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奥野東大教授の非論理的発言批判
http://www.asyura.com/0306/hasan27/msg/567.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 14 日 17:38:44:

(回答先: 近い将来、国債の市場消化が不可能になり、日銀引受は免れず、キャピタルフライトで円は暴落、ハイパーインフレに 平成14年2月19日 税制調査会議事録 奥野正寛 東京大学教授 投稿者 ファイナンシャル・ディテクタ 日時 2003 年 6 月 13 日 06:53:47)


奥野東大教授の論理でまともなのは前提としている「現状のデフレ不況によって、先ほど申しましたように税収は減る」だけである。


● 不況ですから様々な形で支出増をせざるを得ない。そうすると、いま以上に財政赤字が増大する。

不況だから財政支出を増加させなければならないというのは、ケインズ主義への共通信仰においては論証を必要としないことだが、経済論理に適合しているわけではない。
(財政支出は、国民生活環境の整備と経済活動の基礎的整備を税収との見合いで行なうものという考えも提示でき、不況だから財政支出を増加させなければならないわけではない)

税収減少のなかで財政支出を増加させれば、財政赤字が増大するのは自明である。

※ 参照書き込み

『「匿名希望」氏へのレス:ケインズ的延命策の陥穽  《ケインズ主義は「近代経済システム」の“死期”を早めた》』
http://www.asyura.com/2002/hasan12/msg/1118.html

【世界経済を認識する基礎】 “あっしら”的経済概念の説明:国民経済と財政 《ケインズ乗数理論と公共事業》〈その10〉』
http://www.asyura.com/2002/dispute2/msg/111.html

●当然、その結果、税収は不足していますから、国債を増発せざるを得ない。そうすると、いますでに起こりつつありますが、国債格付けがどんどん低下していく。


総体的な国民経済の力やファイナンス構造から言えば、日本国債だけではなく、米国債も同じように国債格付けがどんどん低下していくはずだがそうはなっていない。
だから、国債格付けの低下は、説明している論理で起きるわけではない。


● そうすると、国債利子率が増えますので、利払費が増加する。そうすると、財政赤字がさらに増大する。ということは、基本的にはもう国債がどんどん格付けが下がっていって、ジャンクボンド化していくということで、国債の市場消化が不可能になる可能性が事実上近い将来に起こり得る可能性がある。


そうならないのは、10年国債の利回りが0.3%台まで低下した日本国債の現状を見ればわかることである。
日本の国債状況は、GDP的連関に通貨が循環しにくい経済状況にあれば、中央銀行が銀行にじゃぶじゃぶ貸し出しを行なえば、奥野東大教授の言うような現実は起きないことを示唆している。

中央銀行が銀行に0%金利でじゃぶじゃぶ貸し出しを行なえば、国債の市場消化が不可能になることは避けられるのである。
そして、中央銀行のベースマネーが利払いや借換債の消化に使われるのであれば、銀行の収益と国債サイクルの維持に資するだけで、インフレ圧力にさえならない。


● 途上国ではこういうことが比較的頻繁に行われ、アルゼンチンなどはそうですが、そういう場合には、基本的には国債を中央銀行引受けせざるを得ないだろうという、いま日銀は拒否をしていますが、そこまでいけば引き受けざるを得なくなるでしょうから、そうなると、基本的には日銀が日銀券を刷って財政の赤字を引き受けるという形になって、ハイパーインフレーションになる。

経常収支赤字構造で外国からドル建てで借り入れしている国家と日本を同じ地平で論じることはできない。
発展途上国は、国内供給力が大きく不足しているから赤字財政支出の拡大がインフレにつながり、インフレが財政支出に依存する国民の窮状を悪化させるため政治的判断で赤字財政支出がさらに拡大するという悪循環でハイパーインフレに陥るのである。

価値観的にどういう評価を受けるかは別として、日銀が今のような銀行を媒介とした国債引き受けではなく、直接の引き受けをしてもハイパーインフレになるわけではない。

※ 参照書き込み

『奥野正寛東京大学教授は「思考実験」能力が貧弱』
http://www.asyura.com/0306/hasan27/msg/541.html


● そうすると、為替が暴落して、資本逃避が起こるというようなことになる。そういうふうに私はかなり危惧せざるを得ないと思います。

対象国よりもインフレ率が高く推移すればその国との為替レートは安くなるから、群を抜いたハイパーインフレになれば、為替が暴落することは確かである。

そして、その暴落が継続するとしたら、金利との兼ね合いで余裕資金が外国通貨建て資産に向かうことも確かである。(将来日本円が必要になるとしても、それまでのあいだ外国通貨建てにしているほうがその時点での手取り円額が大きくなるから)
しかし、それを金利政策で防ぐこともできる。予想為替下落率+外国通貨金利に等しいか大きい金利を日本円に適用すれば、資本逃避=キャピタルフライトは“不安感”以外を要因としては起きない。

何よりの難点は、資本逃避=キャピタルフライトが起きてどういう問題が起きるかが明確にされていないことである。
預金の取り崩しでキャピタルフライトが起きるとしても、それは銀行の債務が減少することだから、払い戻しができる日銀券があれば済むことであり、それによって銀行の貸し出し資金が不足するというのなら、現在のように日銀がじゃぶじゃぶ貸し出しを行なえばいいことである。(債券類の売却であれば、市場論理で処理される)
現物資産を売却するかたちでキャピタルフライトが起きるとしても、基本的に債券類の売却と同じである。

キャピタルフライトに大騒ぎしなければならないのは経常収支赤字国であり、10兆円を超える経常収支黒字国である現状の日本にはいくらでも対処法がある。

今の日本に投げ掛けられている課題は、経常収支黒字を維持しつつ、その優位性を利用したデフレ・スパイラルからの脱却である。

※ 参照書き込み

『日銀券は日銀によって信用力が付与されているわけではありません』
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/860.html


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