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<TWP特報・「銀行経営ランキング」をスッパ抜く金融庁の極秘内部資料>
http://www.asyura.com/0306/hasan27/msg/605.html
投稿者 転載 日時 2003 年 6 月 16 日 21:56:58:

(1) りそな破綻の責任なすり合い
竹中大臣「私にも内部告発をください」

 登場人物6人の行動を追うと、まさにこの国の金融が袋小路、つき当たりに入り込んで身動きできなくなっている光景、因果がはっきりする。それぞれの“罪”を問う。
 まず6人の真ん中にいる竹中平蔵・金融大臣。前職、大学教授。学者が何の政治の縁があって大臣になったのか。周りが疑問に思う以上に、本人が戸惑っている今日この頃だろう。
 奇しくも衆院財務金融委員会でりそな銀行への税金投入をめぐる参考人招致が行なわれた6月11日、その日、日銀出身の民主党参院議員・大塚耕平氏のもとに、竹中氏から一通の書簡が届けられた。
 ワープロの簡単な文面だったが、そこには竹中氏の自宅の住所が書かれていた。つまり、大塚氏に自分の住所を伝えるための書簡だった。
不可思議な親書の背景には、大塚氏のもとにりそな銀行や監査法人から重要な内部告発が寄せられ、6月6日に開かれた衆院財務金融委員会で民主党議員がその文書をもとに質問したことがある。竹中氏はこう答えた。
「大塚さんが内部告発者に会われることがあるなら、あとで私の住所を教えるので、(告発者に)私に直接、告発資料を送ってほしいとお伝え願えないか」
担当大臣なのだから、すでに十分な情報、資料を得て、りそな銀行に税金投入を決めたのではないのか。それを野党議員に寄せられた内部資料欲しさに、そういう答弁をするということは、自ら監督する金融庁から、必要な情報を得ていないことを告白するようなものだ。
 竹中氏は≪裸の王様≫と化している。
 事務方は、
「竹中大臣は、そもそも銀行を潰せという強硬論を唱えて金融危機を煽り、銀行の経営を危うくした。情報の重要度がわからず、自分のパフォーマンスを優先するから、危なくて重要な情報はあげられない」――こちらも平然と言い放つ。
 金融庁も今さらそんなきれいごとなど通らないと知るべきだ。
 竹中=悪玉、事務方=善玉の図式を作って、自民党抵抗勢力と手を結び、竹中更迭の包囲網づくりに必死なのも、一皮めくれば、金融庁内部の独立派と財務省派との主導権争いが根っこにあり、その“戦況”によって、銀行危機がなくなったりつくられたり、税金投入をしたりしなかったり、サジ加減をほしいままにしているだけではないか。
 前出・大塚氏に対する内部告発によって、金融庁中枢部が、りそな銀行や監査法人に圧力をかけた問題が発覚した。りそな銀行の決算審査を担当した監査法人に、金融庁が経営破綻を隠したりそな側の粉飾決算を認めるように圧力をかけたとされる疑惑である。なぜそうしたか。
