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アジア/太平洋:宴を謳歌せよ Enjoy the Party / Andy Xieモルガンスタンレー レポート
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投稿者 Ddog 日時 2003 年 7 月 04 日 22:46:31:ZR5JcjFY1l.PQ

http://www.morganstanley.co.jp/securities/jef/wib/030630/doc11.html 
ウィークリー・インターナショナル・ブリーフィング 06.30.2003
アジア/太平洋:宴を謳歌せよ Enjoy the Party / Andy Xieモルガンスタンレー レポート


これまで債券相場と株式相場はともに上昇してきたが、これは純粋な流動性主導のラリーの兆候である。持続的な景気回復が不可能であることに投資家が気づいた時、最終的に失望感が広がり始めるだろう。

宴はまだ終わってはいない。筆者が思うに、この先さらに数ヵ月は続きそうだ。流動性が資産市場から企業・家計に流入しており、楽観論は実需により実証されていくと予想され、そうした中で株式市場は上昇し、その間債券相場は軟化しよう。これまで債券相場と株式相場はともに上昇してきたが、これは純粋な流動性主導のラリーの兆候である。投資家が持続的な景気回復が不可能であることに気づいた時、最終的に失望感が広がり始めるだろう。筆者が思うに、宴は2004年半ばにお開きとなるだろう。

宴を維持するには、債券利回りを低水準に維持することが重要で、これは2004年の景気回復の必要条件である。先般、主要債券市場において利回りが小幅上昇したが、利回りを低めに維持するためにFRBが何らかのアクションを起こさないなら、それは筆者にとって驚き以外の何ものでもない。債券利回りが尚早に上昇してしまえば、住宅ローンの借り換えや資本市場における資金調達の動きに歯止めがかかるだろう。そうなれば、需要回復効果は見込めなくなる。消費者と企業が支出に回せる必要な資金を獲得できるまでは、債券利回りの上昇はあってはならない。

今回の相場の上昇は、ITバブル崩壊後初の大々的なラリーである。米国は今回初めて、アジア流のリバウンドを経験している。アジア各国政府は、景気の回復を目的とした資産市場の押し上げには慣れている。FRB関係者が債券利回りの低位安定を狙った発言をした場合、これには、第一面で中国国民に株式の購入を促した1999年5月の人民日報と同様の効果があるだろう。東アジア諸国の場合、選挙が予定されていると一般的に株式相場が押し上げられることが多い。この種のゲームにおいて、米国は依然として新参者である。

世界経済は過剰生産能力に悩まされている。過剰生産能力は、景気低迷とデフレ・リスクの理由に挙げられる。実際のところ、それは、資本・労働の根本的な過剰供給傾向のことである。東アジアは長期に亘って過剰生産能力に苦しめられてきたが、これが時間の経過とともに消失しないのには訳がある。安価な資本と余剰労働力は常に生産能力の拡大につながる。株式市場が回復すると、企業は資金調達を行い、調達した資金を生産能力の拡大にあてる。我々は、投資家が経済を助長している世界にいる(詳細については、2003年5月12日付けレポート"Money to Burn"を参照)。

回復は、債券利回りが依然としてゼロを大きく上回り、「限度いっぱい」にまで財政収支赤字が拡大していない時に起こり得る。日本の現状はというと、手持ちの手段を使い切ってしまった感がある。債券利回りはゼロをかろうじて数ベーシス・ポイント上回るに過ぎない。財政収支赤字は膨大で、さらに拡大するようなら債券市場を脅かしかねない。これに対して、米国はまだ余裕がある。財政収支赤字は依然比較的低い水準にある。10年物米財務省証券の利回りは3%を超えている。米国については、経済対策主導の回復が期待できる。

宴の実証段階は少なくとも6ヵ月は続くだろう。この間、米国の消費関連指標は上昇を見せよう。また、日本を除く東アジア諸国においては、SARS危機が一段落した後内需の盛り返しが見込まれる。欧州と日本についても、金融コンディションの改善を受けて多少のポジティブ・モメンタムが見られるかもしれない。こうした点を踏まえると、債券相場は今秋、大幅に売り込まれる可能性がある。これに対して、ハンセン指数を含む株式市場は、今サイクルにおける最高値をつけるだろう。

2004年前半は、債券、株式ともに資産市場は横ばいの展開が予想される。需要関連指標は堅調な内容が見込まれる。特に米国経済は、巷において最も楽観的な予測を上回るパフォーマンスを達成する可能性がある。しかしながら、市場は、景気の足取りに比べて低調で標準を下回る企業収益の伸びに懸念を示すだろう。デフレ懸念が再び台頭する可能性がある。そうなると、債券相場は再び上昇を開始し、株式相場は反対に下落しよう。来年下半期は、債券・株式市場とも小幅な動きにとどまろう。

デフレ・トレードは2005年上半期にクライマックスを迎えよう。その時までに米国経済は大幅に減速していると筆者は予想する。FRBは、2004年下半期に実施した50bpの利上げを相殺しなければならなくなるかもしれない。FRBがそうした行動に出るなら、債券相場の上昇に勢いがつく一方、株式相場は引き続き下落しよう。

デフレ懸念により、欧米諸国は恐らく2005年下半期に財政主導の景気刺激策の追加導入に踏み切るかもしれない。その場合、主要三大中央銀行はいずれも、財政収支赤字の穴埋めのために政府債を購入するようになるだろう。大規模な経済対策により、2006年には再び景気は回復に向かおう。

景気刺激策とデフレ圧力の綱引きにより、世界経済はこの先、現在と似たサイクルを幾度か経験することになるかもしれない。景気を刺激するための手段がいつ使い果たされることになるのかは判らない。理論上、中央銀行は永遠に財政収支赤字の穴埋めを続けることができる。だが、言うまでもないが、こうしたやり方は、需要を維持するために富を食い潰してしまうことになる。労働・資本の過剰供給に直面した場合、これは最良の解決策とは言えないのかもしれない。しかしながら、恐らくそれしか解決手段はないだろう。

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