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「ホンデリック騒動」:パレスチナ反シオニズム・レジスタンスへの「知識人」たちの反応
http://www.asyura.com/0306/war38/msg/206.html
投稿者 【哲学クロニクルからの転載】 日時 2003 年 8 月 08 日 02:33:17:dPSNJcno5WDVU


パレスチナ「ゲットー」では、シオニスト・カルト国家の軍隊による虐殺が日常的に
行なわれているが、これに対して欧米の「知識人」の大部分は偽善的な言辞を
吐き散らし、不法占領国家による暴虐を容認している。
これに異議を唱える人物は、組織的に圧力をかけて“社会的抹殺”を行なおうと
してきた。それが、この半世紀間つづいてきたヨーロッパの思潮にほかならない。
テッド・ホンデリック氏に対する言論圧殺の動きも、そうした事例の象徴といえる。

以下に、『哲学クロニクル』最新号を全文転載させていただいた。

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哲学クロニクル 第400号
(2003年8月7日)
ホンデリック騒動
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今回でクロニクルも400号になりました。
多くの方々から励ましの言葉をいただいて、なんとか続けています。
今後ともよろしくお願いします。
なおクロニクル(http://nakayama.org/polylogos/chronique/index.html)
のサイトでも、今回のホンデリック問題をフォローし、リンクなども掲載しています。


===========
ホンデリック騒動


イギリスの哲学者にテッド・ホンデリックという人がいる。邦訳には『あなたは
自由ですか? : 決定論の哲学』(松田克進訳、法政大学出版局、一九九六年)が
ある。この哲学者が二〇〇二年の秋に、九一一テロ問題に関する書物『テロの後
で』(http://www.ucl.ac.uk/~uctytho/)を刊行した。この書物は著者が「道徳哲
学の応用編」と語るように、豊かな世界と貧しい世界を対立させながら、道徳哲
学の視点から、テロとその後の世界について考察した辛口の書で、そのアメリカ
批判の論調は左派から高い評価をうけた。チョムスキーも推薦文で「異例なほど
啓発的な本」と激賞しているくらいだ(http://www.semcoop.com/detail/0748616675)
ちなみに今年の年末には『人道のテロ』(http://www.ucl.ac.uk/~uctytho/terrforhum.html)
という書物が刊行される予定である。

ただこの書物はパレスチナ問題を考察するところで、イスラエルには非常に厳し
い論調となっていた。著者はこの書物から得られる印税の一部を、それまで
長い間寄付をしてきたオクスファムに寄付しようとした。オクスファム(http://www.oxfam.org.uk/)
は「世界の貧困と苦痛をなくすための永続的な解決策」を探す開発・慈善団体である。
ところがオクスファムはこの書物ではパレスチナの人々がイスラエルにテロを
行使するための「道義的な権利」があると書かれていたことから、この寄付を断ったのである。
どうやらシオニストからの圧力がかかったらしい。

ホンデリックは結局この5000ポンド、100万円ほどの寄付を、「パレスチナ人の
医療援助」(MAP)という団体に渡すことにしたようだ。MAPの代表は、「オクスファ
ムには5000ポンドははした金でしょうけど、わたしたちには大金です」と語って
いる。これが昨年一〇月のことだった。そして先日、この書物がズーアカンプの
創立40周年記念シリーズの一冊として、ドイツで刊行された。ハーバーマスの推
薦によるものだった。

この書物が刊行されると同時に、ホロコースト史文書化センターのミヒャ・ブル
ムリックが公開書簡を新聞に発表した(http://www.fr-aktuell.de/ressort
s/kultur_und_medien/feuilleton/?cnt=264193)。ブルムリックはこの著書の二
三六ページで、「パレスチナ人がイスラエルへのテロで、道義的な権利を行使し
た」ことに疑問の余地はないと書かれていることを指摘しながら、次のようにズー
アカンプを非難した。

「ズーアカンプ社はマルチン・ヴァルザーの『批評家の死』という人種差別的な
小説を発表したが、今度は創立記念(!)の一冊として、人種差別的な反シオニ
ズムを広める政治的・哲学的な論文を発表したのである。この書物では、イスラ
エルのユダヤ人市民の殺害を弁護する。そして著者のホンデリックの厳密な道徳
哲学によると、この行為を模倣することが勧められているのである」。そしてブ
ルムリックは「ホンデリックの本をただちに市場から回収するよう」、ズーアカ
ンプに要請したのである。

ヴァルザーの書物をめぐる騒動は、すでにクロニクルでお伝えした。その際には、
ハーバーマスも一緒になって、ズーアカンプに圧力をかけたのだった。しかし今
回はハーバーマスはこの本をズーアカンプに推薦していたのだった。やむなくハー
バーマスは弁明文を発表することになる(http://www.fr-aktuell.de/ressorts/kultur_und_medien/
feuilleton/?cnt=264918)。

「わたしがホンデリックのゲラを昨年末に入手した際には、一年に及ぶアメリカ
滞在から帰国したばかりで、すっきり意気消沈していた。このリベラルな国の政
府がメディアにおいてもイラクとの戦争を準備しており、この国の世論の雰囲気
に、息苦しくなっていた。アメリカ国民は、九月一一日のテロの残酷なショック
によって深いところで不安を感じており、政府は国民の不安感に訴えかけていた。
そして野党の声はほとんど完全に沈黙していた。この高名なイギリスの哲学者の
ゲラでは、いくらか異なる見方が提示されていたので、わたしはほっと一息つい
たのだった」。

「あいにくなことに、著者は道徳哲学の枠組みで(これにはわたしは賛同しない)、
一つの結論に到達したのだった(これは間違った結論だと思う)。ホンデリック
は、パレスチナ人のテロの政治的な評価と、その道徳的な権限を区別しなかった
のである」。ハーバーマスはこの「ざっくばらんなパンフレット」では、厳密な
歴史的な考察を期待できないと指摘しながら、人種差別というのは根拠がないと
主張することになる。ハーバーマスも冷や汗(笑)。

この書物の第一章(http://www.ucl.ac.uk/~uctytho/ATT1.html)の道徳哲学的な
考察を読む限りでは、まともな本にみえるが、アメリカを批判するあまり、反シ
オニズム的な傾向があらわになっているのはたしかだろう。現在の和平交渉がど
う進展するのかは、まだまったく分からないが、「アパルトヘイトの壁」といわ
れる壁でパレスチナ人を閉じ込めようとしているいまのイスラエルをみる限り、
シオニズム批判が噴出してくるのは、避けられないといえるだろう。それでもシ
オニズム批判がそのままで人種差別になるわけではない。ハーバーマスはこの書
物を推薦する際に、ドイツの過敏なメンタリティと感情を配慮しなかったとした
ら「申し訳ない」と謝罪しているが、今回の非難はどうも過剰反応にみえる。

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ポリロゴス事務局
chronicle@nakayama.org
(c)中山 元
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哲学クロニクル
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