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男児誘拐殺害事件 家裁決定要旨(長崎新聞) − 事実認定の根拠は示さず
http://www.asyura.com/0310/nihon8/msg/387.html
投稿者 シジミ 日時 2003 年 10 月 01 日 05:36:41:1VmSkkGasXps6

http://www.nagasaki-np.co.jp/press/yuusatu/09/035.html

長崎の男児誘拐殺害事件で、長崎家裁が二十九日、出した決定の要旨は次の通り。

(主文)

 少年を児童自立支援施設に送致する。

 少年に対し、平成十五年九月二十九日から向こう一年間、強制的措置をとることができる。

(理由)

 【非行事実】

 少年は、七月一日午後七時二十分ごろ、長崎市内の大型電器店二階店舗内において、展示試供ゲーム機で遊んでいた被害者(当時四歳)に対し、「お父さんとお母さんは用事があって先に行ったから追おう」などと甘言を用いて誘惑し、被害者をその両親の保護のもとから離脱させて自己の支配下においた上、同所から同市内の中心街から少し離れた立体駐車場まで連れ去り、もって未成年者を誘拐した。

 少年は、同日午後九時十五分ごろ、上記立体駐車場屋上において、殺意をもって、被害者を後ろから両手で抱き上げ、手すり越しに同所から被害者を突き落として約二十メートル下の同立体駐車場一階東側通路に転落させ、よって、そのころ、被害者を頭部および顔面打撲による脳障害により死亡させて殺害した。

 【事案の特徴】

 本件は、十二歳の少年が、幼児に暴行を加えようと考えて、事前にはさみを購入した上、四歳の被害者を言葉巧みに誘拐し、被害者に暴行を加えた上、防犯カメラに気づくやちゅうちょなく被害者を立体駐車場の屋上から突き落として殺害したという事案である。殺害そのものは計画的でないことを考慮しても、被害者の生命を奪ったその結果は重大であり、被害者が受けた苦痛や恐怖感、わずか四歳で生涯を終えることとなった無念さは計り知れない。遺族の少年およびその両親に対する感情はしゅんれつであり、被害者を失った悲しみは大きい。また、本件は、学校関係者や幼い子供、思春期の子供を持つ親にも大きな衝撃を与えた。十二歳の少年がこのような発想をするに至った原因や、上記のような冷酷、非情な行為をすることができた理由およびその際の精神状態については、少年の供述からは明らかではなく、処遇を決定するに当たっては、これらの原因等の解明が不可欠である。

 【少年の資質等】

 少年の成育状況、本件非行の状況および本件非行後の状況からすると、少年には、次のような性格ないし行動傾向が認められる。

 少年は、幼稚園のころから、頻繁に、教師の注意や母のしっせきに過剰に反応して混乱状態となり、かんしゃくを起こしたり、学校や家から逃走するなどしているほか、本件により補導された後も、少年鑑別所職員の注意に対して号泣し「こんなとこ逃げ出してやる」などと言って扉をたたいたり本を机に打ちつけたりしている。本件非行時にも、防犯カメラに気づいて動転し、その場から逃げ出すことのみを考え、逃走の邪魔になると考えた被害者を屋上から突き落としてすばやく非行現場から逃走しており、少年は、外的刺激を処理する能力が、かなり限定されており、低刺激で対処不能、無規制状態になり、衝動的で周囲の予想できない反応を示す傾向が見られる。

 少年は、本件非行時において、泣き叫ぶなどした被害者を見ても、ちゅうちょしたりふびんに思った様子はない。非行後も、平然と直前まで被害者と一緒にいた店に忘れ物を取りに行き、非行現場である駐車場前の路上を通って帰途につき、帰宅後は普段通りの生活を続けている。少年鑑別所入所後も、被害者およびその遺族の心情を思いやることができないなど、対人的共感性の乏しさが顕著である。

 少年の他人とのかかわり方は、小学校四年生のころから幼児とはよく遊んでいたが、同年代の友人との間では、興味のあることについて少年が一方的に話すのみで、他人との間に相互的情緒的交流をもつことができず、対人的コミュニケーション能力に問題がある。