 預金保険法の102条がその背景にあった。経営危機に陥った銀行に税金を投入する場合、102条では、
<金融危機対応会議を開かなければならない>――と決められている。
 総理大臣が招集する会議であり、それが開かれることは、たとえメガバンクでも経営破綻に直面していることを公然とさせることになる。
 ところが、金融庁は今年3月決算期に際し、
「金融不安はない。どの銀行も潰れる状況はない」
 そんな“安全宣言”を発していた。
 小泉首相も竹中大臣も、すっかり真に受けて、“金融危機は去った”といわんばかりにふんぞり返っていた。
 ものの3か月もしないうちに、いきなり≪りそな危機≫が出来した。
 その責任は当然、金融庁にある。金融庁はそれがわかっているからこそ、りそなの経営危機を隠蔽し、税金投入を回避するために、圧力をかけたのだった。
≪102条会議≫を開かせないための姑息な工作に他ならない。その実行部隊が、金融庁監督局銀行第一課であり、指揮をとったのが鈴木正規課長だった。
 竹中大臣は国会答弁では明確に圧力説を否定した。それならそれで一貫していればともかく、民主党議員にわざわざ自宅住所を知らせる親書を送って、
“内部告発を私にも送らせてほしい”――そう頼み込むとはチグハグすぎる。
「彼の本音は、金融庁事務方のスキャンダルを直接握って、事務方にいうことを聞かせようと企んでいるところにある」
 金融庁幹部は疑心暗鬼と嫌悪感、不信感をひとまとめにした言い方をする。
 次のように語る人がいる。
「金融庁幹部はもともと財務省出身者だけれども、その中では森昭治前長官と高木現長官は財務省からの独立路線をとっている。かねてから最大の金融危機の火種とされた旧あさひ、旧大和銀行を合併させてりそなを発足させたのは、まさにこの2人の独立路線の象徴とされている。が、宗主国の財務省は独立を認めず、逆に金融庁を植民地化しようと影響力を強めようとしている。その切り込み隊長として送り込まれたのが他ならぬ鈴木課長だ」
 続ける。
「鈴木は財務省エリートの中では次官候補として温存されてきた。5年前に大蔵省を襲った“ノーパンしゃぶしゃぶ接待事件”の当時、鈴木は最も汚染されていた銀行局の課長補佐だったが、上司、同僚が軒並み処分された中で彼は生き残った。これまでも、現日銀副総裁で前財務事務次官・武藤敏郎の強力なバックアップを受け、課長ながら金融庁では一目置かれていた」
 その鈴木氏と高木長官、さらには竹中大臣の三者三様の思惑が交錯する。
「独立派の高木長官は、植民地化を阻止するために、長官を3年務めることに執着しており、りそな圧力疑惑の責任を鈴木にかぶせて、財務省に追い返そうとしている。鈴木は上司の五味廣文・監督局長と組んで、必死に防衛線を張って抵抗し、武藤副総裁が乗り出して助けてくれるのを待っている」
 武藤氏は財務官僚時代から自民党に太い人脈を張りめぐらし、政治力では音に聞こえた人物だ。小泉首相の影のブレーンでもある。圧力問題の責任を高木長官に追わせようと画策している竹中大臣とも思惑が一致しているという。

