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花粉に特許がついている?モンサントのGM作物汚染
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投稿者 傍白 日時 2003 年 8 月 18 日 22:16:45:OXsa4fK2SxX/c

花粉に特許がついている?
−遺伝子組換えと生物特許の問題点−

【地球上の種子が企業の所有になる前に阻止できるのは消費者です】
 身に覚えのない特許権侵害の疑いで、突然数百万円の罰金を払え、という手紙がきたら、あなたはどうするだろうか。
 これは、自分のナタネ畑に、植えたはずのないモンサント社の除草剤耐性キヤノーラ・ナタネが生えてきて、それが特許権を侵害していると同社に訴えられたカナダの農民、パーシー・シュマイザーさんの実話である。この事件は、遺伝子特許と農家の権利の是非を問う、新たな問題をさらけ出した。
 この度「遺伝子組換え作物作付け反対全国集会実行委員会」の招きで来日し、6月28日から7月8日まで全国講演会で訴えたシュマイザーさんの話をもとに、明らかになった遺伝子組換え(以下GM)の問題点を紹介する。

【ことの発端】
 シュマイザーさんは祖父の代からのカナダの農家である。今年72歳の彼が農業を始めたのは1947年、56年前であった。広大な土地でカナダの特産物であるキヤノーラ・ナタネ栽培を中心とした農業を営みながら、彼は自治体の議員や市長として、25年間地域の農業の発展のために働いてきたという。
 その彼に、ある日突然モンサント社から手紙が舞い込んだ。自分の畑にモンサント社の除草剤耐性キャノーラが生えていて、それが同社の特許権侵害だという。永年在来農法でキャノーラを栽培し、自分でも品種改良に取り組んできたシュマイザーさんは、それまでモンサント社から種を買ったことも、同社員に会ったこともなかった。そして、98年に特許権侵害の罪でモンサント社から連邦裁判所に訴えられると彼は、自分の在来種キヤノーラが組換え遺伝子で汚染されたのではないかと考え、被害者はむしろ自分の方だと主張した。

【裁判経過と意外な一審判決】
 提訴から2年関の準備手続きの間にモンサント社は、当初彼が除草剤耐性キャノーラの種子を、どこからか盗んできて植えたに違いないと訴えていた。ところがそれを立証することができなかったので、途中から種子の入手方法はどうでもよくなり、とにかく彼の畑に同社のGMキヤノーラが生えている事実が特許権の侵害にあたると主張しはじめた。
 判決はモンサント社の言い分を全面的に認め、種子の由来は問題でなく、そこにモンサント社の除草剤耐性キャノーラが生えている以上、それが混入した収穫物及びそれに由来する種子は全てモンサント社の所有物だ、というものだった。この判決はシュマイザーさんだけでなく、訴訟を見守っていた多くの農家に衝撃をあたえた。
 審理の過程では、モンサント社の種子がどのようにして彼の畑に紛れ込んだかという議論もあった。隣接する除草剤耐性キヤノーラを栽培している畑から、花粉が飛んできた可能性が最も高い。が、鳥や昆虫が運んできたかもしれないし、隣の畑から種子自体が強風で運ばれたかもしれない。しかしモンサント社と裁判官にとって、そんなことはどうでもよかったのである。
 いかにも乱暴なこの判決は、突き詰めれば「花粉にも特許がついている」といぅことであり、開発企業による特許権と農家の権利をめぐる戦いの始まりであった。それは一審判決後にモンサント社が、この裁判はGM種子の特許権がカナダの法律で認められている自家採種など、農家の固有の権利に優先するかどうかを見極めるテストケースだといっていることからも明らかだ。
 この判決以来、雑草化した除草剤耐性キヤノーラがいたるところに蔓延し、全ての収穫物がモンサント社のものになるので、彼は自分の畑で在来種のキャノーラを栽培することが出来なくなった。それは、彼が苦労して開発した耐病性キヤノーラ種子を失うことでもあった。
 当然控訴したが、1年後の第二審でも敗訴している。

