになるわけです。
 マスコミに出ている「ネオコンの石油利権」や「大量破壊兵器の廃棄問題」は本質をついていません。

 次へ  前へ

戦争33掲示板へ

フォローアップ:
  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。