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治安状況は悪化の一途 イラク新法はイケイケ小泉政権の“地雷”だ! Web現代
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投稿者 小耳 日時 2003 年 6 月 18 日 21:33:32:

治安状況は悪化の一途 イラク新法はイケイケ小泉政権の“地雷”だ!

取材・文:草薙厚子 取材:島田健弘

国会の会期延長が決まった。イラク新法を成立させるためだ。支持基盤をアメリカ政府に移した小泉首相は「ブッシュ大統領に約束したから」と強行の構えだが、このイラク新法は小泉政権の 命取りになろうとしている。

■ 連日アメリカ兵が殺されている

「イラクでは、アメリカが勝利宣言をした5月1日から1ヵ月余りで約40名のアメリカ兵が死んでいます。戦時 下の死者は130人くらいですから、この状態が8月あたりまで続いたら、戦争後の死者のほうが多くなると思います。日本の“軍隊”が来ることはイラクの人々は嫌がっていませんが、アメリカの指揮下として来たらアメリカ兵と見なすと言っています」
6月初めにイラクを訪問した民主党調査団の首藤信彦代 議士は、日本の自衛隊がアメリカ軍と一緒に行動するのであれば大変危険だと言う。

一方、無秩序状態での生活を余儀なくされているイラクの一般市民の不満は爆発寸前である。米英軍の攻撃によって、インフラを破壊され、9割が失業状態に陥り、フセイン政権下よりも市民生活は悪化してしまったのだ。夜11時から朝4時30分まで夜間外出禁止令も出されており、自由に行動ができない。私が2月に取材で訪れた際、バグダッドで知り合った市民たちと連絡を取ろうとずっと試みているのだが、通信網は壊滅状態、復旧には程遠いとのことで、いまだにほとんどの人とは連絡が取れていない。唯一、連絡が取れたのが、外務省職員で元バ−ス党員だったアーミル氏だが、もう一人の女性通訳兼監視員だった女性のレイラさんは生きているかどうかも分からないのだ。

現地入りしているフォト・ジャーナリストの渡部陽一氏は、イラク社会は安全ではないと断言する。「アメリカ兵が殺されたという記事が、毎回イラクの新聞に出ています。アメリカ兵は2日に一人から二人というペースで殺されており、イラク人はその3倍の6人から7人です。イラク人の民兵やシーア派のシンパがアメリカ軍の戦車などを爆破したり、中には一般人の暴徒がアメリカ兵を殺したというニュースもあります。イラク人はイラク人に殺されることもあるし、米兵に殺されるということもあります」

AP通信は6月10日、今回のイラク戦争で少なくとも3240人(3月20日から4月20日)の民間人が死亡し、1991年の湾岸戦争時の2278人を上回ると独自調査の結果を発表している。停戦となった今でも、国連機関、暫定占領当局(CPA)とも、推計は出していない。 アメリカに至っては、調査する意向すらなく、米国防総省のスポークスマンが6月10日になんとも苦しい弁明をしている。
「我々は、イラク軍の戦闘力を破壊することだけに集中しており、一般民衆をターゲットにすることは一度もなかった。それゆえ、特に民間人の死亡統計をとる必要は見当たらない」

首藤氏は「まだ戦争は終わっておらず、イラクは非戦闘地域ではない」と警告する。
「人的被害に関しては3240人だと言われていますが、それは最低の見積もりで、その10倍くらいはいるんじゃないかという話です。今でもアメリカ軍は輸送の際にコンボイ(隊列)を組んで行くんですが、両側に機銃を向けて進むわけです。ですからちょっと怪しいと思ったら、ババババッと撃つ。引き金から手を離さないんです。何かあったら、そこにいる人が兵士だろうが、一般市民だろうが、なぎ倒して行くわけです。テレビゲームみたいに次から次へと撃っている。明らかにスカートとか子供の足が飛んでいるわけですよ。機銃を撃ちまくる
というのは徐々に収まってきたようですが、街中での銃声は昼夜を問わずしょっちゅうです」
イスラム教シーア派の聖地のナジャフで首藤氏と面会したシーア派指導者アヤトラ・ハキム師は、「アメリカ兵は治安維持には役に立っていない。アメリカ軍は自衛のために人を殺し、自分だけ正義があると思っている。アメリカ軍は自分達を守るので精一杯だ」とアメリカを非難した。

■ 自衛隊は米軍の足手まとい

この危険極まりないイラクに「アメリカ軍に守られながら」自衛隊を派遣しようとする、イラク復興支援特別措置法案の成立を図るため、小泉純一郎首相は6月18日に会期末を迎えた今国会の会期を7月28日まで40日間延長することに決めた。
ニューヨーク在住の国際ジャーナリスト・角間隆氏はアメリカ軍にとって自衛隊派遣は足手まといになるだろうと予想する。
「アメリカの軍人は自衛隊に期待していません。自衛隊派遣となったら、米軍は自衛隊を守ってあげなければならなくなります。ピストルやライフル銃程度の武装しかない自衛隊では、重火器が中心の紛争地では役に立ちません。しかも撃たれる前には撃たないから、確実に死にますよ。だからアメリカの軍人は足手まとい、迷惑と考えています。イラク戦争の時も、アラビア海で後方支援をしていましたが、それも必要ないと思っていたようです。アメリカの軍人は自衛隊は不必要だと考えていますが、ブッシュは日本のおカネをあてにしていますから、小泉を丸め込んだんです。また、ブッシュはいま、国際的に孤立しています。それを見せたくないから、これだけ味方がいますとアピールしたいんです」

