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進化する医療機器---私たちはいつかサイボーグになる【Erick Schonfeld, ZDNet/USA】
http://www.asyura2.com/0311/bd32/msg/141.html
投稿者 エイドリアン 日時 2003 年 11 月 27 日 06:08:12:SoCnfA7pPD5s2

(回答先: 皮下埋め込みRFIDチップ開発【Declan McCullagh, ZDNet/USA】 投稿者 エイドリアン 日時 2003 年 11 月 27 日 06:07:05)

先日、人体埋め込みチップが話題を集めたが、ペースメーカーなどの医療機器はもっと進歩している。いずれ、脳の活動を監視できる機器も登場するだろう

 最近、米フロリダに住む家族がスキャン可能な微小なチップを皮下に埋め込む手術を受けたことで、Applied Digital Solutionsという低迷している新興企業がメディアでずいぶんと騒がれた(5月11日の記事参照)。この家族は「初のサイボーグ一家」として賞賛されている。

 Applied Digitalの技術は、徘徊癖のあるアルツハイマー患者を支援するなどの目的で設計されたもので、スープ缶(の配送ルート)を追跡するのと同じくらい簡単に、人間を追跡できるとされている。同社のチップにはそれぞれ、チップを装着している人の名前や住所、医療情報など多くの情報が保存されたデータベースと相互参照が可能なID番号が格納されている。同社はいずれ、GPS機能までこのチップに組み込む計画だ。

 ご想像の通り、この一件はメディアに大きく報道されたが、(「それと同じくらいの」と言っていいと思うが)論争も生んだ。プライバシー擁護団体は即座に、こうしたチップにより、監視によるプライバシー侵害の危険性が増すとして警鐘を鳴らした。米食品医薬品局(FDA)は、Applied Digitalは当初提供した情報で、チップが医療情報にリンクする機能を備えていることを説明していなかったとして、同社に対する調査を開始している(5月20日の記事参照)。また宗教的観点から、この米粒大のチップを埋め込むことは、「獣の刻印」(聖書に登場する悪魔の印)を刻むことだとまで警告している人もいる。

 しかし、Applied Digitalのチップが広く採用されそうにないことを考えると、こうした騒ぎは多少見当違いと言える。同社の技術は、アルツハイマー患者にとっても、それほど役に立つものではない。体内にチップを埋め込むのではなく、医療用ブレスレットのバーコードにID番号を記録した方が、救急処置室ではるかに医師の目に留まりやすいだろう。しかしいずれ、倫理的であろうとなかろうと、ほかのもっと便利な形で医療チップを国民に埋め込むことは、おそらく避けられないだろう。

 実際、私たちの周りにも、既に数百万人のサイボーグがいる――サイボーグを「体に電子機器を組み込んだ人間」と定義すればの話だが。この定義に照らせば、ペースメーカーやその他の医療機器を埋め込んだ人は、すべてサイボーグということになる。こうした機器で使われている技術や情報は、Applied DigitalのIDチップよりもずっと進んでいる。実際に、洗練された医療機器は、脳など体のほかの部分にもますます進出しており、私たちがいずれサイボーグとなる運命を確固たるものにしている。

 しかし、本当に面白いことが起きるのは、これら医療機器がインターネットに接続するようになってからだ。例えば、ほとんどすべてのペースメーカーや心臓細動除去器では、棒状の読み出し機器を患者の胸部にかざして、ワイヤレスで心臓に関するデータを収集する。たいていの場合、患者は2〜3カ月おきに病院でこうした診察を受ける。だが去る1月に、医療機器大手のMedtronicが、心臓細動除去器を装着している一部患者が、自分で自宅でデータを収集し、読み出し機器をモデムに接続してデータを医師に送信できるようにするサービスに対応した機器について、FDAから販売許可を取得した。これで患者が病院に出かける手間が省け、また医師が離れた場所から――必要であれば定期的に――患者の健康状態を監視できるようになる。現在、この機能を備えたペースメーカー/心臓細動除去器を埋め込まれている患者は200万人に上る。ただしMedtronicはまだ、このサービスをペースメーカーや最新の心臓細動除去器、その他の心臓関連医療機器で展開する許可がFDAから下りるのを待っているところだ。これら200万人の患者は、既に機器を埋め込んでおり、サービスが利用可能になるのを待っている状態にある。