【ヨーロッパでも遺伝子汚染】
 シュマイザーさんがモンサント社と戦っている最中の00年5月、ヨーロッパでも異変が起こっていた。以下は筆者の調査結果である。EU各国はGM作物の栽培を認めていないため、カナダから非組換えキャノーラ・ナタネの種子を大量に輸入した。しかし、いざ栽培を始めるとモンサント社の除草剤耐性キャノーラがいたるところで生えてきた。混入率は1〜2%だったが、スエーデンとフランスはそれらを政府の命令で廃棄処分にした。イギリスとドイツは農家に自主的廃棄を要請した。各国の汚染面積はフランス(1500ha)スエーデン(500ha)イギリス(4700ha)、ドイツ(300ha)である。
 これらの種子をEUに輸出したのはカナダの種苗会社、アドヴァンタ社だった。同社は確かに非組換え種子を栽培し輸出したと主張。しかしその後アドヴァンタ社は英国議会で、同社の非組換え種子圃場の数血先にGMキャノーラの畑があり、恐らくそこからの花粉による汚染だと調査結果を証言した。そして、次年度以降非組換え種子をカナダ国内で確保するのは困難と判断し、GM作物の栽培を禁止しているニュージーランドなど、国外で栽培確保すると発表した。
 また、同年ギリシャはアメリカから大量の綿の種子を輸入したが、やはりGM汚染が見つかり、折角栽培した綿の苗9000haを廃棄し、政府は農家に350万ドルの補償を行った。
 シュマイザーさんの戦いは個人の権利保障の域を越え、遺伝子汚染という新たな事態にわれわれがどう対処するのか、という普遍的な問題であることを明らかにした。同氏は連邦最高裁に上告し、04年1月に審理が開始される予定である。そもそも生物に1個の遺伝子を付与しただけで、その生物全体が新たな発明物として特許の対象になり得るのか、という本質的な問題が議論される見通しだとシュマイザーさんは講演で語った。
 この議論の延長線上には、例えば遺伝子治療した患者は、病院や治療用遺伝子を開発した企業の所有物といえるのかという問いがある。

【モンサント社はこうして特許権を守る】
 再びシュマイザーさんの話に戻る。モンサント社に限らず、全てのGM作物には特許がついていて、開発企業の利益が守られている。モンサント社の契約書に記載された特許に関する主張は、大筋次のとおりである。
 (1)農家は一度買ったGM作物から種子を採種して翌年播種してはならない。こぼれ種で生えてきた種子も採種してはならない。
 (2)モンサント社のGM種子を買ったら除草剤など農薬も全てモンサント社製のみを買うこと。
 (3)一度モンサント社のGM種子を買ったら、次年度以降同社から種子を買わなくても、向こう3年間農家には、同社による農地の査察と、同社員が許可なく農地に立ち入り、試料を採種する権利を認める。
 (4)農家が契約を破った場合、即ち採種や不法な栽培を行ったり、他企業の農薬を使った場合、農家はモンサント社の損害額の算定が不可能なことを認め、lエーカー(約40アール)当たり15ドルの罰金を払い、その畑の全ての除草剤耐性遺伝子を含む作物を、自費でモンサント社に送付、あるいは同社の指示で廃棄処分すること。
 (5)訴訟になった場合はモンサント社側の費用も全て農家が支払う。
 こうした契約を農家が遵守しているかどうかを確認するために、モンサント杜は農家が通称「モンサント・ポリス」とか「遺伝子警察」と呼ぶ大規模な探偵組織をもち、二人一組で全国を巡回している。彼らは契約農家だけでなく、モンサント社から種子を買っていない農家の畑にも勝手に入り込み、試料を採種し分析する。そして、同社のGM作物が少しでもあれば、特許権侵害の損害賠償を求める手紙、通称「モンサント社の脅迫状」を送りつけ、それに従わなければ裁判に訴える。シュマイザーさんもこうして訴えられたのである。
 しかし、裁判は多大な労力と出費を伴い、もし敗訴すれば全ての畑や財産も失う危険があるため、ほとんどの農家はこの脅迫状に従い多額の和解金を秘密裏に支払うという。これには、手紙が来たことばかりか、和解金を支払った事実も口外してはならない、モンサント社は「不法栽培」
 の事実を何時でも公表する権利を持つ、などと書かれている。
 モンサント社はそれだけではなく、もっと暴力的な手段でも農家を摘発している。同社が雇った軽飛行機やヘリコプターが畑の上空を飛びながら「除草剤爆弾」を落とす。しばらく後、またやって来て、爆弾投下地点の作物が全滅していればそのままだが、その中に枯れない除草剤耐性作物が生えていれば不法栽培として摘発するのである。これはまさに犯罪だが、農家が訴えようとすると「訴えるなら訴えて見なさい。裁判が終わる頃には、あなたの畑は全てあなたのものでなくなっているだろう」と凄まれ、多くは諦めるという。シュマイザーさんによれば、現在モンサント社は550件の農家相手の裁判を抱えている。
 
