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Re: 大阪での「見込み捜査」ミスに反応しないメディアや政治家たちの“鈍感ぶり” − 映像・証言・取り調べの“危うさ” −
http://www.asyura.com/0306/nihon5/msg/896.html
投稿者 竹中半兵衛 日時 2003 年 7 月 17 日 05:51:02:0iYhrg5rK5QpI

(回答先: 大阪での「見込み捜査」ミスに反応しないメディアや政治家たちの“鈍感ぶり” − 映像・証言・取り調べの“危うさ” − 投稿者 あっしら 日時 2003 年 7 月 16 日 22:04:28)

あっしら様、
お元気でなによりです。

「■ 警察の取調べ」について、

「この少年の容疑は府迷惑防止条例違反(痴漢行為)だから、そこそこ穏和な取調べが行なわれたと思われるが、長崎のような幼児殺害容疑者少年に対する取り調べは生易しいものではなかったはずだ。」

について私の体験を、ちょっと長くなりますが、記載させていただきます。
痴漢行為は各都道府県の迷惑条例に抵触するもので、これが警察(鉄道公安)がもっとも得意とする取り調べ対象ではないかと思います。

「取り調べ」の内実をお知らせします。

共稼ぎ時代の若いころ実は私の家内が通勤電車の中で痴漢にあったのです。家内の訴えでは「電車内で吊革につかまって立っていると特定の人物が今まではときどき、ここ数日は毎日隣に立ち手の甲を尻にあてて来る。それもいやらしいふるわせ方をして。気持ち悪くてしかたない」という状態でした。それでは、と私も同じ電車に乗り同じように家内の右隣に吊革につかまって立ちました。するとある駅から乗ってきた乗客が家内の左隣に立ちました。家内にそれとなく「この男か?」と確認の目をやると家内は目で「この男よ」と、顔を動かさず目尻の動きで合図。

犯行の瞬間を押さえねばならないので、そのまま私たちの乗った電車がどんどん進んでゆくのを待ちましたが、一定のところで「痴漢の手」が伸びてきたのでしょう、家内が右肘で、私の左脇腹をその男に気づかれないよう合図をしてきます。電車の振動で男は気づかないようでした。そこで私も混雑に紛れた振りをして自分の左手をその痴漢にわからぬようそれとなく手を伸ばして家内の尻の付近を探ってみたところ痴漢の手(右手です)がまさしく犯行の真っ最中。満員電車で込み合っているので、その男もまさか探りを入れられているとは気づいていないようです。相手の顔を、家内の顔ごしにのぞいてみますと、男は素知らぬ顔で窓越しの変化してゆく風景を眺めています。私はすかさず男の「右手首」を私の左手でギュッとつかみ犯行の現場を押さえました。相手の顔も横顔でよくわからなかったのですが、男の右手をぐいと引っ張って、私のほうへひっぱいだし「おい、おっさん、痴漢やるんじゃねえよ」と大声で怒鳴りつけました。

引っぱり出してみた相手の男は、中年、めがねをかけたくそまじめそうなサラリーマン風です。背広ではないけどブレザーとズボン。乗客が私の怒鳴り声に二人のやりとりを、満員電車の中で見ようというのか、声も出さずに後ずさりしてスペースをあけました。よくもここまで満員電車に空白ができるものと思いましたが、乗客は絶対に私たちの顔を直視しようとはしません。席に座っている乗客も終始目をつむったままでした。

その男は「私はなにもしてませんよ」、としらばっくれます。
私「嘘つけ、この人に(私は第三者としてその場で家内を呼びました)痴漢を働いたじゃないか。現行犯だぞ」と相手に行為を特定させようとします。
男「なにを言ってるんだ。証拠はないじゃないか」
私「この人が私に助けを求めたぞ」
男(家内を見ないで)「私はなにもしてませんよ。なにをいっているのか、話せばわかるんじゃないの」
私「それじゃ警察で話してくれ」
男「いいですよ」

そこで、次のターミナル駅で三人降りて駅の鉄道公安官に突き出しました。

それからが、「穏やか」と思われている痴漢行為の取り調べです。

容疑は「迷惑条例違反」。

驚いたのは、こちらが思っているような取り調べではありません。ものの20分で男は白状しました。
鉄道公安室では、私は目撃者であるが善意の第三者ではない。夫は証人にはなれないと述べられた上で参考までの調書をとられました。それでも詳細に現場を再現せねばなりません。家内は被害者で、被害者として状況を説明しましたが、これも調書に記載されます。私たちの調書はすべて公安官が書いてゆきました。

ところで、男の取り調べですが、公安官が取り調べている様子が、「壁」ではなく「ついたて」ごしに聞こえてきます。部屋はパーティションによって区割りされていました。

公安官が大声で何かを言っています。途中机をどんどんと拳でたたく音、手のひらでぴしゃりと何度も机をはたく音。私たちが調書をとっているあいだ、男を怒鳴りつけています。さすがに口汚く罵る声は記憶にありませんが、非難の連続でした。男が反論するたびに「言葉」の鉄拳が男に食らわせられるわけです。

20分ほどすると静かになりました。話し声すら聞こえません。私たちは二人分の調書ですから、いきさつを書き終えるまでに1時間以上かかったと思います。最後に「犯人への処罰を求めるか」と私たちに意志確認がありましたが、犯人の反省を求めるむね記述して指紋押捺です。

私たちが取り調べを終える前にその男を担当していた公安官から「犯人が白状した。犯行を認めている。二人の前にでてきてお詫びをしたいと言っているがどうするか」と聞いてきましたので、私たちは「犯行を認め反省しているようだから謝罪には及ばない(本当は顔も見たくなかったのですが)」と伝えたところ、私たちが調書をとられているあいだに公安官と「犯人」は部屋を出てゆきました。

調書を取り終えた私たちは、担当の公安官から、「犯人は銀行員でした。銀行員がやるというのはよくあることなんです。ストレスがたまるんでしょう。はじめはみんなシラをきる。恥ずかしいという意識があるからでしょう。事情聴取程度でも30分もすればたいがい罪を認めます。聴取が終わったら、今二人が出ていったでしょ。公安官が勤務先の直前まで同伴します。自殺防止のためですよ」。

鉄道公安に突き出されたらどんなにしらばっくれたってひとたまりもない。乗客が現行犯の証人であれば犯人は逃げようがないようです。
この種の事件では聴取が終わったあとには自殺がおうおうにしてあるそうです。
たまたま私たちが目撃した「事情聴取」でしたが、あとからなんか気の毒になってしまいました。

大阪の少年はコンビニ店員のいいかげんな証言とビデオを根拠に、相当にひどい聴取を受けたのによくがんばったと思います。

それこそあっしらさんのおっしゃるとおり、長崎の事件での取り調べは尋常ではなかったと思います。

ものみな疑惑には口をつぐんでしまっていますが、そのご発生している行方不明事件なども注意してみてゆくべきところです。


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