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「「詐欺罪にあたらない」…逮捕招いた?“辻元論法”」と称する読売新聞記事
http://www.asyura.com/0306/dispute12/msg/250.html
投稿者 たこ 日時 2003 年 7 月 24 日 13:57:41:KZLCEeqX13raw

事件報道のあり方についても、いろいろな意見があるようなので、表題の記事を法律の観点から検証したい。当該記事は、シジミ氏が日本の事件板に転載されたものである(http://www.asyura.com/0306/nihon6/msg/205.html)。


> 「秘書給与を、政策スタッフの給与に充てていた」。昨年4月、
>辻元容疑者は、国会の参考人質疑で涙を流し、流用を認めた。その
>模様をテレビで見た警視庁幹部は「自白も同然」と語り、詐欺容疑
>での立件に自信を見せた。

「立件」とは、事件として扱うことである。実際には、事件番号を付して、捜査記録を綴るべきファイルを作ることをこのように言う。「立件に自信」は意味不明だが(まさか、警視庁に捜査記録簿用のファイルが欠乏しているわけでもなかろう)、有罪獲得の自信があるなら、ただちに立件して捜査するのが捜査機関の仕事である。仮に、参考人質疑での応答が「自白も同然」なら、そのビデオは、逮捕・勾留中の密室で録取した調書などよりずっと高い証拠価値があるので、これは逮捕・勾留の不要性を説明するものでしかない。


> 辻元容疑者に名義を貸した1人で、今回逮捕を免れた辺見真佐子・
>元秘書(49)だけは全面的に容疑を認めたが、中には声高に捜査を
>批判し、任意の聴取を事実上拒否する者もいたという。それでも、
>「辻元容疑者が認めれば、書類送検にとどめる」という捜査方針だっ
>た。

スリカエである。取調べを目的とする逮捕が許されるとしても、「声高に捜査を批判し、任意の聴取を事実上拒否する者」を逮捕すべきである。「今回逮捕を免れた」と「認めれば、書類送検にとどめる」は、被疑事実を争えば不利益を受けるとする脅しなのか。


> 辻元容疑者の事情聴取は先月下旬、都内の警察施設で行われた。
>聴取の求めに、辻元容疑者は「私は普通の人たちとは違う。短時間で
>済ませてほしい」と話したという。

辻元発言のどこが問題なのかわからない。被疑者には取調べを受忍する義務はなく、また逮捕・勾留されていない被疑者は自由に退出できる。このような発言をリークする方が問題である。


> 辻元容疑者は逮捕後、「政策秘書という制度の本来の趣旨とは違い、
>認められないお金の使い方であるとは認識していた」と言う一方で、
>詐欺罪に該当するとの認識はなかったと依然、主張している。これを
>警視庁は「否認」と受け止めるが、弁護人は「容疑事実を認めている」
>と説明する。

認否は、被疑事実の存否に関する陳述である。「詐欺罪に該当するとの認識はなかった」は、被疑事実の法的評価の問題なので、これにあたらない。「事実は認めるが犯罪でない」とするのは「否認」ではない。ある事実が犯罪か否か、あるいは、何罪にあたるかは、被疑者に陳述を求めるのではなく、裁判所の判断を求めるべきである。いずれにしても、捜査の必要性の説明にならない。なお、引用された辻元の発言だけでは、詐欺の構成要件に言及していないので、「容疑事実を認めている」とも言えない。


> 「任意段階から捜査には全面協力してきた。事実関係はすべて分かっ
>ており、逮捕の必要性はなかった」。辻元容疑者ら4容疑者の弁護人、
>社民党関係者らは、そう批判する。だが、警視庁幹部は「捜査にこれ
>ほどまで時間がかかっているのは、だれのせいか」と、淡々と語った。

「捜査にこれほどまで時間がかかっているのは、だれのせいか」は、この報道を前提にすると、確実に捜査当局のせいである。

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