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【携帯電話で院内感染】 医師や看護婦の携帯電話が院内感染起因菌の“運び屋”になっている恐れが海外調査で判明
http://www.asyura.com/0310/health6/msg/102.html
投稿者 佐藤雅彦 日時 2003 年 9 月 21 日 16:03:11:FnBfYmHiv1JFs


●病院で医師や看護婦が用いる携帯電話が多剤耐性菌などに汚染され、院内感染の原因になっている可能性が、イスラエルの病院の調査で判明しました。これは日本の医療関係者も早急に対応すべきです。院内感染対策ではつねに後手後手に回ってきた日本の医療現場と行政当局は、医療スタッフの存在そのものが“院内感染の元凶”になりかねないという危険な状況を一刻も早く実態調査し、事態防止の対策を施行すべきです。


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BioToday
http://www.biotoday.com/view.php?n=1313

医者の携帯使用は院内感染を増長する
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医者の携帯使用は院内感染を増長する (1313)

2003-09-19

イスラエルのSoroka University Medical Centerにおいて医療従事者124人の携帯を調べたところ「院内感染の原因菌・Acinetobacter baumannii が12%の携帯で確認された」という結果となりました。

研究成果が同大学病院の医師 Abraham Borer 等によって Antimicrobial Agents and Chemotherapy の年次総会で発表されています。

Acinetobacter baumanniiは水がない環境でも生きながらえることができます。したがって携帯の表面でも長い間感染能力を保ったまま潜むことができます。

Soroka University Medical Centerでは院内での携帯使用を完全に禁止したとのことです。現在は手を使わずに使用できる腕に装着するタイプの交信機などを考慮しているとのことです。

‥> News Source
Docs' Cell Phones May Spread Hospital Infections / Reuters
http://www.reuters.com/newsArticle.jhtml?type=healthNews&storyID=3463346

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●上記の概略記事の元ネタです。
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http://www.reuters.com/newsArticle.jhtml?type=healthNews&storyID=3463346

Docs' Cell Phones May Spread Hospital Infections
Wed September 17, 2003 06:11 PM ET
By Deborah Mitchell

CHICAGO (Reuters Health) - Mobile phones used by healthcare personnel in the hospital can spread dangerous infectious agents, according to investigators in Israel.
【シカゴ発・ロイター電━━病院の医療スタッフが使う携帯電話が危険な感染症を広げる恐れのあることが、イスラエルの医師たちの調査で明らかになった。】

In 2002, Dr. Abraham Borer, of Soroka University Medical Center in Beer-Sheva, and others randomly screened 124 hospital personnel for the germ Acinetobacter baumannii, a common source of in-hospital infections.
【2002年にソロカ大学医療センターのエイブラム・ボーラー医師らが、病院職員の携帯電話124台を無作為抽出して、院内感染のありふれた原因菌であるアキネトバクテル・バウマンニイイ(訳注:以下「A. baumannii」と略記する。正しくは左記のラテン語読みだが、日本では「アシネトバクター」という不正確な英語なまりが通用している)が見つかるかどうかスクリーニング検査を実施した。】

They found that 12 percent of healthcare providers' cell phones were contaminated with the bug, the researchers reported here during the annual Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy.
【その結果、医療スタッフの携帯電話の12%がこの細菌に汚染されていることが判明した。この成果は、耐性菌と化学療法に関する学際会議で発表された。】

The results are disturbing because Acinetobacter baumannii has the propensity to develop resistance to almost all available antibiotics. It is especially dangerous because it "can survive on dry surfaces for a long period of time," Borer told Reuters Health.

【A. baumanniiは現在使用できる抗生物質のほとんど全てに対する薬剤耐性をもつ性質があるので、これは不穏な調査結果となった。とりわけA. baumannii は「外気にさらされる乾燥した場所でも長期間生存できる」ので危険性が高いとボーラー医師はロイターに語った。】

"Cell phones provide a large dry surface that allows survival of A. baumannii--it requires no nutrients," he added.
【「携帯電話はA. baumannii の生存に適した広大な乾燥表面を提供することになるのです。なにしろこの細菌は栄養分がなくても生存できますからね」と彼は付け加えた。】

