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失敗に終わった第二次インティファーダと悲惨なパレスチナ。しかし未来はあります。(2)【パレスチナNGOサイトも紹介します】(旧名:反シオニスト、新名:無花果)
http://www.asyura.com/0306/dispute12/msg/442.html
投稿者 無花果 日時 2003 年 8 月 04 日 21:18:13:9kmGLOziS7XNY

これまで反シオニスト名でいくつかの投稿をしましたが、どうも私は「反・・・」とスローガンを掲げるタイプの人間ではありませんので「無花果」に改名しました。エシュロンを恐れてのことではありません。もちろん、反シオニズムであることには変わりありません。

本投稿は以下の投稿の続きです。
自爆攻撃とジハードについて(1)【はまちさんへの返答も含めて】
http://www.asyura.com/0306/dispute12/msg/363.html


失敗に終わった第二次インティファーダと悲惨なパレスチナ(2)

私は第二次インティファーダ(民衆蜂起)とこの闘争における自爆攻撃は完全な失敗であったと思います。パレスチナはあまりにも多くのものを失ってしまったからです。第二次インティファーダが得た成果は何もないといってよいのです。パレスチナはあまりにも多くの損害を蒙ってしまいました。以下箇条書きにします。

(1)現在手元に資料はありませんが、第二次インティファーダ期間中のイスラエルとパレスチナの人的損害を比較すればパレスチナ側がはるかに大きな人的損害を蒙っています。もちろん、人的損害の数字の比較のみではもちろんインティファーダの成果を語ることはできません。

(2)第二次インティファーダによって、多くの民家や公共施設がイスラエル軍に破壊されてしまいました。家を失った難民がでてしまいましたし、パレスチナで生活を続けることに耐えきれず、親戚等を頼ってアラブ諸国等に居を移した人も数多くいます。また、公共施設の破壊はパレスチナの人々の社会生活に甚大な影響を及ぼしています。

(3)パレスチナは文化財の宝庫とも言えますが、多くの文化財がイスラエル軍に破壊されてしまいました。

(4)隔離壁の建設が促進されてしまいました。隔離壁はイスラエルとパレスチナの境界線上に建設されているのではなく、パレスチナ自治区側に大きく入り込んでいます。もちろんイスラエル当局による土地の強奪です。このため、多くの農民がさらに土地を失ってしまいました。カルキリーヤでは農民が70%もの土地を失っています。パレスチナの主要産業は農業です。土地の強奪と隔離壁の建設によってパレスチナ農業は大きな打撃を受けています。

(5)第二次インティファーダによって、150以上の軍事チェックポイントが自治区内設けられ、住民の移動と物資の流通が大きく阻害されてしまいました。パレスチナ支援事業等にも大きな影響が出ています。また、チェックポイントにおけるイスラエル兵のパレスチナ住民に対する嫌がらせは日常茶飯事です。日本の新聞報道では二つのチェックポイントが廃止されたと報道されましたが、まだ150以上もチェックポイントがあるということはほとんど報道されません。イスラエル当局の発表を垂れ流しにすることにより、事実が隠蔽されています。

(6)イスラエル軍によってパレスチナ自治区内に外出禁止令が頻繁に出されました。パレスチナの社会生活と経済生活が大きく阻害されたことは言うまでもありません。学校や大学に通えない生徒・学生が出てしまいました。

(7)数多くの村の入り口がイスラエル軍によって封鎖され、救急車も通れない状態になりました。これは明らかに人道犯罪です。

(8)イスラエル軍の戦車は壊す必要のない道路施設の多くも破壊しました。また市内で必要なないジグザグ運転をし、舗装道路を故意に破壊しています。

(9)過激な行動などしていない一般市民が、イスラエル兵により狙撃・射殺される事件も起きています。イスラエル軍当局はこうした重大犯罪を調査しようともしません。

自爆攻撃でイスラエル市民一人を殺害すれば、数十倍の報復攻撃がなされます。以上の損害に加え、前回も述べましたように、戦略なき自爆攻撃によって、第二次インティファーダはパレスチナ支援の輪を世界に広げることが出来ませんでした。

ゲリラ戦で徹底抗戦すべきだとの意見もあるかと思いますが、対称戦どころか、非対称戦(ゲリラ戦)すら行えない状態にパレスチナは追いやられています。一つには、パレスチナ占領地は、入植地と入植者用道路等によりズタズタに分断されており、地理的条件からもゲリラ戦は行えません。もう一つは、パレスチナ社会内部に張り巡らされたイスラエルの諜報網により戦闘行動は筒抜けです。筒抜けの戦闘行動ではゲリラ戦になりません。

第二次インティファーダが生み出したものは、米国主導によるロードマップと米国とイスラエルの息が掛かったアッバース首相の台頭です。このまま推移すれば、数年後にはパレスチナ国家の承認もあり得ると思いますが、大多数のパレスチナ人の利益にはならないでしょう。

パレスチナ国家の主体となるのは、現在のパレスチナ自治政府です。パレスチナ自治政府は非常に脆弱であり、また腐敗も数多く指摘されています。このような自治政府がパレスチナ国家の主体となっても、苦しみにあえぐ多くのパレスチナ民衆の状況はほとんど改善されないと予想されます。

腐敗のない政府など世界には存在せず、腐敗の規模から言えばパレスチナ自治政府の腐敗など、世界の主要国の腐敗と比較すれば取るに足りないものです。決して腐敗を擁護しているわけではありません。一つ指摘しておきたいことは、パレスチナ自治政府の腐敗にのみ目を向けることにより、シオニスト・イスラエルの犯罪が覆い隠されてしまう点です。また、自治政府内の権力闘争にもジャーナリズムの目が注がれますが、これも同様に他方の犯罪を覆い隠す働きをしています。


しかし未来はあります

パレスチナに未来はないのだろうか。私は決してそのようには考えません。長年国家をもてなかった代わりに、パレスチナの人々は主体性を獲得してきました。その一例が数多くのNGOの活躍です。こうした民間人たちが世界に輪を広げ、パレスチナの未来を作ってゆくものと思われます。以下、代表的なパレスチナNGOのサイトを紹介します。一度訪問してみてください。


パレスチナNGOのサイト

PENGON:隔離壁建設反対キャンペーンを行っています。
http://www.pengon.org/index.html

ARIJ:パレスチナの環境問題に取り組んでいます。イスラエルが破壊した環境に関する報告や入植地に関する調査もあります。
http://www.arij.org/

RIWAQ:パレスチナの文化財保護活動を行っています。
http://www.riwaq.org/

PASSIA:調査・研究および出版活動を行っています。
http://www.passia.org/

The Palestine Monitor:様々な情報を提供しています。パレスチナNGOリンクもあります。
http://www.palestinemonitor.org/links/links.html

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