(2) 土壇場の大臣更迭回避
支持率回復に首相が反転

 小泉首相はりそな危機に動揺した。側近の一人は、
「政権維持の自信さえ失いかけたほどだった」――と、振り返る。こうもいう。
「竹中を更迭し、急場をしのごうと考えたこともある」
 しかし、小泉首相は、竹中氏を更迭もせず、政権も投げ出さなかった。甦った。この政治家は“不死鳥”か。
 それにしても、小泉首相はなぜ、それほどまでに動揺したのだろうか。
 竹中大臣がりそな銀行への税金投入を小泉首相に進言して、≪102条会議≫の開催を求めた時、小泉首相は反射的にこう聞き返した。
「それは構造改革につながることかね」
 税金投入は銀行の一時的な国有化なのだから、「民のことは民にまかせる」という小泉首相の唱える構造改革にかなうはずがない。むしろ、改革逆行策だ。
竹中大臣が平然と答えた。
「はい総理、もちろんです。公的資金を投入すれば、りそなは再生し、金融システムが健全化するのは間違いありません」
日追わずして竹中大臣の答え方が間違っていたことが明らかになる。
 ただし、その時点での2人の脳天気ぶりといったら、失礼だろう。先見性のないオプティミズムといい直すとしても、小泉首相は方向のズレた対応をした。
 本来、りそな危機は小泉首相にとってあってはならないことなのだ。前述のように、つい3か月前の3月決算にあたっては、竹中大臣と金融庁が口をそろえて、
「金融不安はない。危ない銀行は1つもない」――と報告し、それを鵜呑みにしていたのだから、それからわずか3か月足らず後に一転して≪りそな破綻→金融危機≫になろうとはにわかに理解ができなかった。一瞬、小泉首相の頭には、りそな危機で金融パニックが起きるという恐怖が浮かんだから、政権維持に自信を失い、次にやや気を取り直して“竹中のクビを切って政治的窮地をしのごう”と思いをめぐらせたはずだった。
 そうした中、小泉首相を甦らせたきっかけが、新聞の世論調査だったという。
 官邸筋が経緯を明かした。
「とくに税金投入を決めた会議のさなかに日本経済新聞が支持率調査をしていたことを知って、ひどく気に病んでいました。もし、国民が税金投入を約束違反だと怒って、支持率が40%を切ったり、30%に近づいたりしたらどうしようと、内心腹をくくっていましたね」
 反転。世論調査が公表されたのは、税金投入を決めた会議の2日後(5月19日付朝刊)だった。話を続けてもらう。
「官邸では報道の前日には世論調査の結果を得ていた」
 すかさず、小泉首相のもとに伝えられた。
 すると、小泉首相は両手を大きく広げ、顔を天井に向け目をつむり、
「国民は私を見捨てない。私も竹中を見捨てない。このまま乗り切る」
 大きく声を出して笑ったという。
 日経紙が伝えた世論調査の支持率は、小泉首相が覚悟した≪最悪の事態≫の予測を覆し、思いもよらぬ6ポイントアップ。前回調査の42%から48%という結果だった。
 結局、りそな銀行には1兆9600億円の税金が投入されることになり、竹中大臣のクビもつながった。
 しかし、それによって、竹中大臣は、今度は国民にウソをつき通さなければならない羽目になった。

(3)「税金は返す」の嘘八百
ブレーンを切り捨てた竹中大臣

 竹中大臣の諮問機関に『金融問題タスクフォース』がある。竹中氏の評価とは別に、委員には日銀総裁の下馬評にものぼった元東燃会長の中原伸之氏、経済アナリストの川本裕子氏など、音に聞こえた論客が居並ぶ。だから、りそなへの税金投入には辛辣な評価を下した。
 さる6月3日のタスクフォースの会議に、りそなの新たな経営健全化計画が提出された。委員たちは、その内容にわが目を疑い、仰天した。
 りそなホールディングスの今年3月決算では、株の損失と不良債権処理を合わせて、当期利益で7904億円の赤字を計上した。
 が、税金投入に伴う経営健全化計画によると、04年3月決算では、一気に589億円の黒字を見込んでいる。3年連続の赤字、経営破綻に直面した銀行が、わずか1年で黒字に転じるというのだから驚かない方がおかしい。
 さらにりそな側の自己陶酔的バラ色の再建計画が描かれている。なんでも、
<りそな銀行には、旧大和銀行に5080億円、旧あさひ銀行に6000億円などの税金がすでに投入されているが、旧大和分の転換(返済)期限である07年には4238億円、旧あさひ分の転換期限の09年には5719億円の剰余金ができる。
 そして、2019年には、今回の税金投入額1兆9600億円に見合う2兆715億円の剰余金を確保できる>
 ――つまり、りそなには合計3兆1280億円の税金が注入されたけれども、“全部きっちり返せます”という内容になっている。
 03年6月現在の、りそなの経営者は神様か。それほど簡単かつ容易に10数年後の剰余金見通しまで立てられ、企業努力がなされるなら、なぜ、いま経営危機に陥って税金で救済を受ける立場になったのか、もう一度、答えてみよ。
 あまりにも容易に税金投入を考え、国に頼るというその姿勢が、返還期限から逆算して数字を弾き出す子供じみた計画をつくらせたことははっきりしている。
 世間を馬鹿にする気か。
 当然ながら、鋭敏な竹中諮問委員たちを怒らせた。その日は、説明に来たりそなホールディングスの川田憲治社長と、野村正朗・りそな銀行頭取に次のような激しい意見が叩きつけられた。
「こんな計画では、税金2兆円が紙クズになってしまうじゃないか」
「収益計画が甘すぎて論外だ。検討に値しない」
「こんなことでは、りそなが生き残ること自体、不可能だろう」
 川田氏も野村氏も、≪新・経営健全化計画≫それ自体も委員たちの手厳しい批判の前に立ち往生してしまった。
 りそな側ばかりか、竹中大臣まで立場を失った。顔色なしの竹中大臣は、会議後こういってのけた。
「タスクフォースには、政策決定権はない」
 あろうことか、竹中大臣は自分の肝いりで発足させた諮問委員会の委員たちをバッサリ切り捨てた。