A. baumannii is found in intensive care units, and the mortality rate among infected patients is very high -- between 50 and 60 percent -- Borer explained.
【A. baumannii は集中治療室で検出される。感染者の死亡率は非常に高く、50〜60%にも達するとボーラー医師は述べた。】

The bacterium was found not only on phones but also on 24 percent of the hands of the people tested, who included 71 physicians and 53 nurses.
【A. baumannii は携帯電話だけでなく、調査した病院職員のうち手から検出された者も24%いた。そのうちの71%は医師、53%は看護婦だった。】

"You can wash your hands correctly, as the guidelines recommend, but 'autoinfestion' commonly occurs" when cell phones are used by medical personnel in the hospital, the investigator said.
【「院内感染予防指針で推奨している正確な手洗いをしても、(院内で医療スタッフが携帯電話を使っていると)菌の拡散は阻止できない」と彼は述べた。】

The use of mobile phones by medical personnel while they're caring for patients is no longer permitted at his institution.
【そういうわけで、ボーラー医師の病院では、もはや医療は患者に接しているときには携帯電話は使用禁止になった。】

Before this study was conducted, cell phones had completely replaced the traditional pagers among physicians and nurses. "We are now exploring the possibility of using pagers again or some type of device that can be worn on the wrist that doesn't require hand contact," Borer said.
【医師や看護婦はかつてはポケットベル(携帯呼び出し機)を携帯していたのだが、携帯電話の普及によってそれがすっかり廃れてしまっていた。そうした中で、今回の調査が行なわれたわけである。「いまやもういちどポケットベルを復活させるか、手で操作する必要がない腕巻き式の通信装置を検討する事態になっています」とボーラー医師は語った。】

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●厚生労働省の薬剤耐性菌情報から、A. baumannii菌 の解説━━

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厚生労働省・感染症情報センター/薬剤耐性情報
http://idsc.nih.go.jp/ddrug/bdw212/dw2502.html

多剤耐性のAcinetobacter baumannii

近年、欧米では、Acinetobacter baumannii による院内感染症や術後感染症が問題となっている。A. baumannii は、偏性好気性のグラム陰性短桿菌で運動性は無く、ブドウ糖非発酵性で、酸素存在下でブドウ 糖やキシロースを酸化的に分解し、酸を産生する。本菌は、術後患者や感染防御能の低下した患者において、しばしば尿路感染やカテーテル感染症などの原因となる弱毒性の日和見感染菌である。従来より各種 の抗菌薬に多剤耐性を示す傾向があり、臨床的に問題となってきた(1)。
しかし、幸いなことに、70%エタノールやポピドンヨードなどの消毒薬に対しては、現時点で感受性を示す株が多い(2)。ただし、集中治療室において、本菌で汚染された人工呼吸器により7カ月間に16人が集団感染した事例も報告されている(3)。しかも、最近、メタロ-β-ラクタマーゼなどを産生することにより、カルバペネムにも耐性を獲得した株が報告されており (4, 5)、院内感染症の原因菌となりうる多剤耐性グラム陰性桿菌(6)としてその動向が警戒されている。

参考文献
1. E. S. Go, et al., Lancet. 344(8933):1329-1332, 1994
2. C. L. Cardoso, et al., Am. J. Infect. Control. 27:327-331, 1999
3. T. R. Cox, et al., Mil. Med. 163:389-391, 1998
4. S. Brown, et al., Lancet. 351(9097):186-187, 1998
5. M. L. Riccio, et al., Antimicrob. Agents. Chemother. 44:1229-1235, 2000
6. E. M. D'Agata, et al., Infect. Control. Hosp. Epidemiol. 21:588-591, 2000

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●民間製薬会社の広報資料から、A. baumannii 菌の解説など━━

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吉田製薬(株)Y’s Letter No.17
http://www.yoshida-pharm.com/information/dispatch/letter_17.pdf
皮膚常在菌について

《中略》

Acinetobacter spp.(アシネトバクター属)

Acinetobacter spp.はブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌で、21 種類に分類され、
A.baumannii、
A. johnsonii、
A.calcoaceticus、
A. hamolyticus、
A. junii、
A. Iwoffii、
A.radioresitens などがあります 30)。

