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CFR Interview:このままではアフガニスタンは無秩序に陥る−正念場を迎えたアフガン再建努力 [フォーリン・アフェアーズ]
http://www.asyura.com/0306/war36/msg/825.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 7 月 11 日 21:27:29:


Pivotal Moment in Afghanistan

フランク・ウィズナー
AIGグループ
渉外担当副理事長


  フランク・ウィズナー米外交問題評議会・アジア財団 インド・南アジア問題共同タスクフォース共同議長は、アメリカはいまや、ハミッド・カルザイ政権を支えるこれまでの試みをめぐる最大の正念場を迎えていると指摘する。アフガニスタンでの国家再建の試みが失敗すれば、「困難な時代における平和維持の請負人としてのアメリカのクレディビリティが損なわれ、対テロ戦争の連帯を築くわれわれの能力も損なわれる。安定化のための勢力としての行動能力も、状況への懸念を共有する諸国の連帯をとりまとめる能力も、損なわれてしまう」と。

南アジアの専門家で、AIGグループの渉外担当副理事長であるウィズナーは、「アメリカは遅まきながら、アフガニスタンに本腰を入れてコミットしようとしている」と語った。

聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター) 二〇〇三年六月二十三日。


  その他のインタビューはこちらからご覧になれます。:http://www.foreignaffairsj.co.jp/source/CFR-Interview/Interview-Index.htm


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タスクフォースが発表したアフガニスタン・リポートは、アメリカは、ハミッド・カルザイの暫定政府への支援を強化すべきだし、カルザイ政権の基盤を強化するのに必要な軍事、外交、経済的措置を強化すべきだと提言している。こうした提言は実施されるだろうか。

 それらはアメリカが行い得ること、そして、必ず実現すべきことだ。アフガニスタンの状況がさらに悪化し、カルザイ政権が倒れ、制憲プロセスが進展せず、二〇〇四年に選挙が行われないとすれば、アメリカにとって名折れとなる。もしアフガニスタンが再び無秩序に陥り、麻薬の生産が横行するようになれば、われわれは大きな代価を強いられることになる。

そうした代価とは具体的にどのようなものか。

 困難な時代における平和維持の請負人としてのアメリカのクレディビリティが損なわれ、対テロ戦争の連帯を築くわれわれの能力も損なわれる。安定化のための勢力としての行動能力も、状況への懸念を共有する諸国の連帯を取りまとめる能力も、損なわれてしまう。二〇〇三年八月から指揮統制を担う予定の北大西洋条約機構(NATO)が任務に失敗するとすれば、NATOへの信頼も地に落ちる。

 アメリカがアフガニスタンで失敗すれば、その挫折の亡霊に取り憑かれて、イラクでの再建と撤退もままならなくなる。アフガニスタンが無秩序に陥っていけば、(アフガニスタンに限らず)問題を抱えている地域での安定化をどう図るかという、大きな設問への答えがうまく出せなくなってしまう。アフガニスタンでの試みに失敗すれば、各問題地域での抗争が激化し、これは直接・間接にアメリカに影響を与えずにはおかない。

あなたはアメリカに失敗は許されないと言うが、成功を収めることはできるのか。

 アメリカが投入する人的・財的資源を少し増やせばよい。アフガニスタンに駐留する外国部隊である国際治安支援部隊(ISAF)の規模は非常に小さい。したがって、ISAFの規模をある程度増加させ、訓練を受けたアフガニスタン兵の数を増やし、アフガニスタン経済に血を通わせるために年間十億ドル強の援助を行うべきだ。こうした資源を投入するのはそう難しくない。つまり、資源上の制約という問題ではなく、むしろ、優先順位の問題、アフガニスタン問題をどうとらえるか、姿勢の問題だと思う。

アメリカはなぜより多くの部隊を投入しようとしないのか。

 アフガニスタンへの関与をためらっている明確な理由がある。ブッシュ政権が、平和維持活動に乗り出すことに非常に消極的で、アメリカの軍事力を戦争遂行のために温存したいと考えていることだ。むしろ、平和維持については、国際社会により多くを委ねたいと考えている。私は、これは間違った戦略だと思う。幸い、ブッシュ政権も認識を改めつつあるようだ。

