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2003/09/26 海外市場動向:「ドルのソフトランディング・シナリオに“ほころび”」 ☆☆ [住友ゴールド]
http://www.asyura.com/0310/hasan29/msg/196.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 9 月 26 日 18:36:02:Mo7ApAlflbQ6s


115円の“防衛ライン”があっさりと突破された。

言うまでもなくドル円相場の話である。前回号にて、今回のG7は、為替相
場を見るうえで注目されていること。前評判では中国人民元の水準がどうな
るかに関心が高まっているが、そうなればむしろ介入を続けてきたドル円相
場に影響が及ぶという点に関心が高まっていることを紹介した。結果は、ご
存知のようにドルの急落となった。

実は、以前から当欄を読んでいただいている方には、今回のドル安(円高)
も意外性はなかったのではと思っている。当欄では今回の材料として浮上し
た米国の経常収支の赤字の問題も膨れ上がる財政赤字の問題も早晩ドル安材
料(金にとっては押し上げ材料)になるとの立場をとってきたためだ。

繰り返しになるが、(経済の上で)世界中が米国におんぶに抱っこの状態が
続き、その結果として米国の貿易収支の赤字(ひいては経常収支の赤字)が
膨れ上がり、非常にバランスに欠けた状態になっているのが今の世界経済の
姿である。それでも落ち込み始めた景気を支えようと減税など景気対策をと
り、その結果、財政は赤字に転落。そこにテロ以降の国防関係支出の増加が
あり、さらに戦費の問題が加わるにいたり、瞬く間に財政赤字も空前の規模
になってきた。おまけに金利の下げ余地も無くなっている。こうした状況を
切り抜けるには、国際協調が必要と思われるが、それぞれの“お家の事情
(国益)”もあって、なかなかそうはいかない。むしろイラク戦を巡りその
「国益」で米欧がぶつかってしまったのだから、事態は楽観できなかったわ
けだ。

金融市場に波風が立つなか開かれた国連総会では、意見の相違はあるもの
の、さすがに歩み寄りの話し合いも持たれ始めた。このことは金融市場にと
っても好材料だろう。(すでに懐かしい表現だが)IT革命の下のグローバ
ル化で資金の流れが金融市場の方向を変えてしまう世の中にあって、米欧間
の食い違いはそのマネー・フロー(資金の世界的な流れ)に影響を与える要
素であるからだ。それでなくとも値上がり期待の小さくなった米国株への欧
州サイドの投資は減っていたし、昨年からのイラクを巡る攻防のなかで、中
東マネー(オイルマネー)の米国離れは着々と進んでいるとされ、ドル資産
を離れユーロ圏に投じられたり、本国帰りした資金により中東地域の株式市
場が軒並み値上がりするという現象も見られるほどである。話はずれるが、
筆者はその一部が金市場にも投じられているものと見ている。370ドル以
上という高値水準で見られた現物の引き合いは、そうした資金によるものと
思われる。もともと資産凍結を恐れての資金移動であり、利息を生まないも
のを好むイスラムの戒律からも金は投資対象として、うってつけの存在でも
ある。

話を為替に戻すと、それにしてもこれまで日本国財務省が死守(?)してき
た115円の壁が、手を引いた(介入を止めた)とたんに、あっさりと割れ
てしまったものである。考えようによっては、およそ8ヵ月の間に約10兆
円、900億ドルに迫る空前の介入をしなければならないほど、ドルは弱か
ったということである。「管理相場」という表現がされるほど、狭いレンジ
に抑えられてきたドル円相場は、介入によって価格形成が歪(いびつ)にな
っており、その分売りのエネルギーが溜まっていたとも言える。それが「為
替水準は市場が決めるもの」といい続け、G7にてそれに沿って「柔軟な為
替相場が望ましい」とされ、そのとおり市場に任せたとたんに急落し慌てる
というのも皮肉ではある。

気を付けないといけないのは、今回の値動きが介入により抑えれられていた
エネルギーが逆噴射したものであって、短期的には行き過ぎは否めないとい
う点だろう。もちろん、かといって、またかつての水準(120円近辺)に
直ぐに舞い戻るということも考えにくい。流れの根底に米国が指向している
“穏やかなドル安政策(ドルのソフト・ランディング)”があるとするなら
ば、その流れに収束していくものと思われる。今回の波乱は、その過程で起
きた“ほころび”のようなものでなかったかと思う。この“ほころび”が、
単なるほころびに済まない可能性、つまり将来の本格的なドル売りに進む可
能性を否定できないところが一方の現実であり、それゆえヘッジとしての金
への関心もまだまだ続くということである。結局、ドル円相場の方向を決め
るのは日本サイドではなく、米国サイドであると思われ、それがいまの“力
学”と思われることだ。これは筆者が巷に流れる円安論を牽制する背景でも
ある。

次回は新高値圏に躍り出た金市場に焦点を戻そう。(9月26日記)


金融・貴金属アナリスト
亀井幸一郎
※本レポートは執筆者の個人的な見解を述べたものであり、実際の投資にあたってはお客様ご自身にてリスクをご判断ください。

http://www.sumitomo-gold.com/market/index.html

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