臨床的に重要な菌はA. baumannii で、Acinetobacter spp.臨床分離株のうち約72.9%が A.baumannii であったとする報告もあります31)。Acinetobacter spp.は通常、環境や土壌に広く生息し病院のみならず家庭の洗面台など湿潤な室内環境から検出されますが、しばしば健常人の皮膚にも常在します。
健常人に対しては病原性が弱い菌ですが、重い基礎疾患を有し人工呼吸器を使用している患者において肺炎、血管カテーテルを挿入している患者において菌血症を起因することがあり、外傷感染、手術部位感染、尿路感染、敗血症、髄膜炎、心内膜炎、腹膜炎などの起因菌ともなります 32)。

A. baumannii は、染色体性のセファロスポリナーゼを産生して多くのセファロスポリンに本来的な耐性を示し、薬剤修飾酵素の産生や薬剤透過性の低下によりアミノグリコシド、フルオロキノロンなどに多剤耐性を示すこともあります 32)。
また1985 年にはスコットランドでプラスミド性の β-ラクタマーゼを産生してカルバペネムに耐性を示す A. baumannii が検出され 33)、有効な抗菌薬がほとんどない A.baumannii の拡散が欧米で問題となっています 34)。日本においてもAcinetobacter spp.による新生児の敗血症集団発生などが報告されており 35)、またカルバペネムに耐性を示す多剤耐性のAcinetobacter spp.もたびたび検出されています 8)36)。

病院感染予防策
皮膚常在菌による病院感染には、患者自身の保菌する菌による内因的な感染の場合と他の患者や医療従事者が保菌する菌による外因的な感染の場合があります。CNS、Corynebacterium spp.、あるいはAcinetobacter spp.の多剤耐性株が病棟内で伝播して集団感染を起因した場合も報告されています 37)38)39)。
このような場合、特定の患者もしくは医療従事者の皮膚常在菌が医療従事者の手指、器具、環境を経由して感染部位へ直接、または一旦患者の健常皮膚などに保菌されてから感染部位に伝播したものと考えられます 40)41)42)43)。

皮膚常在菌による内因的な感染の予防には、血管カテーテルなど人工物を患者に挿入する際の挿入部位への消毒薬の適用、挿入後の挿入部位のケア方法、挿入物の材質と抗菌性などが関与すると思われます 44)。また、術前の除毛方法により手術部位感染率が大きく変化することが示されています 45)46)。

皮膚常在菌による外因的な感染の予防には、カテーテル挿入など侵襲的な処置を行う前の手指衛生と手袋・ガウンなどバリアプリコーションの適用、易感染患者に接触する前の手洗いなどが重要であると思われます。
術中における術者からのMRSE の飛散による伝播を防ぐ試みもなされていますが 47)、まだ有効な方策は確立していないと思われます。なお Acinetobacter spp.は皮膚に常在して感染源となる場合の他に、緑膿菌と同様、呼吸器系器具など湿潤な器具・環境や水に存在して感染源となる場合があり 48)49)、親水性グラム陰性菌としての注意も必要です 46)。

●消毒薬感受性
表皮ブドウ球菌の消毒薬感受性は黄色ブドウ球菌とほぼ同様です。黄色ブドウ球菌と同様に表皮ブドウ球菌においても、消毒薬・抗菌薬の排出機構をもたらす qacA、qacCなどの遺伝子が広く検出されていますが 50)、その消毒薬感受性に対する影響の臨床的な意義はまだ認められていません。
なお、MRSA など黄色ブドウ球菌が患者や医療従事者の鼻腔などから継続的に検出され、半ば常在菌となっている場合もあります。その除菌が必要な場合には、部位によりムピロシンやポビドンヨードなどの適用を行いますが、ムピロシン濫用は耐性を招くおそれがあることに注意が必要です59)。Corynebacterium spp.の消毒薬感受性については、まだあまり報告がありません。

Acinetobacter spp.の消毒薬感受性についても、あまり報告は多くありませんが、石けんによる手洗いとクロルヘキシジンによる手洗いにおいて差が認められなかったとする報告があり51)、他の親水性グラム陰性菌と同様に低水準消毒薬に対する抵抗性を示す場合があると考えて注意することが必要と思われます46)。

《以下略》
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