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「戦争板」に転載しようかと思いましたが、小泉の馬鹿っぷりがよく現れているのでここに転載しちゃいます。

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遠ざかる非核、不戦
H15/08/28

　今年も八月六日、広島で原爆死没者への追悼とともに核兵器廃絶を願って記念式典が行われた。広島の秋葉市長の演説は日本政府がとっている行動に対して向けられた言葉であった。原爆投下から五十八年がたった今、被爆者が訴え続けて来た核兵器や戦争のない世界は遠ざかり、核不拡散条約体制は崩壊の危機にひんしている。核兵器先制使用の可能性を明言し、小型核兵器の研究を再開するなど“核兵器は神”であることを奉じる米国の核政策が最大の原因だという秋葉市長の言葉に私はまったく賛成である。式典の最前列でこれを聞いていた小泉首相は何を思っていたのであろう。
日本は参戦体制に
　去る五月、有事関連三法案が衆議院を通過した。これで日本は正式にアメリカの属国としてイラクに軍隊を派遣する道筋が作られた。この法案は、表向きは日本への武力攻撃から国民を守るということになっているが、現実はアメリカが行う戦争に参戦し、海外での武力攻撃を可能にするものである。衆議院の答弁で福田官房長官は公海上にある日本の艦船も日本に含まれることを言明しており、インド洋に派遣されたイージス艦へ武力攻撃がなされれば有事法制が発動されるということになりうる。武力攻撃予測事態と認定した場合は対処措置が発動され、米軍への協力をはじめとして日本は参戦体制となるのである。

　国連査察の継続による平和的解決を望む世界の声を無視して「戦争が平和」だと、アメリカはイラクに先制攻撃を行い、小泉首相は真っ先にその支持表明をした。日本がアメリカの軍事的属国となって先制攻撃の戦争に武力攻撃事態法案を発動することは、日本が戦争に参戦することであり、平和憲法を持つ国が、アメリカとともに海外で武力行使を行う国へ変わることなのである。二世議員である小泉首相は故福田元首相の秘書をしていた。小泉首相は、日米同盟関係を強化するものとして有事立法が初めて検討された時、自分の父親も福田赳夫氏もそれを拒絶したことを思い出すべきだ。
すべてが米のため
　式典後の記者会見で、小泉首相は日本政府がアメリカの「平和のための戦争」支援を急いだことで米国追随ではないかと聞かれ、「見解の違いだ。アメリカとの協力は日本の平和を確保することに極めて大事だ」と答え、核廃絶への取り組みについて「二度と起きないよう努力を続けたい」と述べた。しかしどんな努力を続けているというのか。たとえば北朝鮮のようにアメリカの影響下にない小国が核兵器を持つことは許さず、もし持とうとすればそれは先制攻撃の対象となるということか。

　式典後の歴代の首相が出席していた被爆者団体の代表との「要望を聞く会」を小泉首相は昨年に続いて二年連続で欠席した。核兵器がどのような結果を人間にもたらすのか、それを聞くことを小泉首相は拒んだのである。今の小泉首相にとって大切なことは総理大臣の座にしがみついていることであり、たとえ日本や日本人にとって大切なものを犠牲にすることになってもそのためなら何でもするのだろう。

　小泉首相だけではなく政府は財界を支配する多国籍企業の利益のために国を運営し、これらの大企業は広告でメディアを、天下り先を提供することで官僚を、政治献金で政治家を支配している。大企業の最大の顧客であり市場であるアメリカのためなら自分たちの利益を損なわない限り、アメリカを喜ばせるためのどんな要求でも満たそうとしている。
首相の会見はうそ
　長崎では式典後の記者会見で伊藤市長がイラク攻撃を非難したことなどについて、小泉首相は「イラクが査察を受け入れれば戦争は起こらなかった、イラクに責任がある」と述べたがこれはうそである。元国連査察官のスコット・リッター氏は二月の来日時に「九一年−九八年の査察で大部分の大量破壊兵器は破壊され、また昨年秋再びイラクはすべての査察を無条件で受け入れた。アメリカは表面では査察を望むといっていたが、もともとイラクを武装解除したいのではなく占領したいと考えている」と語っている。攻撃前にアメリカが出した証拠は何一つ確定的ではなかったし、イギリスでは開戦事由について嘘の報告書を出したブレア首相の政治生命は危うくなっている。

　戦争はたいていその国が最近行った戦争で苦しんだ経験のない若い人々によって始められる。ブッシュもブレアも小泉も第二次大戦を経験してはいないし、ブッシュと彼の政権の戦争推進派の多くはベトナム戦争では徴兵を避けることができた裕福な家庭の出身である。被爆者たちの高齢化が進み、また映画やゲームではなく本当の戦争を体験した人は年々少なくなっていく。五十八年前の夏も広島は暑かったという。しかしどんなに暑くとも戦争体験のない政府指導者たちは冷房のきいた部屋で夏の暑さも、原爆の熱さも感じることなく戦争の計画をたてるのであろう。（アシスト代表取締役）

http://www.nnn.co.jp/essay/tisin/tisin0308.html#28

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