【GM特許は世界の作物支配を目指す】
 そもそも特許は、誰かが何か新しいことを発明し、それを販売するに当たって開発費と利益を回収するためにある。
 遺伝子特許をはじめて主張したのは、アメリカである。近年遺伝子の構造解析が飛躍的に進歩し、ヒトゲノムなど動植物の遺伝子の構造が次々に明らかになってきた。そうした事態に、アメリカの大学や企業は競って自分たちが明らかにした遺伝子に特許を申請した。
 さまざまな議論の末、既存の遺伝子の構造を解明しただけでは特許の対象にならないが、その遺伝子の機能が少しでも明らかになれば、構造解析が不完全でも特許を認める、というのがアメリカ特許庁の考えとなった。いち早く遺伝子特許を認めたアメリカに引きずられ、開発競争に遅れまいとする日本や世界の国々はアメリカの後追いを余儀なくされている。アメリカでは今、年間2万件を超える遺伝子特許が申請されている。
 モンサント社の除草剤耐性遺伝子や殺虫遺伝子も当然特許で、それを組み込んだ大豆やトウモロコシ、ナタネも特許、また、遺伝子を組み込む方法自体も特許である。従って、日本国内でモンサント社の除草剤に耐性のイネを開発しょうとすれば開発当初から同社の特許を利用せざるを得ず、開発に成功し商品化すればモンサント社に莫大な特許料を払わなければならない。
 GM作物の種子には特許料や開発費が上乗せされており、農家は在来種よりも高い種子を買うことになる。しかも自家採種は禁止されているので、種子は毎年買わなければならない。
 モンサント社はGM小麦の開発を既に終え、カナダとアメリカで安全審査の申請をしている。小麦もコメも年間6億トンずつ生産されている世界の主食である。このGM特許をとれば莫大な利益につながるばかりか、将来にわたって世界の主食を支配できる。GM作物は特許を通じて世界の食糧を支配するのが最終的な狙いである。
 
【国内栽培をしないために】
 シュマイザーさんの物語は、ひとたびGM作物を栽培すれば農家の運命がどうなるか、また近隣からの汚染も訴訟の対象になることを示した。農家にとってこれほど恐ろしいことがあるだろうか。農水省はすでに栽培認可しており、モンサント社は、日本国内で除草剤耐性大豆の栽培に躍起で農家を口説き、茨城県はじめ、数カ所で試験栽培されている。しかしほとんどの農家は、風評被害や消費者の反応を恐れて商業栽培はしていない。
 ひとたび栽培が始まれば、汚染が起こり地域一帯は被害を受ける。大豆やトウモロコシが大量にアメリカから輸入されている今、かろうじて非GMの目安となっている「国産」ブランドも、消費晋の信頼を失い、消費者運動にとっても大きな打撃になるだろう。
 それは国内で開発中のGMイネでも同じである。今、北海道や岩手でGMイネの開発が進んでおり農家や消費者の懸念が高まっている。昨年12月、愛知県は総合農業試験場でモンサント社と共同開発していた『祭り晴』の除草剤耐性種開発を途中で断念した。全国の消費者と農家による58万を超える反対署名の成果だった。どのような形であれGM作物の国内栽培をはじめるべきではない。
 人間の管理を離れた組換え遺伝子は、近縁種との交配を通じて、自然生態系にも取り返しのつかない影響をもたらすだろう。

河田昌東(まさはる) 遺伝子組換え情報室・名古屋大学理学部助手

★「婦人之友」2003/9より転記しました。
 ※OCRで読んだため誤字脱字等はご了承ください。

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