 少年には小学校時代から現在に至るまで、悩みを打ち明けあうような親しい友人がいないが、そのために孤独感や疎外感を感じている様子はない。また、少年鑑別所入所前は、母とは過剰ともいえるほど緊密な関係であったのに、少年鑑別所入所後、母と長期間面会できなくても寂しさや不安を強く訴えることはなく、他の少年との接触が一切なくても、孤立感や孤独感を感じている様子はないなど、対人的つながりを求める志向が希薄である。

 少年には、男性性器への異常なこだわりが見られる。少年は小学校三年生のころから強い関心を持っており、この関心は、払しょくしようとしても払しょくできないと供述している。

 少年は、小学校のころから母にしっせきされることを極端に恐れている。小学校時代に、母からのしっせきを恐れて、遠方の祖父母宅まで逃げたり、逃げたまま午前三時に補導されるまで帰宅しないでいたことがあるほか、少年鑑別所入所後も、母には、自分が男性性器に興味を持っていることなどを知られることを恐れている。

 上記のとおり、少年のコミュニケーションは一方向性であり相互性はなく、適切な仲間関係の樹立ができず、情緒的表出も不適切である。また、少年には常同的で限定された異常な興味のパターンにとらわれる傾向がある。このような少年の資質に、少年には幼少のころから手先の不器用さや運動機能の発達の遅れが見られたこと、少年の言語性知能と動作性知能の間には極端な差があること、精神病性障害は認められないこと、表出言語・受容言語や認知能力の発達において臨床的に明らかな全般的遅延はなく、二、三歳ごろの包括的発達能力にも障害はないこと、少年には通常の言語障害はなく知能も低くないこと等を総合して判断すると、少年は、広汎性発達障害の一亜型であるアスペルガー症候群であると解するのが相当である。

 【本件非行の背景事情および動因】

 前記のとおり、少年は、アスペルガー症候群であり、同障害が本件非行に影響していることは確かであるが、同障害そのものが直接本件非行に結びつくものではない。

 少年には、幼稚園時代から、他者との意思疎通に難があり、それに伴うさまざまな特異行動が見られたにもかかわらず、家庭と学校が問題意識を共有することがなく、少年に発達障害があると認識してそれに応じた指導に当たる機会を得ることができなかった。

 母は、少年の運動能力が劣ることや手先が不器用であることを気にして幼児期からその改善のための特訓をしたり、小学校入学後は、ほかの児童にばかにされないように、付ききりで勉強を教え、寄り道をすると厳しくしかっていたが、このような父母の養育態度は、少年が同年代の子どもと交友する機会を減少させ、少年の相互的コミュニケーションのまずさ、共感性の乏しさに拍車をかけることになった。

 そして、少年の問題性について適切な措置が講じられないまま、少年は、中学生となり、思春期を迎えた。小学校時代には、教師や同級生が少年の特異性を認識して、優しく接するなど特別な配慮をしていたが、中学校入学によりこのような特別な配慮を受けることがなくなるなど、環境が大きく変化した。家庭では、父母間のいさかいが続いていた。

 このように、本件非行のころ、少年は、かなりの精神的負荷を負っている状態にあった。そして、非行当日、少年は、帰宅時間が遅れて日ごろから極端に恐れていた母にしかられると思い込み、緊張状態のまま家を離れた。少年は、家庭環境によって増強された他人に対する共感性の乏しさなどから、被害者の痛みや恐怖に無関心のまま、暴行を加えるという通常では考えられない着想が浮かび、その強い執着心と共感性の乏しさから、被害者の苦痛を目にしても、いったん喚起された目的を変更することはなく、暴行は、防犯カメラを発見するという予想しない事態が起こるまで続けられた。

 そして、少年は、防犯カメラを発見したことにより動転して、衝動的行動に出やすいという資質と少年の共感性の乏しさがあいまって、被害者を屋上から突き落とすという行為に及んだと考えられる。

 なお、少年の行為は、ある意味では性的色彩の強いものであるが、これは、幼児や小児にみられる、心理的側面での性の発達に伴って生じる関心が、強迫症状として発現したものである可能性が高い。

