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迫り来るサイバー戦争の危機【CNET Japan記事】
http://www.asyura.com/0310/it02/msg/110.html
投稿者 クエスチョン 日時 2003 年 9 月 21 日 09:32:16:WmYnAkBebEg4M

(回答先: ハッキングで大停電も――デジタル化の代償に悩む送電網【ZD Net記事】 投稿者 クエスチョン 日時 2003 年 9 月 21 日 09:26:13)

ちょっと古い記事だが、イラク開戦前、2月の記事である。


エキスパートの視点:
迫り来るサイバー戦争の危機【CNET Japan記事】
http://japan.cnet.com/news/pers/story/0,2000047682,20052245,00.htm

Declan McCullagh
2003年2月7日(金) 12時05分

 最近、元米軍幹部と食事をした。1990年代、米国防総省と米政府によっ
て行われたバーチャル情報戦演習に参加していた人物である。


 「フセインがネットを使って米国を攻撃し、情報通信企業を1つでも破
壊したら、米国は応戦する構えだ」と彼は言った。「策はつくした。例え
ばイラクがEarthLink社を攻撃してきても、軍が介入しイラク側のサーバ
を掌握する体制ができている。」

 ハッカー並の技術をもった米軍部隊が私の電子メールボックスをフセイ
ンの報復攻撃から守ってくれるとは、全く知らなかった。しかし、米国の
企業を守るために軍が使われるのは合法なのだろうか。それとも、これは
トム・クランシーの戦争小説からのコピーなのだろうか。

 軍や十分な補助金をもらった高速通信回線設置業者がサイバー戦対策の
検討を十年もの間続けてきた。しかし、サイバー戦争が起きたらどうすれ
ばよいのか、1つの定まった見方はまだない。本物の国家間のサイバー戦
争はまだ始まってはいないからだ。

 サイバー戦争についての議論が始まったのは1995年頃のことである。空
軍所属の判事Richard Aldrichがサイバー戦時下の国際法の適用に関する
レポートの中で、1949年のジュネーブ条約で承認された武力紛争法(Law
of Armed Conflict)は情報通信の分野には適用できないと指摘した。情
報通信は日々刻々と変化し、また地球規模のものであるため、犯行の跡を
たどるのは困難だというのだ。

 例えば、情報通信の技術を使って国家が降伏宣言をねつ造し国際協定を
破るというケース。「湾岸地域駐留同盟軍の指揮官の1人に、イラクが同
盟軍総司令官の名を騙り偽の電子メールを送ったとする。イラクは降伏し
たので全戦闘行為を停止せよという、という内容のものだ。もし電子メー
ルを受け取った指揮官がこれを信じて戦闘を停止し、実はまだ交戦体勢に
あったイラク軍の攻撃を受けて同盟軍が多くの死傷者を出したとする。こ
の場合、イラクに武力紛争法違反の罪を問うことが可能だろうか」
(Richard Aldrich)

 また、国家が安易に攻撃的な戦術を行使することは許されないのではな
いか、という疑問がある。最近、Microsoft社のSQLサーバを混乱させた
Slammerウイルス事件がその例である。法的にも認められた敵をターゲッ
トにする場合を除いて、このような戦術は国際法に触れる可能性がある。

 これらの議論を受けて、国防総省はサイバー戦対策の公的な研究組織を
設立し、それをより広い意味での情報戦の一環として位置付けた。例えば、
海軍艦隊情報戦センターには新たにコンピュータネットワーク防衛という
責務が追加され、海軍大学院では学生がハッカー演習を行っている。

 空軍の戦闘研究チームは、ネットワークが攻撃を受ける前にオペレータ
ーに警告を出す早期警告システムを開発し、また軍事関連サイト上の機密
文書をくまなくチェックする部署を設立した。(インターネットへの機密
書類漏洩が起きていないことを見ると、それなりの成果はあるようだ。)
緊急事態管理局フロリダ支部がまとめた要注意事項リストにも、国内の暴
動や大量破壊兵器と一緒に、情報戦の脅威がリストアップされている。

 「アメリカ人を殺害したものは放ってはおかない」と国防省スポークス
マンは言う。「重罪、テロ行為、戦闘行為、何であろうと、犯人には重い
刑を課す。むろん、関連の法規についてのしっかりした議論を行い判断す
る」