アフガニスタンについても認識を改めつつあるのか。

 現在、再検討がなされつつあるし、アフガニスタン問題の見直しは今後もさらに進むと思う。逆説的に言えば、平和維持への関与に否定的ながらも、アメリカはアフガニスタンに九千名規模の兵力を残留させている。われわれは、アフガニスタンをめぐってより大規模な国際的連帯を取りまとめるべきだし、活動のあり方についてもより積極的なルールを導入し、カブール以外での活動も手がけるようにすべきだ。この夏からNATOが指揮統制権を持てば、これも実現するだろう。われわれは歩を進めていくにつれて、平和維持のこれまでの定義にとらわれることなく、現地の安定のために何が必要かを着実に学びつつあると思う。

 先ほどの質問、なぜより多くの部隊を投入しようとしないかについて、もう一点指摘したい。関与をためらっているのは、数多くの危機を前に、ブッシュ政権が、決定を下すことに少し疲れてきているからだ。いかなる政権であっても、複数の危機に同時に対処していくのは大変なことだ。アフガニスタン、中東和平、北朝鮮、その上にイラクと、アメリカのように複雑な行政構造を持つ政府にとって、現実的な選択肢が何であるか焦点を絞り込むのは並大抵のことではない。米政府の高官たちとの話から判断しても、ワシントンはアフガニスタンでわれわれの重大な利益が危機にさらされていること、より多くの資源を投入する必要があることを理解しているようだ。われわれは、遅まきながら、アフガニスタンに本腰を入れてコミットしようとしていると私は考える。そうなるように私は切に願っている。

あなたの言うコミットメントとは、部隊の展開と援助の投入ということですね。

 そうだ。同様に、部隊の任務についても新しいコミットメントが必要だ。

米議会はアフガニスタンの現実を理解しているのか。

 過大な一般化はできないが、議会の有力者と会った感触では、例えば、上院外交委員会とその指導者たちは、アフガニスタンが一歩間違えれば、非常に危険なところまで追い込まれていることに神経をとがらせ、われわれが状況を正す任務を負っていることを理解している。

イラク、アフガニスタンに兵力を取られて、アメリカの戦力が手薄にならないか。現在米陸軍には十個師団しかない。小さすぎないか。

 アフガニスタンで必要な兵力はごく少数だ。なんとかやりくりして、九千名ほどの米兵をアフガニスタンに投入する必要があるが、これはたいした数字ではない。

全般的に、あなたは今後のアフガニスタンへの関与については楽観的のようだ。

 リポートでも指摘したが、われわれは正念場を迎えている。アフガニスタン再建の試みに適切な関心を持ち、資源を投入しなければならない。そうしなければ大きな後退を余儀なくされる。私自身、リポートの結論を支持している。アフガニスタンの状況は一部では進展をみせているが、非常に厄介な兆候が現れている。選挙の実施に向けた政治プロセスは停滞し、非常に重要な救済任務を行っている非政府組織(NGO)のメンバーの一部が命を落とすような事態も起きている。

 戦略的にみても、いまや大きな正念場を迎えている。信頼に足る政治基盤をカルザイ政権が築き、軍閥勢力の力を弱める必要がある。武装解除も必要だし、法による支配が通用する地域を拡大していくべきだし、アフガン国軍の整備も急がなければならない。国際社会、とくにアフガニスタン周辺の地域国家は連帯して、カルザイ政権が成功できるように支援しなければならない。援助も必要だ。今後五年間にわたって、総額百五十億ドルの支援を行うべきだ。

リポートでは、援助資金をどのように拠出することを提案しているのか。

 アメリカが、今後五年間にわたって毎年十億ドルを援助し、国際コミュニティーが毎年二十億ドルの援助を取りまとめるように提言している。

リポートでは、今後何年間米軍駐留の必要があると想定しているのか。

 私見だが、今後五年間の活動が鍵になると思う。五年を経過した段階でどうなっているだろうか。戦力の規模は削減される一方で、援助のレベルは維持されているかもしれない。しかし、アメリカのアフガニスタン関与は長期的なものになるだろう。一九九〇年代にアフガニスタンからわれわれが手を引いたことの帰結が、何だったかを忘れてはならない。アフガニスタンが9.11にいかに大きな役割を果たしたか、いかに麻薬取引の問題を作りだしたか、(タリバーンという)体制の過激化がいかに大きな問題を作りだしたかを忘れてはならない。


Copyright 2003 by the Council on Foreign Relations, Inc. & Foreign Affairs, Japan


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    フォーリン・アフェアーズ「日本語版」○月号
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