(4) 金融庁「内部資料」を公開
大銀行「水増し自己資本」リスト

 金融危機は一段と深まっている。不明朗なりそな救済が危機を収拾困難なほどに増幅させた。
 金融庁がひそかに隠し持っていた極秘内部資料がそのことを雄弁に物語っている。
≪取材班≫が入手した内部資料『繰延税金資産の比較』と題するA4判1枚の表は、大手銀行6行の≪経営ランキング表≫というべきものだ。
 難しい説明を抜きにして、大手銀行が経営体力をはかる自己資本を、どれだけ“水増し”しているかを表わすリストであり、他ならぬ金融庁の銀行評価の内部資料として使われている。
 取材班の調査で、実はその資料は金融庁自身ではなく、ある大手銀行が作成したことがわかった。
 一銀行が作った資料を行政のスタンダードにしてしまう、癒着、馴れ合い、もたれ合いが依然として正されていないことを奇しくも証明したことにもなる。
 金融庁の内部証言がある。
「ご指摘のように、りそな救済の甘い方針が、今後のさらなる金融危機を呼び込む可能性は認めざるを得ない。部内的にはりそなの経営責任を厳しく問い、株の減資をやらせるべきだという意見もあったが、まず救済ありきで、すべてにフタをして税金を投げ込むという、北海道拓殖銀行や日本長期信用銀行の破綻処理とは比べものにならないくらい手ぬるい対応をした。ということは、経営に苦しんでいる銀行がみんな“りそながあの程度なら、うちも税金をもらった方が得だ”という算盤をはじいたとしてもおさえることはできない。実際問題、監査法人が一段と厳しく決算監査をするだろうから、今年9月の中間決算でいくつかの銀行が税金注入を申請してくることは大いにありうる」
 そうした危機のために、政府には15兆円(金融危機対応勘定)が用意されており、使うことを決める権限は、総理大臣を議長とする102条会議、すなわち『金融危機対応会議』にある。すでにりそな銀行に約2兆円投入されたから、残りは13兆円ある。
「仮に9月の中間決算で複数の大手銀行が資本注入を求めても、残り13兆円で間に合わせようというのが政府・金融庁の方針になっている」
 金融庁幹部は語った。
 どうやって13兆円の枠内に銀行破綻をとどめるかが課題となった。そこで、金融庁内に次のメガバンク危機を予測し、それに備えるプロジェクトチームがひそかに結成されていたことがわかった。
 チームは監督局の金融危機対応室を中心に編成され、財務省との間で極秘に対策が協議されている。
 前出の内部資料≪経営ランキング表≫と合わせて、もう一つの表も金融庁が、次に破綻するメガバンクはどこかを判定する資料として使っている。≪資料・ デタラメ“利益倍増計画”≫として掲載しているが、元資料は表題部分が消されており、メガバンクが発表している再建計画を一覧表にしたものだ。
 そうみると、前出・りそなの新経営健全化計画同様、どこも手前みそで、当事者でさえ眉につばつけるようなバラ色計画を発表している。
 百歩譲って、大甘だろうがバラ色だろうがかまわない。外部からどう評価されようと“われわれはこれで再建できる”というのなら、金融庁はひとことだけいえばいい。
“その計画が実現できなければ厳しく経営責任を問う”――と。
 それでも、“別掲表の通りの再建計画で間違いありません”といいきれるメガバンクがいくつあるだろうか。

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