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理性的概念操作は科学的・数学的知性とは異なっている
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投稿者 パリサイサタン 日時 2003 年 7 月 07 日 19:12:24:MmV09x/YsTkSc

 あまり「思索」とか「意見」というものを一つの基準から評価しようとせずに、その人独
特の思考・認識法を自由に展開することを評価すればいいのではないでしょうか?いわば詩
を作ったり鑑賞するような態度で。
 哲学や宗教に関していえば、それは科学的な思考・認識とは明らかに異質なものであるこ
とは周知のことです。社会科学関係の諸学問だって私に言わせれば明らかに狭義の「科学」
には入りません。
 経済学は物理学のマネをしているようですが、私にはそうしたやり方だけを経済学の主役
にしてしまうことは方法論として間違っていると思うし、実用性の観点からしてもマイナス
だと思っています。もともと科学的な手法では扱いきれない人間社会の対象をそうした手法
だけで分析・総合しようとすれば、結果として極めて限定的で主観的な理論になっていくの
は当然のことです。そうした理論が「客観的な科学」として信じられ主張され宣伝されると
き、経済学も社会も危険な状態に陥っていくのです。
 また、人間の心理や世界そのものを科学的にのみ理解しようとすることも一つのやり方だ
と思いますが、他の色々な方法があってもいいと思いますし、そうした方法を非難・抑圧す
る風潮は有害無益だと思われます。
 科学的分析・数学的思考の他にも、理性的概念操作、直感、象徴的思考法、イデオロギー
的思考、シャーマニックな世界認識などがあると思います。それらを社会的風潮で「不完全
な思考」だと決め付けることはつまらないことです。私などは自分の直感を科学的な認識や
理論よりも信頼することがありますし、物事の認識・判断というものは自分なりのしかたで
なされていくことも価値あることに違いないはずです。
 人間社会や人間心理にかかわる問題においては、科学的分析や数学的思考よりも理性的概
念操作のほうが諸事象の理解や実用性において上であることが多いと思います。
 人間・社会・心理に関する事象は個別具体的・物質的なものばかりではないし、また個別
具体的・物質的次元だけをとり扱うだけではすまされないものが多いのです。
 また、そうした事象の個別具体的・物質的次元をとり扱うときにも、それらは「意味」と
か「価値」の世界において、非物質的物事との連関の中でも捉えられなくてはならないので
す。
 諸概念には意味があります。それらは物質的事象によって必ずしも直接に裏付けられてい
るわけではないのです。物事の意味を定義したり、それらの価値を判断したり、それらに関
係する諸概念間の連関を調べたりすることが概念操作なのです。
 しばしば物質的側面をもつ個別具体的事象を理解しようとするときに、諸概念を用いたり
諸概念に新たな定義を与えたりして理解していくわけです。
 それが恣意的もしくはイデオロギー的になされれば理解というよりも「偏った解釈」にな
っていきます。概念による思考にも合理的なものと不正確で恣意的なものとがあるのです。
 概念操作の合理性は諸概念の定義や諸概念間の結びつき(命題)の整合性とかにあるので
あって物質的な裏付けにはよらないのです。
 また、概念操作を用いた事象理解の客観性は、事象の実際のあり方の物質な側面と非物質
的な側面を、そうした整合性のもとできちんと(完全でなくても)反映しているかどうかに
あるのです。これには感覚器官による観測や物理的・統計的分析とかだけではなく、共感能
力ともいうべき情感的かつ論理的な推理能力も必要となってくるのです。
 しかし、完全な理解などというものが概念操作による対象認識においてはありえそうにな
いので、結局のところそれは解釈の一種ということになるのでしょう。このことは科学にも
ある程度あてはまるのではないでしょうか?
 そして、人間・社会・心理を理解し実用的な命題を立てるときには、「価値観」という概
念システムの構造化と事象解釈の基準となる理念が問題となってくることが多いわけです。
 理性的概念操作の分かりやすい例は、法律・法理論・判例における諸概念の定義・操作・
応用の具体的なあり方です。

『理性とはなにか』 書記長
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/967.html
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/966.html

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