 【処遇選択の理由】

 上記のとおり、少年の処遇に当たっては、少年の特異な行動傾向や、状況認知、課題処理の仕方が独自のものであることを踏まえたうえで、社会的に望ましい行為あるいは望ましくない行為はどのようなものであるのか、一つ一つ丁寧に粘り強く教育していくことが不可欠である。

 そして、少年は、現在思春期にあり、今後、青年期に移行するまでの間に、精神的にも身体的にも著しい変化、成長を遂げることになるのであるから、処遇にあたっては、少年の成長に伴い、性的し好や関心、行動にどのような変化があるのかを慎重に見極める必要がある。

 また、執着やこだわりが、衝動的に他人への攻撃として表れる危険があるので、今後の処遇、特に集団処遇に際しては、細心の注意が必要である。さらに、少年と父母との親子関係が本件非行に与えた影響は大きく、父母としては、少年が本件のような残忍な非行に及んだことを真摯(しんし)に受け止め、少年あるいは家庭における問題点を真剣に考え、遺族に対してもできる限りの謝罪の措置を講じる必要があるのに、少年および遺族への対応は十分なされていない。

 少年の更生には父母の協力が不可欠であることを考えると、父母には、少年の障害を十分理解させ、社会復帰に向けて家庭の保護機能が円滑に働くよう指導、助言をするとともに、処遇の中で親子関係の調整を図っていく必要があるが、これまでの親子関係、少年の問題行動への対応の仕方および父母の性格等からすると、処遇機関が父母の協力を得るには、かなりの困難が予想される。また、父母の協力が得られるとしても、関与の時期や方法は少年の状態を見極めながら慎重に検討する必要がある。

 そうすると、少年の処遇としては、少年を児童自立支援施設に収容して、対人関係の安定した規則正しい環境のもとで、児童精神科医および発達障害児の療育の専門家等の援助を受けながら、上記障害をもった少年に対応可能なプログラムによる特殊教育課程を履修させるのが相当である。

 収容期間については、裁判所に決定権限はないが、少年が再び本件のような非行を繰り返すことがないよう、少年の性的し好や関心、行動の変化を見極めたうえで、社会的に望ましい行為とそうでない行為を理解させ、父母との関係調整により、少年に安定した帰住先が整うまでの間、継続して収容することが望ましく、少年および父母への対応の困難さや少年の性的し好や関心、行動の変化を見極めるには相当時間がかかると予想されることからすると、かなり長期間にわたる収容が必要である。

 また、少年は、その資質から、対人関係を良好に構築できない可能性が高いことや、男性性器に対する執着が現在も持続しており、それを指摘されるや不穏な言動を示すなど、今後も衝動的な行動におよぶ可能性が高いこと、少年は、今後心身共に不安定な時期を迎えるのに加えて、性的欲求や性衝動という未知の問題に直面することになり、それによって執着が変化する可能性があり予断を許さない状況にあること、これまで、少年はささいなことで混乱し、学校、家庭を問わず、その場から逃走するという方法で対処する傾向があること等からすると、開放処遇を原則とする児童自立支援施設においては極めて異例な措置ではあるが、今後一年間については特に日数を限定することなく強制的措置を許可する。

 そして、強制的措置が、少年の行動の自由を制限する強力な手段であり、日数を限定しないことが極めて異例な措置であることにかんがみると、その期間の決定は、少年の処遇効果を見ながら慎重になされるべきであるから、現段階においては、許可の期間を一年間としたうえで、一年後に、少年の心身の状況を慎重に見極めたうえ、あらためて審査するのが相当である。
                           2003年9月30日長崎新聞掲載

★シジミ:「要旨」では少年を加害者と認定した根拠は示されていない。また、「少年は、防犯カメラを発見したことにより動転して、衝動的行動に出やすいという資質と少年の共感性の乏しさがあいまって、被害者を屋上から突き落とすという行為に及んだと考えられる」とされているが、これまで「被害者を抱え上げて投げ落とした」と報道されていたのではなかったか。その他、従来の報道内容との異同を点検した方がよさそうである。

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