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Re: ヒジャーブ問題とイスラーム世界の停滞
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投稿者 無花果 日時 2003 年 9 月 26 日 05:53:51:9kmGLOziS7XNY

(回答先: Re: 中田考夫人の入信記【はまちさんお薦めの『ビンラディンの論理』読後に発見】(長文) 投稿者 はまち 日時 2003 年 9 月 25 日 16:47:38)

はまちさん、お久しぶりです。

>ところで、別のサイトで、ハイジャブは、クルアンに書かれてい
>ない。と主張されるモスリムの意見を見つけました。クルアンを
>読めばわかる。っとおっしゃるのですが、このような意見ははじ
>めてでした。もし、どなたか、ご存知でしたら、ご教授ください。

ムスリム女性がヒジャーブ(ハイジャブではなくヒジャーブです)を着用しなければならないとする根拠はクルアーンの次の章に拠るものです。

=========
御光章(第24章31節)
信者の女たちに言ってやるがいい。かの女らの視線を低くし、貞淑を守れ。外に表われるものの外は、かの女らの美(や飾り)を目立たせてはならない。それからヴェイルをその胸の上に垂れなさい。自分の夫または父の外は、かの女の美(や飾り)を表わしてはならない。なお夫の父、自分の息子、夫の息子、また自分の兄弟、兄弟の息子、姉妹の息子または自分の女たち、自分の右手に持つ奴隷、また性欲を持たない供回りの男、または女の体に意識をもたない幼児(の外は)。またかの女らの隠れた飾りを知らせるため、その足(で地)を打ってはならない。あなたがた信者よ、皆一緒に悔悟してアッラーに返れ。必ずあなたがたは成功するであろう。
(日本ムスリム協会訳)
=========

クルアーンの原文で確認したところ、この章で用いられている「ヴェイル」は「ヒジャーブ」ではなく、「ホムル(khumur)というアラビア語が使われています。したがって。はまちさんが見つけられたムスリムの意見は正しいようです。

上の一節を読まれてどのように解釈されるでしょうか。

「女性の美は髪と顔である。だから、頭部全体を覆わなければならない」

「女性の美は髪である。だから髪を覆わなければならない」

大方のムスリムたちは以上のように解釈するのですが、私にはどう読んでもこのような解釈はできません。私は次のようにこの節を解釈しています。

女性の美がどこにあるかは文化によって異なりますし、個人差も大きいので、やれ髪だ、やれ顔だ、と決めるわけにはゆきません。クルアーンでは礼儀正しく謙虚であれと述べている部分が多々あり、また放縦な男女関係を戒めています。したがってこの節が説くところは、女性はみだらな服装をして男達の性欲を刺激してはいけない、というものであろうと思います。

パンツが見えそうなミニスカートをはいて、援助交際にいそしむ日本の女子高生がこれをどう考えるかどうかは別にして、上の節はごく普通の道徳を述べているものと考えます。

一度髪を覆ったヒジャーブを身に付けている若いムスリム女性とこのことについて議論したことがあります。アラビア語の原文を指し示しながら、どう字義通りに読んでも髪を覆うべきとは書いていないと私が主張しても、全く受け入れてはくれませんでした。

一方、全く別の経験もあります。ムスリムの学者と意見交換をしていたとき、きちんとヒジャーブで髪を覆い長いドレスを来た女子学生が用事で部屋には行ってきました。彼女が部屋をでた後、件の学者は「これこそムスリム女性の姿である」と言いました。

私は次のように反論しました。

「イスラームとは形式なのか。あの女子学生の服装は確かにきちんとしているが、実は頭の中ではみだらなことを考えているかも知れない。イスラームとは形式ではなく、精神ではないのか。ヒジャーブの根拠となっているクルアーンの節は、女性は貞節であれ、と述べているのではないか。」

この私の反論に学者は「その通り」と自分の発言の誤りを認めてしまいました。

後日談があります。その学者が私を昼食に招いてくれました。彼の家では奥さんが出てきて私に挨拶をしましたが、きちんとヒジャーブをかむっていました。学者は奥さんに向かって「お前、ヒジャーブなど必要ない。外しなさい。」と言ったのです。

慌てたのは私です。「私は、イスラームは形式ではなく精神のはずだ、と言ったが、文化としてのヒジャーブを否定しているわけではない。奥さん、どうぞそのままで外さないでください。」

私は知性と理性を切り開いたイスラームに関して関心があります。イスラーム世界は短期間のうちに大きな発展を遂げ、13世紀くらいまでは学術面で世界最高の水準に達していたことは周知の事実です。

一方、ほぼ同時期にイスラーム法学の体系が整い、ムスリム社会の中に定着しました。これを一概には批判できませんが、法学がイスラーム世界の中で主導権を握ることにより、イスラームの学術面の発展が滞って社会が固定化され、ついには教えてやった西欧に侵食されるという事態を招いてしまったと考えています。

また、法学の支配が、スーフィー(イスラーム神秘主義者)達が切り開いた高度な精神的次元を社会の発展に還元できなくした、とも思われます。

「女性の美は髪にある。従ってクルアーンに書かれている通り髪を覆わなければならない。」

このような瑣末な議論は明らかにイスラーム本来の精神を歪めていると思われます。豚肉や飲酒の禁止にしても同様です。

ヒジャーブや豚肉・飲酒の禁止では、初期イスラームの驚異的な発展と学術の振興は決して理解できないのです。

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