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「増元さんといた」　蓮池祐木子さんが会見で明かす

　北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さん（４５）、祐木子さん（４７）夫妻＝新潟県柏崎市＝は３０日、拉致されて丸２５年となる３１日を前に記者会見した。薫さんは襲った男が計４人だったと明らかにするなど、拉致された時の様子について語った。拉致の状況について、夫妻自身が具体的に語ったのは初めて。

　祐木子さんは「口と目に粘着テープをされて、その間にちょっとすき間があって、ゴムボートに乗せられ柏崎が遠くなっていくのが見えた」と話した。北朝鮮では「（死亡とされた拉致被害者の）増元るみ子さんと一時一緒にいたことがあった」とも語った。

　祐木子さんは、増元さんと一緒だったことについて、「それ以上のことは言えませんが、一緒にいたことは、るみ子さんのご家族にはお話ししました」と語った。

　薫さんは柏崎市の中央海岸で拉致された時、夕暮れの中で「たばこの火を貸してくれ」と近づいてきた男とは別に、「３人くらいの男」に襲われたと、詳細を話した。「目を殴られて視界がきかなくなり、意識もうろうとなった」と話した。

　また帰国後も拉致現場の中央海岸に立ち寄ったことはないとし、薫さんは「拉致事件は現在進行形で、続いている。我々は帰国できたが、子供たちは残っている。現在も事件から抜け出せない。現場に立つのは気が重いだけで、行きたくない」と苦しい胸の内を語った。

　蓮池さん夫妻は７８年７月３１日夕、柏崎市の中央海岸で北朝鮮の工作員に襲われて拉致された。当時、薫さんは中央大３年で２０歳、祐木子さんは化粧品会社の美容部員で２２歳だった。

　増元さん（不明当時２４）はその直後の７８年８月１２日、鹿児島県の吹上浜で市川修一さん（同２３）とともに拉致された。増元さんについて、北朝鮮は「８１年に心臓病で死亡」と伝えている。

　　　　　　◇　　　　　　◇

　増元るみ子さんの弟の増元照明さん（４７）＝東京都在住＝は「新潟のホテルで昨年１２月、蓮池祐木子さんから、７８〜７９年に北朝鮮の招待所で姉と一緒だったと聞いた。招待所の裏山でよく泣いていたと聞き、とても悲しくなった。姉が今も生きている可能性が高まったと思うし、拉致問題が一刻も早く解決することを願う」と話した。 (07/30 21:48)

http://www.asahi.com/national/update/0730/033.html

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