★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産27 > 974.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
昨今の為替相場の展開は米系多国籍企業にとって強力な追い風に
http://www.asyura.com/0306/hasan27/msg/974.html
投稿者 Ddog 日時 2003 年 7 月 05 日 01:28:05:gb2b4T9TetGkU


http://www.morganstanley.co.jp/securities/jef/wib/030630/doc02.html
グローバル:昨今の為替相場の展開は米系多国籍企業にとって強力な追い風に モルガンスタンレーレポート

Translation Effect Delivers Powerful Punch / Rebecca McCaughrin

このところの為替相場の展開は、米系多国籍企業の収益環境を著しく好転させた。
このところの為替市場の展開は、米系多国籍企業の収益環境を著しく好転させた。実際、直近の決算では、米系多国籍企業の業績が総じて改善している。だが、今後を展望した場合、厳しい対外環境を考えると海外利益のさらなる増加の可能性は限られるかもしれない。

長期に亘りドル高ならびに海外利益の減少に直面してきた米系多国籍企業は現在、ドル安の恩恵を享受している。ドル安により、ユーロ建てや円建ての海外利益はドルに換算した場合押し上げられる格好となっている。貿易動向とは異なり、為替相場の大幅な変動の影響は、多国籍企業のバランスシートに即座に反映される。為替換算効果を人為的に利益を押し上げるものとして軽視する向きも中にはいるが、その効果は現実的なものであり、最終的には海外売上高や輸出の増加、市場シェアの拡大につながる(弊社米国担当エコノミストRichard Bernerの2003年5月23日付けレポート"Profit Myth"を参照)。

確かに、為替リスクをヘッジする取引の影響や数多くの業界ではドル建ての取引に依存する傾向が強いことを考えると、海外事業に対するエクスポージャーの大きさは必ずしも海外売上高の増加には繋がらない。為替相場変動の正味のインパクトは、多国籍企業のコスト構造にも左右される。一般的に、多国籍企業は、製品を海外で生産・販売し、売上と費用をともに現地通貨で計上する。ドル安によるコスト増の程度によっては収益の伸びは相殺、される可能性がある。

しかしながら、最新の国際収支統計によると、ネット・ベースでは収益の伸びはコストの増加を上回っている。もっとも、米系多国籍企業の業績回復は順風とは言えない。海外利益は、2001年末に底入れした後、2002年第2〜3四半期に急回復を見せたが、2002年第4四半期には再び勢いが衰えた。需要の悪化/マインドの低下/地政学的な先行き不透明感の高まりを受け、昨年第4四半期の海外利益の伸びは前期比2%にとどまった。今年第1四半期を振り返ってみても、同様の懸念が重くのしかかったが、幸いなことにドル安が加速し、海外利益は前期比8%の増加を記録した

米系多国籍企業の業績を左右する欧州欧州事業は、米系多国籍企業の海外利益の50%を占めている。こうした点を踏まえると、米系多国籍企業の業績見通しは欧州事業にかかっていると言えよう。

在欧関連会社は7四半期連続で増益を記録しており、2003年第1四半期は2001年上半期以来の高水準を記録した。これは、ユーロ圏に起因する部分が大きい。

在ユーロ圏関連会社は第1四半期に前期比15%の増益を記録している。第1四半期にユーロは対ドルで7%上昇し、ユーロ圏の経済ファンダメンタルズの弱さを相殺する上で一役買う格好となった。圏内の内需低迷や独GDP成長率の大幅な低下にも拘わらず、ドイツ、フランス、アイルランドの関連会社は特に大幅な増益を記録している。これに対して、在英関連会社の利益は、第1四半期、前期比僅か2%の増加にとどまった。これは一部、ポンド/ドル相場の展開に起因する。今後を展望した場合、在欧関連会社の業績は、欧州経済の悪化により抑制されよう。

向こう数ヵ月、英国の経済成長は期待を裏切る可能性が否めず、ユーロ圏経済は第2四半期に停滞した模様。弊社欧州担当チームによると、循環的回復は来年にズレ込む可能性が高い。

アジアの牽引力
2002年、アジア地域は米系多国籍企業にとって重要な収益源となり、他地域における不振を相殺した。だが、アジアからの利益は昨年末から減少し始めた。関連会社の業績は今年第1四半期に幾分持ち直したが、ユーロ圏と比べると為替換算効果は大きくない。第2四半期の業績の発表は9月中旬まで待たなければならないが、重症急性呼吸器症候群(SARS)の蔓延が投資ならびに商業活動に与える影響を考慮すると、アジア事業からの利益は引き続き伸び悩むだろう。

SARSの全般的な影響は当初予想されたほどではなかったが、多国籍企業にとってアジアの中で最大の市場である日本の内需が低迷しているため、アジア事業からの利益が増加する可能性は低い。

中南米事業は全般的に低迷米系多国籍企業にとって中南米における事業環境は厳しい。昨年の経済危機ならびに政情不安の前から、中南米の関連会社の業績は不安定で、1998年の業績悪化から完全に回復したことは一度もない。もはや、昨年のような利益に対する圧力は見られなくなったものの、回復のモメンタムも殆ど見られない。中南米地域の関連会社の利益は横ばい状態。メキシコを除くと、中南米地域に対する直接投資は枯渇しており、この4四半期間、米国企業はレパトリエーションに走っている。外国企業の在伯関連会社は、他の輸出先に注目するなど機敏にブラジルの需要軟化に対処しているが、こうした対応もブラジルにおける長期的な減益傾向を反転させるには至っていない。

好ましい点を挙げれば、在墨関連会社の業績が堅調を維持していることである。米国企業の対墨進出の拡大とこれに呼応する形での在墨関連会社の売上拡大により、この数年間でメキシコは米国企業にとって最も採算性の高い新興市場の一つとなった。

結論
このところの為替相場の変動は、万能とは言えないまでも、米国企業にとって主要な海外市場である地域の内需低迷が業績に及ぼす影響を軽減する上で一役買っている。ドルの調整局面はまだ完了してはいない。だが、弊社為替担当チームの見通しを考慮すると、海外利益は現状のレベルを維持、欧州経済の循環的回復の遅れ/日本の内需低迷/長引くSARSの影響により海外利益のさらなる増加は限られる可能性がある。

 次へ  前へ

国家破産27掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。