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為替:過小評価・過小保有される日本資産
http://www.asyura.com/0306/hasan27/msg/1066.html
投稿者 転載 日時 2003 年 7 月 09 日 21:37:40:

筆者の見るところ、ダウンサイド・リスクが大きいのはUSD/JPY相場よりもEUR/JPY相場である。

向こう年内、低下が見込まれるUSD/JPY相場ならびにEUR/JPY相場 投資対象として日本資産に関心を寄せる向きは少なく、日本資産は過小評価・過小保有されている。筆者は引き続き、USD/JPY相場ならびにEUR/JPY相場には依然ダウンサイド・リスクがあると考えている。円は依然として、G3通貨の中で、インデックス(実効レート)ベースで見て唯一過小評価されている通貨である。これに加えて、昨今日経平均株価が大幅な上昇を見せていること、また国際投資家が依然として日本資産――特に日本株――をアンダーウェイトしている点を勘案すると、ドルならびにユーロに対して円が上昇する余地は引き続き否定できない。米国経済の正真正銘の回復は、こうしたトレンドに拍車をかけよう。USD/JPY相場については、1ドル=115円を重要なレベルと見なす日本の財務省(MoF)により、同レベルを超えたドル安円高の流れは引き続き抑制されるかもしれないが、EUR/JPY相場は、条件が揃えば、容易に130円を割り込む可能性がある。

円にアップサイド・リスクがあると判断する理由 恐らく間違いなく、この数年間、世界の投資家の間で敬遠されてきた三大資産は日本円、JGBそして日本株である。少なくとも、これは市場においてポピュラーな見方のようだ。堅調なJGBと軟調な株価は一般的に景気軟化の兆候である。堅調な円相場も、デフレ期待の結果であるなら、軟化の兆候と言える。しかしながら、軟調なJGB相場、堅調な日経平均株価そして円相場の上昇は堅調のサインである。2001〜2002年の大半の時期、我々は前者のシナリオの下にあった。だが、筆者が思うに、現在我々は後者のシナリオへ移行しつつある。ドル/円相場が現行水準から15円上昇するとの見方は急速に後退しつつある。日本資産に対して弱気な見方をとり続けるのは、投資ポートフォリオにとって良いことではないだろう。以下に挙げる点を考えると、筆者が思うに、円相場は上昇し始める可能性が高い。

理由(1)過小評価されている日本(円):円はインデックス(実効レート)ベースで見て引き続き大幅に過小評価されている。弊社の12のバリュエーション・モデルに基づき試算したところ、USD/JPY相場、EUR/JPY相場のフェア・バリュー(メジアン値)はそれぞれ1ドル=約107円、1ユーロ=117円で、それぞれ現行のレベルを10%超、約17%下回る。

理由(2)見向きもされない日本(経済):市場は、日本経済の力を過小評価している。「まもなく日本経済は力強い回復を開始する」というつもりは毛頭ないが、過去数ヵ月を振り返って見た場合、日本経済は一貫して全般的な予想を上回るパフォーマンスを見せている。依然として日本経済の足取りは非常に弱々しいが、従来に比べると衰退ペースは減速傾向にあるように見える。また、米国経済に現在見られる改善はテクノロジー主導の様相を見せており、こうした展開は1998〜99年当時を想起させる。当時、円を含め"Techy"通貨の大半は堅調なパフォーマンスを見せた。1998〜99年当時の展開の再現は有り得ないと考えなければならないような理由は現在見当たらない。

このところJGB相場は売り圧力に見舞われているが、株式相場が上昇している中で起きているのであれば、懸念するにはあたらない。JGBバブルの崩壊を口にする向きがいるが、筆者が思うに、そうした見方は根拠のあるものではない。世界的に見て現在債券は売られており、債券売りは日本固有の現象ではない。経済が未だ本格的な拡大路線に乗っていない状況下、10年債利回りが1%を超えて大きく上昇するとは想像し難い。債券利回りの上昇が銀行のバランスシートに及ぼす影響については、基本的なトレードオフ・レシオ(60:10)に基づくと、10年債利回りの60bpの上昇は株式相場の10%の下落に等しい。過去3ヵ月間に10年債利回りは約40bp上昇しているが、同期間に株式相場は20%近い上昇を見せている。こうしたトレンドから銀行が恩恵を享受しているのは明らかである。さらに、債券利回りの上昇を受けて、AUD/JPY、EUR/JPYそしてGBP/JPYのキャリーは圧迫されている。これは、こうした円クロスにとってはマイナスだが、円にとってはプラスと言えよう。

理由(3)過小保有されている日本(株式):国際投資家は、日本株のポジションを引き続きアンダーウェイトにしているようだ。世界的に株式市場が上昇傾向にある中、外国人投資家は、このアンダーウェイト・ポジションの拡大を抑えるために日本株(および円)を購入する必要があるだろう。もし、日経平均株価が、(1)見込まれる米国経済の回復がテクノロジー主導のものである可能性が高いこと、(2)日本が、米国経済回復の暁には多大な恩恵を享受する立場にある「高ベータ」経済国であることを理由にアウトパフォームするようなら、より多くの資金が日本へ流入する可能性がある。加えて、構造改革の進展も日経平均株価ならびに円にとってプラス材料になるかもしれない。

理由(4)今年の最高値を既につけた可能性のあるEUR/USD相場:EUR/USD相場の構造的な上昇は大方終了したと筆者は見ている。このような状況下、ドル・インデックスは、円、資源国通貨、中南米諸国通貨そして最終的に日本を除くアジア諸国通貨に対して調整が進んでいかなければならないだろう。

ダウンサイド・リスクが大きいのは、USD/JPY相場よりもEUR/JPY相場

筆者がこう考えるのには理由がある。まず第1に、MoFの介入政策。USD/JPY相場については、MoFは1ドル=115円のレベルを重要視し、同レベルを防衛しようとしている。これに対して、筆者の見るところ、EUR/JPY相場については、MoFはこれといったターゲット・レベルを念頭に置いてはいないようだ。第2に、USD/JPY相場以上にEUR/JPY相場は過大評価されている。また、ユーロ圏経済は日米両国をアンダーパフォームすると予想される。第3に、この数ヵ月間、日本の公的部門が市場介入を通じてドル建て債券を購入しているのに対して、民間投資家は非ドル建て債券を購入している。このような状況下、外国債券を売り越す資本の本国回帰(リパトリエーション)の動きが生じた場合、民間部門と公的部門との間に見られる債券保有構成の違いのために、円クロスはUSD/JPY相場以上により大きなリスクに晒されることになるだろう

http://www.morganstanley.co.jp/securities/jef/wib/030707/doc03.html

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