 サイバー攻撃の危機に対し、各国政府の抱える問題も深刻だ。サイバー
攻撃は、誰の手によるものか特定しにくく、それが悪意のあるハッカーに
よるものか、テロ集団の仕業なのか、それともイラク軍本部の奥深くに潜
むフセインが怒りに震える手で自らキーボードを叩いて起こしたものなの
かわからない。そのため、どう対応するべきかを特定しにくいのだ。犯人
は誰か、何を目的としているのか、それ次第でひとつの犯行が通常の犯罪
にも宣戦布告にもなりえる。

 ここでつけ加えておかなくてはいけないのは、サイバー戦争の脅威は誇
張して扱われることがあるということだ。ハッカーは確かにインフラに被
害を与えうる。しかし、外部からシステムをコントロールすることは非常
に難しいし、ほとんど不可能だ。しかも普通は内情に精通したものにしか
できない。つまり、コンピュータに侵入するよりも爆弾を一つ落とすほう
がよっぽど簡単なのである。

 とはいえ、大規模なサイバー攻撃から米国のインフラを守るために国防
総省は何をしようとしているのだろうか。米軍事司法協会(National
Institute of Military Justice)代表、Eugene FidellStillは「この問
題を解決するには、インターネットと何を同等に扱うかを決めなければな
らない」と言う。「法は類推をもとに適用される。インターネットは新聞、
水道、電線と同じ扱いとするのか。それとも銀行システムと同様に扱うべ
きか。少なくとも紛争に関する法の適用に関して十分な議論がされていな
いのは確かだ」

 また、バージニア大学の国家機密法センター(Center for National
Security Law)のアソシエイトディレクターRobert Turnerによると、他
からサイバー攻撃を受けた場合は、ブッシュ大統領と政府はそれに対抗す
るための大きな権限を持つことになるという。「微妙な問題だ」とTurner
は言う。「憲法上では戦争は好ましくない。ブッシュ大統領が戦闘開始の
決断をするには上院下院の承認が必要だ。しかし他からの攻撃を受けた場
合は、軍の総司令官として大統領権限を行使し、議会の承認なく防衛戦を
開始することができる。」

 簡単に言えば、戦争が始まれば国民の自由は当分諦めろ、憲法修正第4
条の保護による「不合理な捜査及び逮捕押収」の禁止も意味を持たなくな
るということだ。Turnerは次のようにも付け加える。「最高裁では、合理
性は状況を見て判断するという立場をとり続けてきた。殺人が起こるよう
な状況下で人命を救うためには、通常以上の介入も許される。国家の防衛
はより重要な任務だ。重要なことを守るための犠牲を払う覚悟がいるとい
うことだ。危機に直面し、それでも法律にしがみついていると、その結果
として自由を失い、公務を果たすことは出来なくなる。」

 軍幹部と政治家たちも同様の意見を持っている。しかし、たとえサイバ
ー攻撃が実際にはありえないように思えても、私たちは危機体制下におけ
る政府の権力の行き過ぎに疑問を持ち続けることを忘れてはいけない。政
府による個人情報の監視を一度許せば、その権限は簡単には奪回できなく
なる。また、ブッシュ大統領が先週発表したデータ収集センターの設立は、
政府が個人情報を詳細に精査できるようになることを意味する。

 もう1つの懸念、それはキューバのカストロ政権による米国コンピュー
タ侵入の脅威である。アルカイダが9月11日の自爆テロの準備を進めてい
た頃、まさに、米国の諜報機関はこの問題に翻弄されていた、2001年11月
には、米国防情報局長官Tom Wilsonが、米軍を崩壊させる威力のある大規
模な情報戦や米国のコンピュータネットワーク攻撃をカストロが計画して
いる、という警告を米議会に対して発している。

 そして、その可能性はまだ消えていないのである。


筆者略歴
Declan McCullagh
テクノロジーと政治を専門とするCNET News.com記者。ワシントン在住。Wired Newsワシントン支局元チーフで、これまでにThe Netly News、Time magazine、HotWiredの記事も執筆。

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