小泉首相は、民主党の協力が得られることを前提に同法案の修正を検討する方針を固めている。しかし、有事関連3法案の修正、成立に協力した民主党も「政府案(原案)にはかなり問題がある」(岡田克也幹事長)としており、同法案の処理に手間取る可能性も高い。
首藤氏も簡単にはこの法案を通さないと息巻く。
「大量破壊兵器が一番のテーマなんです。それがまだ見つかっていない。だからこの占領というものは結果的にアメリカがイラクを攻撃して占領し、支配しているから、認めざるを得ないですが、その支配が正当なものであるかどうか。先日、アーミテージ(米国務副長官)が『日本も観客ではなく、グラウンド(イラク)に出て試合に参加できる』と言っていましたが、試合が正式なものでなくてイカサマだったら、一緒にプレーしてもそんなのは名誉でもなんでもないわけです。この試合そのものがイカサマであって、合法的なものではないという主張が今、民主党から出ています」

さらに戦闘地帯に「戦争を知らない」自衛隊を派遣するということは、「戦死」を含む危険を意味する。戦闘服姿は即ターゲットなのである。当事者である自衛隊員はどう思っているのだろうか? 
「隊内ではまず、政治的な話はしません。政府のやっていることは話題にもならないというのが本当のところです。イラク新法はみんな知っているでしょうが、そのことについて話そうとは思いませんね。戦争をどう思うかと聞かれれば、イヤだと答えるのは当然です。しかし、命令を下されたらイヤがりはしません。我々は“軍人”だから、命令に従うのは当たり前だと考えています。愛国心ではなく、警察が泥棒を追いかけたり、消防士が火事を消しに行くのと同じように、危険でも仕事だからです。今回のイラク新法は復興支援の援助で自衛隊を派遣するというものですから。ただ、もし派遣先が本当の紛争地帯なら自衛隊の根本の部分から考え直さないといけなくなると思いますが……」
ある一等空曹からは微妙な反応が返ってきた。

■ イラク新法のインチキぶり

角間氏は「自衛隊派遣」は“爆発する地雷”だと断言する。
「小泉はいくつもの地雷を踏んできたんです。ただこれまではそっと踏んでいたから、爆発しなかっただけ。しかし、今回の派遣で自衛隊員が死んだりしたら、今回こそ爆発するかもしれません」

さらに、首藤氏は「この法律はインチキだ」と指摘する。
「国連憲章がないと日本の自衛隊は送れなかったので、『国連憲章が出た』と政府側が喜んで、自衛隊を送ろうという話になったんです。ところが、国連憲章1483というのは、フセイン政権が崩壊したので経済制裁を止めますということ。もうひとつは、復興時にはイラクの石油を売って共通開発基金で使っていくという二つのことしか述べられていない。どこにも、安保理決議で必要なすべての手段をとるようにとか、PKOを派遣するようにということは書かれていないのです。さらに日本の場合は現地政府から要請がないと派遣できないわけです。イラク政府は存在しませんから、占領国の政府の求めに応じて送っていいのかという問題もあります。また、この法律にはさらにインチキなところがあって、危険なところには送らないと書いてあります。ところがイラク全土のどこで紛争が起きてもおかしくない情勢です」矛盾はこのイラク新法を読んでみるとだれでもわかる。「戦闘行為が行われていない地域で実施」となっているにもかかわらず、「第十七条 武器の使用」には、安全でなくなったらどこまで銃を使っていいかについて書かれている。

共同通信社が発表した「イラクへの自衛隊派遣について」の調査では、半数の49.7%が「賛成」と回答しており、「反対」(39.9%)を10%弱上回っている。また、小泉内閣の支持率も50.7%と依然高水準を維持している。
自民党関係者によれば、小泉首相は再選に自信満々で、イラク新法に関しても「ブッシュ大統領と約束したから、必ず通さなければならない。もし法案が成立しなかったら、すぐに選挙をして民意を問えばいいじゃないか」と、解散をちらつかせて多くの反対派議員を説得ならぬ恫喝しているという。

「自民党内でも小泉への反発は強まりつつあります。戦後、政治基盤のない政治家が頼ってきたのはアメリカですから、小泉はアメリカに頼るしか生き延びられません。そのためにはなにを密約しているのかわかったものではありません。記者会見では発表できないようなことも約束しているかもしれない。もう小泉は日本国民を裏切ってでも、ブッシュの言うことを聞かないと身がもたないのです。ただ、抵抗するのなら自民党を捨てると言えば、自民党は次の選挙で大幅に議席を落とすでしょう。小泉はアメリカの後光効果を利用しながら、世渡りしているんです。非常に世渡り上手なんです」(前出・角間氏)

抵抗勢力のトーンダウンを尻目に強気の姿勢を見せ続ける小泉首相が、経済政策の失敗から国民の目をそらすために立ち上げたとしか思えないイラク新法。そこまで強気ならば実際にバグダッドに行って自分の目で確かめて来ればいい。イラク国内には至るところに危険が潜んでいる。
個人情報保護法、有事法制と国民の人権を圧殺する法案をイケイケで通してきた小泉首相だが、今度は人命までも軽視しようというのだろうか。与野党の反発、現地の危険――このイラク新法は逆に小泉政権の命取りになる。

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