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テレビ映像の影響 ビル・トッテン
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投稿者 力なき市民 日時 2003 年 7 月 11 日 13:30:42:

テレビ映像の影響

From : ビル・トッテン
Subject : テレビ映像の影響
Number : OW582
Date : 2003年7月11日
 
日本でテレビ放送が始まって今年で50年になる。全国に数千台しかなかったテレビは、もはや一家に複数台あることも少なくない。テレビが人々の心にどのような影響をもたらすのか、真剣に考えてみる時代にきていると思う。

(ビル・トッテン)

テレビ映像の影響

 私自身を振り返ると、高校時代は母親がよくテレビを見ていたのを記憶しているが、大学時代はアルバイトと勉強に追われてほとんどみることはなく、それ以降もまったくテレビとは縁のない生活を送ってきた。でなければ大学時代にオールAの成績をとることはできなかったにちがいない。

 テレビが生活に浸透しているアメリカ社会で、その問題を文明史上に位置づけて考察し警告を発しているのがニューヨーク大学のニール・ポストマン教授である。「20世紀に入り映像メディアが登場することにより、幼児でもテレビのメッセージを受けとることができる。8歳になればほとんど大人と同じように受けとめ、こうしてテレビは大人と子どもの境界を侵食し、その過程で大人になることへのあこがれや、我慢して鍛錬して学んでいくことの喜びなどが子どもから奪われていった」とポストマン教授は指摘している。

 先のイラク戦争では、アメリカのニュース番組で報じられる内容はほとんどが米国防総省の発表のまま、つまり政府が国民に信じ込ませたいものだけを流していた。加えて、コマーシャル収入で成り立っているテレビから流される情報のほとんどは、国民を単なる消費者とみなして物質主義をあおるもので、その結果、富や物の獲得だけが生きがいとなり、物的資源をどれだけ所有しているかで社会的な地位や個人的な評価が与えられ、ますます人々はそれに執着するようになっていく。

 日本ではNHKと民放連盟による「放送番組向上協議会」が、青少年へのテレビを中心としたメディアの影響調査を行い小学五年生について調査したところ、テレビの視聴時間は平日一日あたり約二時間が28%、三時間が27%であり、五時間以上も10%以上いたという。
 また「コマーシャルでみたものを思わず買ってしまったこと」が44%の小学五年生が「ある」と答え、テレビの暴力シーンに対して「嫌な気分になる」(49%)、「怖くて目をつぶる」(26%)という一方で、「ハラハラドキドキして夢中になる」(22%)、「特に何も感じない」(19%)という小学五年生もいたという。協議会はテレビだけの影響を測ることは難しいが今後も継続的にテレビが及ぼす影響を追跡調査していくという。

 日本のように長い時間をかけてテレビが普及した国とは反対に、急速にテレビ文化に国民を開放した国がある。チベットの南にあるブータン王国である。ブータンが世界でもっとも遅れてテレビ放送を開始したのは1999年6月で、それまではテレビ放送を見ることは禁止されていた。
 1971年まで鎖国状態にあったブータンは人口約60万人、主要産業は農業と牧畜業で人々は仏教徒で民族衣装を身にまとい、雑踏や交通渋滞からはほど遠い暮らしをしてきた。鎖国政策をやめても訪問者数を制限するなど、国民が純粋な精神を維持することを優先した。

 ブータン国王は国民総生産(GNP)ではなく国民総幸福(グロス・ナショナル・ハピネス=GNH)、すなわち物質的な富や物やサービスだけを増やすのではなく、国民の幸福を最大限に導くことを国家の目標に掲げた。私はこの指標に非常に共感をおぼえるが、おそらくエコノミストたちは「幸福の定義は何なのか」と疑問を投げ掛けるだろう。同じことが、ブータンでも起きた。

 英ガーディアン紙によれば、それは1998年のフランスワールドサッカーに始まったという。「国民は禁じられていたテレビのサッカーの試合を見ることを強く望み、国王は衛星テレビを持っているといううわさも広まったため、政府は競技場に観戦用に巨大画面を設置した。その年、国王は国民議会へ権限を委譲し、独裁的な桃源郷は近代的な民主主義国家へと変身し、テレビが解禁になった」のである。

 ブータン政府はまず国営放送であるBBSの放映を開始し、その3カ月後にはケーブルテレビも許可された。現在30ものケーブルテレビ会社が運営されている。

 そのブータンに今、犯罪の波が押し寄せている。「家庭崩壊、青少年の犯罪、万引、強盗、暴力事件など、テレビがブータンに悪影響を及ぼした。テレビは私たちの心をコントロールし、狂わせる。人々は俳優のようにふるまい、不安をかかえ、どん欲になり、不服をいうようになった」という投書が、ブータンの国営新聞に寄せられたという。

 産業革命や世界大戦、冷戦やITの波にもかかわらなかったブータンに、テレビ解禁からわずか4年で、麻薬や売春事件が起き、家族を最も大切にしていた国民が妻や両親を殺し、農家が年収の何倍もする外国車のコマーシャルに魅入っている。

 犯罪増加、工業製品に対する欲望、愛や人間関係を変えたのは、テレビ以外のなにものでもない。GNHの概念がゆがめられ、人々は内的な追求より物質を求め始めた。日本がそうであったように、ブータンの国王はテレビの持つ力を過小評価したのである。

http://www.ashisuto.co.jp/corporate/rinen/totten/ow_text.php?A=1&B=591


テレビの持つ力は恐ろしい。

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