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輝きを見せるドル圏 モルガンレポート
http://www.asyura.com/0306/hasan27/msg/1087.html
投稿者 Ddog 日時 2003 年 7 月 11 日 01:34:24:gb2b4T9TetGkU


http://www.morganstanley.co.jp/securities/jef/wib/030707/doc08.html
アジア/太平洋:輝きを見せるドル圏
The Dollar Block Shines / Andy Xie

構造的要因は、ドル圏の優れた経済的パフォーマンスを維持する上で為替レートよ
りもはるかに重要な役割を演じている。

筆者は、(1)米国の大規模な景気刺激策が世界経済回復の契機になる、(2)米国・
中国軸が世界経済の成長の大半を占めるとの見解に賛同する。また、ドル安がドル
圏のアウトパフォーマンスに寄与するとの見解にも同意したい。だが、筆者が思う
に、見逃してはならないのは構造的要因である。構造的要因は、ドル圏の優れた経
済的パフォーマンスを維持する上で為替レートよりもはるかに重要な役割を演じて
いる。

(1)為替レート:ユーロ高の影響により、米国の景気回復が欧州にもたらす恩恵は希
薄なものになっている。ユーロ圏は基本的に、競争的通貨切り下げを通じた市場シ
ェア争いにおいては日本を除く東アジア諸国と競合関係にある。ユーロ高により、ユ
ーロ圏は市場シェア競争の圏外に置かれる格好となった。

米国の景気回復を契機に、日本製の資本財に対するアジアの需要が増す可能性
がある。だが、日本は輸出市場シェアを巡って他のアジア諸国と張り合おうとはしな
いだろう。日本は、アジア通貨・金融危機の最中に円を切り下げなかった時点で、市
場シェアを巡る争いに見切りをつけている。

(2)欧州のアウトソーシング:為替レートに加えて、2つの構造的要因がドル圏に寄与
している。まず、欧州がアウトソーシングを進めている点。欧州から中国への生産設
備の移転が、この5年間に大規模に進行している。

中国は、欧州と日本から成長を引き込んでおり、これが米国を間接的に助ける格好
となっている。米国の政策当局はこの点について真剣に考えるべきだろう。筆者の
見るところ、中国は、米国が今日の生活水準を維持する上で最も重要な存在となっ
ている。人民元のドル・ペッグ制は、米国のバランスシートが悪化しても米国が金融
的な安定を維持できる保証となっている。二国間の貿易収支だけを見ているだけで
は、ひどく歪んだ虚像しか目に入らないだろう。

このような新世界の下では、欧州と日本は確かに景気低迷を経験しよう。しかしなが
ら、欧州も日本も現在、全体の人口の減少を経験している一方で、年金受給者の人
口が急増している。年金受給者にしてみれば、生活水準を維持する上において安価
な輸入品が必要となる。欧州と日本にとっては、成長は追求すべきテーマではない
し、テーマになるべきでもない。

(3)中国の工業化の進展:揚子江デルタ地域の発展においては中国の民間企業の
存在が顕著であり、中国の民間企業が初めて重要な役割を演じている。輸出額は
今年、倍増している。筆者は、これを中国の競争力の改善を示すものと考えてい
る。

筆者が思うに、中国の競争力の強化は、為替相場のおかげというよりはむしろ大幅
な生産性の向上と大量の余剰労働力のコンビネーションの結果と言えよう。余剰労
働力の存在故に、生産性の向上は恒久的な相対価格の変化につながっている。為
替レートの調整が起こっても、こうした流れを押し止めることはできないだろう。中国
が大量生産の仕方を習得するにつれ、労働力の価値は乏しい天然資源に比べると
全体的に低下することになる。これは為替レートに関する問題ではない。名目賃金
は、中国の輸出品に対する世界の需要動向によって決定される。

中国・米国軸は、単に人民元がドルに連動しているという事実だけで成立しているわ
けではない。それは、(1)中国が限界生産コストを決定する一方、(2)大規模で開放
的な市場を持つが故に米国が販売価格を決定している点に起因する。中国・米国
軸の結果として、FRBによる金融緩和はドル圏内にとどまることになる。つまり、中
国は世界貿易とFDIの限界的増加分の大部分を占めているため、FRBがマネーサ
プライを拡大させる措置を講じた場合、それは中国へ流れた後速やかに米国の財
務省証券市場へ環流する格好となっている。

筆者が思うに、欧州ならびに日本の景気は、世界的な景気回復の中で他をアンダ
ーパフォームすると予想される。経済成長率の格差は、2四半期後には株式市場の
パフォーマンスに現れるようになるだろう。ドル圏市場が2四半期後には好転してい
ると筆者が判断する理由もそこにある。

香港株式市場に上場されている中国株はFRBの金融緩和に最も強く反応する。以
前は、IT株がそうだった。FRBの金融緩和が主としてIT需要を膨らませたからだ。ハ
イテク・バブルが起こる前の、クロスボーダーの融資が国際的な資本フローの中心
だった頃は、不動産株がその座にあった。

他の東アジア諸国は、中国を通じてFRBの金融緩和の恩恵に与ることになろう。例
えば、香港や台湾の企業はビジネス上主に中国との係わり合いが深い。このため、
両者の企業セクターは、経済全体自体は多大な恩恵を享受しないにせよ、FRBの
金融緩和の恩恵に与れるだろう。

韓国の企業は、健全な利益率を確保しながら、中国の消費者に対して自動車と携
帯電話を販売するのに成功している。韓国の株式市場ならびに同国経済は、中国
とのリンケージを通じて、FRBの金融緩和から恩恵を享受しよう。

中国・米国軸を別とすれば、天然資源ベースの経済がFRBの金融緩和の影響を最
も強く受ける立場にある。中国における雇用の拡大は、天然資源に対する需要の増
加につながる。FRBが利下げをすれば、天然資源の価格は上昇が見込まれる。

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