 そしてこれは始まりにすぎない。次に進展するのは、電極埋め込みの技術だろう。これは現在、薬物療法の効かない重度の振顫やパーキンソン病の治療に使われている。微弱な電気ショックによる治療のように、埋め込まれた機器の電極が運動制御に関わる神経細胞を刺激する。今はこうした機器にセンサーは搭載されていないが、Medtronicの主任神経技術者、Mark Rise氏は、これら機器に監視機能を加えることが、「当社が目指している方向であることは確かだ」と語っている。脳センサーは、神経病、特にてんかんなどの突発的な病気をより理解し、治療する上で、医師の役に立つかもしれない。また医師がオンラインを介して、機器が神経に与える刺激を離れた場所から調整することも、技術的に可能になるだろう。

 こうしたプロジェクトはまだ初期の段階にあるが、脳と電子機器をつなぐ研究は進んでいる。米ミシガン大学の工学教授、Ken Wise氏は、脳細胞を刺激したり、その活動を記録できる埋め込み機器を開発している。この機器は、ボタンのような形で回路が搭載されており、直接脳の表面に設置して、電極プローブを脳のしわに差し込むようになっている。「われわれは、ミクロ電子工学の世界と細胞の世界の橋渡しをする方法を見つけようとしているところだ」とWise氏。

 同氏は、このボタン型の機器は今最も分かりやすい技術であるため、初めて感覚/運動機能を司る脳の領域で使われるだろうと考えている。例えば、この機器を耳と脳の間の聴覚神経上(蝸牛神経核の深い部分)に置いて、耳に装着したマイクロフォンに接続すると、理論的には耳の聞こえない人に聴力を取り戻すことが可能になる。この機器自体は多くの機能を持っている――これを使用する上で限界となるのは、私たちの脳についての理解だ。「おそらく、脳のあらゆる部分の神経細胞を刺激し、またあらゆる脳細胞の活動を記録することができるだろう」とWise氏は語りつつも、すぐに「だが、それが何を意味するのかは、少なくともまだわれわれには分からない」と言い添えた。

 臓器の働き、血圧、血糖値、血中の毒素、その他の変数を追跡することで、ほとんどあらゆる病気を監視できる埋め込み式センサーも開発されるだろう。こうしたセンサーが安価になり、埋め込み手術が簡単になるほど、これらの機器を受け入れる人は増えるだろう。こうしたセンサーから送られるデータに異常がないかを、病院のコンピューが常に調べれば、医師が異常を早急に察知するチャンスができ、医療は進歩するかもしれない。そして、カスタマイズされた医療データを提供する新しい情報ビジネスが生まれるだろう。

 もちろん、治療や診察が完全にこうした機器に依存するようなことにはならないはずだ。コンピュータは始終クラッシュし、ネットワークは頻繁にダウンするからだ。また、治療は言うまでもなく、患者を離れた場所から監視するというコンセプトが、若干不安なものであることは明らかだ。結局のところ、医師が人間の脳の活動を監視できるとなれば、政府や保険会社、雇用主など、監視データを欲しがる人々がこうしたデータにアクセスするのをどうやって阻止できるだろうか? これは非常に危険だ。医療データを保護する法律はザルであり、法律面の強化が必要なのは確かだ。乱用を防ぐもう1つの障壁となるのがFDAだ。同機関はこれからも、明らかな医療上のメリットがある医療機器のみを認可すべきだ。

 「国民の脳の活動を監視する政府、というイメージはたくさん思い浮かぶだろうが、われわれが目指しているものは違う」と、MedtronicのRise氏は注意を促している。同氏が言うように、この種の機器を受け入れてもらう唯一の方法は、患者のためになるものを搭載することだ。結局、人々は単純な理由から埋め込み電子機器を受け入れるだろう――より健康になり、より長生きできるからという理由で。
http://www.zdnet.co.jp/news/0207/05/cead_schonfeld.html

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