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１２月９日（火）
「反憲法総理」と言うべきでしょうか。それとも、「違憲首相」とでも？
「戦争に行くんじゃありません。復興人道支援に行くんです」と、イラクへの自衛隊派兵を決めた後の記者会見で、小泉首相は声を張り上げていました。
そうですか。それならばなぜ、84ミリ無反動砲という対戦車砲を持っていくんですか。対戦車砲で、復興人道支援を行うつもりなのでしょうか。
そう問われれば、小泉さんは、「安全確保のために必要なのだ」と答えるでしょう。再び、私は問います。対戦車砲で安全を確保しなければならないような場所が、「非戦闘地域」なのでしょうか、と。
自衛隊が派遣される「非戦闘地域」が、このような重火器で守られなければならない場所だということを小泉さんはご存知です。ですから、重武装させて送り込もうとしているわけです。
「安保理の決議に応えるべきだ」と、小泉さんは力んでいました。「安保理の決議」？どの「決議」のことを仰っているのでしょうか？
日本に自衛隊を送って欲しいと、国連からの要請でもあったというのでしょうか。今回の自衛隊派兵を正当化・合理化するような「安保理決議」があるのでしょうか。
そんなものはありません。小泉さんは、自衛隊派兵を合理化する口実を見つけられず、思わず「国連」の名を口にしたわけです。「苦しい時の国連頼み」にすぎません。
自衛隊は、イラクに行って、医療活動、学校の復旧、給水、道路の補修などを行うのだと思っていました。今日の午後臨時閣議で決定された「基本計画」を見ると、それだけではありません。
「人道復興支援活動」と並んで、「安全確保支援活動」というのがあります。これは「国連加盟国が行うイラク国内の安全・安定を回復する活動を支援する」ことであり、要するに、米軍の手下として占領の手伝いをするということです。
これでは狙われます。狙われるのが分かっているから、対戦車砲が必要なのです。憲法で禁止されている戦闘行為に自衛隊が踏み出す可能性があるからこその対戦車砲なのです。
政府は非正規ゲリラとの戦闘は「戦闘行為」ではないと言っています。その結果、もし死者が出ても、それは「戦死」ではないというのでしょうか。
不幸にして、このような形で亡くなる方が出た場合、1000万円の弔慰金は支払われるのでしょうか。法の予定していない死者に対して、法に従ってお金が払われた場合、公金の不正支出にならないのでしょうか。
事実上戦争状態のところに自衛隊を派兵することは憲法違反であり、非戦闘地域でない場所に派遣することはイラク特措法違反になります。そして、公金の不正支出があるとすれば、それもまた法律違反になるでしょう。
自衛隊は誕生以来初めて戦争に参加しようとしています。それも日本を守るためではなく、アメリカ軍を守るために……。
小泉さんは、アメリカに恩を売るために憲法を踏みにじろうとしています。アメリカへの人身御供として自衛隊員を差しだすことを、今日閣議決定しました。
非戦闘地域は、イラクにはありません。それどころか、自衛隊のイラク派兵によって、戦闘地域がここ東京にまで拡大されようとしています。
今日あることは、総選挙の前から分かっていました。それなのに、与党は多数を占め、有権者は再び小泉さんに政権をゆだねてしまいました。それを選挙で阻むことが可能であったにもかかわらず……。
「そんなつもりではなかった」と仰るかもしれません。しかし、政治は冷酷です。この結果は、誰あろう、私たち日本国民自身が選んでしまったものなのです。あの時の一票を通じて……。
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。