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全長72メートル,射程4万キロの超重ICBMが今年中に打ち上げられる
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投稿者 YM 日時 2003 年 7 月 18 日 00:12:14:gOTvopzJQci7w

(回答先: 北朝鮮とアメリカの間で「相互確証破壊」が成立している(`_´) 投稿者 YM 日時 2003 年 7 月 18 日 00:10:22)

テポドンは超大型ICBMの実験体にすぎない
また、1998年8月一日に発射されたいわゆるテポドンミサイルについても、日本やアメリカの多くの人びとが誤解をしている。多くの人はあれが太平洋に落下したと思っているようだが、弾頭部分はアラスカまで届いていたのだ。また、すでに実用段階に達した独立したミサイルだと思っている人も多いが、とんでもない間違いだ。あれは来るべき超大型ICBM(大陸間弾道ミサイル)の推進機関開発のためのちょっとした実験ミサイルにすぎない。エンジンがちゃんと動くかどうか試験しただけなのだ。
また、念のために言っておくが、現在スカッドミサイルは北朝鮮では使われていない。少なくとも私は見たことがない。あのような旧式で性能の低いミサイルが使われていることを前提にして対北朝鮮政策を立てていると、恐ろしい落とし穴にはまることになるであろう。
形状についても誤解がある。私は日本で出版されている書籍類に載っているノドンミサイルの想像図をいろいろ見せられたが、ほとんどが間違っている。実際のノドンは、日本人が「テポドンミサイル」だと考えているものによく似ている。ただし、大きさは17〜18メートルくらいだ。
テポドンミサイルのほうは、むしろノドンとされているものに似ている。先端に高度な制御装置を積んでいるので、先端部分がずんぐりとふくらんだ、頭でっかちの姿をしている。ノドンもテポドンも、この中に入っている装置で迎撃を避けるのだ。特徴的なのはその大きさで、全長50メートル以上もある。
テポドンは、ロシアの大型ICBMであるSS18ミサイルの北朝鮮版をつくるための実験体だ。形もSS18にやや似ている。
SS18は冷戦時代、ソ連の脅威の象徴として恐れられた超強力ICBMだ。命中卒ではアメリカのICBMにやや劣るが、その分強大な破壊力を持っている。長距離の飛来能力があり、広い範囲を破壊することができる。ただし大きさはテポドンよりもかなり小さい。テポドンから得られたデータをもとにして、北朝鮮が作る予定の新型ミサイルは全長72メートルで、SS18をはるかに上回る起重ICBMである。射程距離は4万キロにも及ぶ。これは金正日の「地球を一周できるミサイルを作れ」という命令に応ずるものである。
ミサイルの装薬部分(弾頭)には9発の小型ミサイルが収められている。
推進部は、いくつものミサイルのブースターを束ねて、その上に9層もの燃料タンクを積み重ねた構造で、従来のミサイルとは桁違いの長距離かつ高速飛行を実現している。これは国防科学研究所所長の李升基博士によって開発されたものだ。前述の通り、博士は成鏡北道のリボで、3つの対艦ミサイルを同時に発射するという実験を行ない、ここからいくつかのミサイルを弾頭もエンジンも束ねて一つのミサイルにする、という着想を得たのである。
金正日の指令により、このミサイルは2003年中には完成し、世界に公開される予定だ。
金正日はこのミサイルを公表した上で、「もうミサイルは作りません」と宣言し、平和の使徒のような顔をしながら、世界中が北朝鮮に文句を言えないようにしてしまうつもりなのだ。地球を一周して世界中どこにでも届くミサイルを作れと命じたのはそのためなのである。
長距離弾道ミサイルを誘導するパラボラアンテナは東平壌の大同江区域にある。長径80メートル、短径30メートルの楕円形だ。国際通信センターの中にあり、ふだんは民生用に使っている。しかし金正日が弾道ミサイル誘導に使わせてあげなさいと命令すると、軍に提供される。民間用と言っているが、実際はほとんど軍用なのである。アンテナ本体は日本とドイツの部品でつくられている。
北朝鮮の弾道ミサイルは一般に言われているほどではないにしても、ロシアやアメリカにくらべるとやはり命中率が悪い。しかし、そのことはあまり問題にしていない。それよりも航続距離を重視しているからである。世界中どこにでも届き、それによって自分たちのやることに文句を言わせないことが重要なのだ。
アメリカはこのミサイルの存在をちゃんと知っている。だからこそ、北朝鮮との交渉で弱腰になり、妥協しようとしているのだ。昨年、アメリカのケリー国務次官補が訪朝した際、北朝鮮側は「我々には核より強力なものがある」と言っていたが、その一つはこのミサイルのことだろうと私は考えている。重い弾頭を運べる重ICBMは核を装備していなくても、充分に脅威になる。このため、アメリカと北朝鮮の間には、冷戦が最も激しかった時代にアメリカと旧ソ連の間にあったような抑止力が働いている。「相互確証破壊」、つまり一方が攻撃したら他方からの報復によって双方必ず壊滅してしまうので、どちらから手が出せないという関係になっているのである。

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