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あの政府や通貨システムでも日本はデフレ・スパイラル/信頼できなくても「無い袖は振れない」 [花子さんへ]
http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/330.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 17 日 17:09:57:


花子さんの『すみさんへ』( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/300.html )へのレスです。
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花子さん、こんにちわ。
口火を切ったのが私なのでレスさせていただきます。


>政府そのもの、国の通貨システム、通貨価値の安定性などに対する国民の信頼が
>なくなれば、やはり貨幣の価値(商品との交換力)は落ちてインフレになるのでは
>ないかしら。
>理論的にも当然ですし、実際にロシアや後進諸国で何度も起きたことでしょう。
>奥野教授が指摘しているのはそのことなのですわよ。


ここ十数年の日本は、従来の経済学的世界観に変更を迫っています。

「政府そのもの、国の通貨システム、通貨価値の安定性」に対する信頼性は、80年代までと比較すれば大きく失われています。
十年以上にわたって経済回復をテーマにしながら実現できずに公的部門の債務がGDPの2倍まで膨れあがり、通貨システムの基幹に位置する日銀は当座預金残高が30兆円近くになるまで日銀券をじゃぶじゃぶ供給し、銀行は機能不全に陥っているだけではなく相当数の銀行は実質債務超過になっているとささやかれている状況です。

「国民の信頼がなくなれば、やはり貨幣の価値(商品との交換力)は落ちてインフレになる」というのが現実であれば、日本は、不幸中の幸いで、デフレから脱却しているか脱却しようとしているはずです。

しかし、日本ではデフレ・スパイラルが続き、長期金利が0.3%まで低落していることで窺い知れるように、今後もデフレが継続すると考えられているようです。

「政府そのもの、国の通貨システム、通貨価値の安定性」に対する信頼性が、知らないことや錯誤により実態ほどは低下していないとしても、インフレ時代よりも間違いなく低下しているにも関わらずデフレが継続しています。
だとしたら、物価変動は「政府そのもの、国の通貨システム、通貨価値の安定性」に対する信頼性に規定されているのではく、他の要因で規定されていると考えるのが妥当です。

日本は貿易収支の黒字を維持しているので、国内需要以上に財の供給活動が行なわれていることになります。
(国内供給量の増加はデフレ要因ですが、貿易収支の黒字増加は国内のインフレ要因です)

政府などへの信頼ではなく、この絶対的な国内供給力が通貨システムが揺らいでいてもインフレにならない理由です。

逆に、インフレ要因である貿易収支黒字でありながらデフレだというのは、供給活動に投じられた通貨が国内需要として使われていないということを意味します。
国内需要として使われないということは、国外投資などに使われているか、金融資産として眠ってしまっていることを示唆します。
金融資産として眠ってしまっている要因は、銀行の財務状況が悪化し「信用創造」ができないこと、そのような事態がデフレ・スパイラルを招き「信用創造」が損失につながると銀行が判断する実体経済状況をつくりだしたことにあります。
(「信用創造」は1兆円を3兆円や9兆円として流通させる魔法ですから、それが機能不全に陥ると、“正味”である財政支出で穴埋めしようとする大幅な赤字増加が必要になります)

デフレやインフレという物価(通貨価値)変動は、供給物理量と需要貨幣量の増加率の関係で規定されるもので、それは、政府などへの信頼性を超越したものです。

政府への信頼性が減少すれば、将来に備えるという意識が働き、需要(消費)に回す貨幣量は減少します。(これはデフレ要因)
企業は銀行や超大企業でない限り政府が直接支援してくれるわけではないと考えているので、減らしやすい経費(人件費や販売管理費)を減らして存続をはかります。(これもデフレ要因)


「理論的にも当然ですし、実際にロシアや後進諸国で何度も起きたことでしょう」と指摘されていますが、逆説的に言えば、ロシアや後進諸国でハイパー・インフレが起きたのは“政府への信頼”が要因です。
もっときちんと説明すれば、国内供給力の低さを基礎としての“政府への信頼”が要因です。
“政府への信頼”は、「政府も最後の最後は国民を見捨てることはしない」もしくは「政府も自分たちが倒されるような選択はしない」というものでしょう。

ロシアや後進諸国のハイパー・インフレも、政府が赤字財政支出を拡大しなければ起きなかったのです。
そして、インフレが高まれば買占めを含め財への選択が強まるので、インフレに拍車がかかり、“信頼される政府”は、さらなる赤字財政支出の拡大に走るという悪循環に陥ります。(政府は信頼できなくて、お金が手に入らない人がいても赤字財政支出を抑え込むと考えると、インフレが高率で続くという判断はできなくなります)
しかし、インフレは財の供給活動を高めるインセンティブにもなるので、国内に供給活動基盤がある国家は、ハイパー・インフレを抑制できます。


いくら政府や通貨システムを信頼していなくとも、持っていない(稼げない)お金を使うことはできません。無い袖は振れないので、インフレの芽も育ちません。
供給力が貿易収支黒字になるほど維持され、使えるお金も少なければ、政府や通貨システムを信頼していなくとも、デフレが続き、インフレやハイパーなインフレになることはありません。


国民に自助努力を押し付ける“信頼できない政府”は、デフレ・スパイラルを克服することができず、自助努力できる国民の数を減らし、さらなるデフレの深化をもたらし国民経済を破壊していくことになります。

最後に、現在の日本経済はデフレ・スパイラルを通じて供給力を徐々に減らしているので、ある時点を迎えたら(貿易収支の赤字化など)、ロシアや後進諸国のようなかたちでハイパー・インフレに進む可能性が大きいと考えています。


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