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Re: 彼らの目指すゴールとは  
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投稿者 あっしら 日時 2003 年 10 月 22 日 18:02:44:Mo7ApAlflbQ6s

(回答先: 彼らの目指すゴールとは   投稿者 紅茶の葉 日時 2003 年 10 月 22 日 08:51:11)


紅茶の葉さん、こんにちわ。


>こうやって中東初め全世界の近代化を達成させることにより彼ら(最終的に”彼ら”
>とはどなたでしょう?)は一体何を得るのでしょう.

ここの脈絡で出てきている“彼ら”はスパルタクスさんが提示されたものなので、どういう人たちを指すのかはわかりません。

全世界の近代化を達成させようとしている“彼ら”は、「近代世界」の仕組みを作り上げ、世界の経済的政治的支配を企図している人たちだと考えています。
(それは、最上位にいる国際金融家=国際商人たちでフェニキアを起源にしていると思っています)

“彼ら”は、古代より国際商人=国際金融家として活動しており、カルタゴ滅亡までは自分たちの国家社会を形成していましたが、滅亡後は、ローマ帝国を中心とした地中海沿岸を活動拠点にしていました。
“彼ら”が外部共同体に対して破壊的な振るまいができたり世界支配を志向するのは、国家=共同体喪失に大きな要因があると思っています。(国家=共同体喪失が、“彼ら”の寄生性を育んだという見方です)

エッセネ派教義その他を混交させた“正統派”キリスト教をつくり、それをローマ帝国の国教に仕立てたのは“彼ら”だと思っています。
一時期はビザンチン帝国の庇護を受けたりして隆盛を遂げたヴェネチアも、“彼ら”の一部だと考えています。ジェノバやフィレンツェも、経済活動を仕切り政治的力を発揮したのは“彼ら”のはずです。
しかし、この時点ではアラブ・インド・中国の国際商人に劣る存在で、地中海領域と欧州を結ぶローカルな国際商人と位置付けることができます。

ジェノバ商人がスペイン王室と結んで達成した新大陸(アメリカ)の略奪・支配から流入してくる貨幣的富(金銀)が原資となることで「近代世界」が歩みを始めました。

当初は、数多くの有用な品や奢侈品を製造していたインド・中国から財を輸送し、貨幣的富が増加していた欧州に売るという商売で利益を上げていましたが、それは、根拠地である欧州からアジアへの貨幣流出につながりました。
それを回避するために進められたのが「産業革命」です。
(インドの綿織物技術を持ち込み自動化し、それで製造された綿織物をインドにまで売ろうとしたのが「産業革命」です。それを実現するために、インドの綿織物従事者の手首まで切り、武力で販売を強制しています)

これと併行するように、英国を嚆矢として「中央銀行制度」を確立し、無から有を生み出すまさに錬金術を手に入れました。
(100の金で400の金と同じ価値を持つ紙幣を発行し、さらには、それを利息付きで貸し出すというとんでもない詐欺的強欲システムです)

近代産業は膨大な設備投資を必要とするので、産業家向け貸し出しを通じて、「中央銀行制度」はとてつもない利益を上げてきました。

(「中央銀行制度」が貸し付け金をきちんと回収して利益を上げるためには、産業家が製造した品を国際商人がインドや中国などで売り捌く必要があります。生産性が上がり生産される財の量が増加しても、市場が拡大しなければ利息の支払いだけで破綻することになります。また、工業製品を造るためには、原材料の安定的な確保が求められます。これが、「帝国主義」の内実です。帝国主義は、国家に軍備拡張を強い、それが産業の発達につながるとともに、国債の発行というかたちで国際金融家の利益増大に資することになります)

このような動きは第2次世界大戦までで、戦後世界は、帝国主義を放棄し、ルール(法)と制度による利益追求志向に転換しました。(もちろん、重要な資源国に対しては武力を伴う支配を継続しています)

植民地の独立は、確かに植民地の人たちの独立への希求が大きな原動力でしたが、それ以上に、宗主国が旧来型支配を継続できないと判断したことに負います。
植民地の共同体を破壊する略奪的貿易を行えば、購買力はがた落ちになります。そして、“彼ら”の利益を増加させるために、鉄道を敷設し、軍を派遣し、行政機構を維持するためには膨大な国庫支出が必要になります。

宗主国は、略奪できるだけ略奪したことで支配が見合わなくなったから独立を許したのです。
(独立後も経済権益を維持し政治的影響力を温存するために、独立後に国家機構の中枢を占める人たちを宗主国に留学させるなどの手を打っています。フランスは、自国植民者の権益を維持するために、インドシナやアルジェリアで独立を武力で阻止するという英国とは別の動きをみせました)

現在の“彼ら”は、第2次世界大戦で破壊された生活基盤と産業基盤の復旧を原動力とした高度経済成長が終わり、旧植民地の独立で進んだ工業化に伴う成長も終わり、残るのは13億人という膨大な人口(市場)の成長だけという認識をしています。
これは、産業の成長を利益源として来たいわゆる近代の終焉を意味します。
だからこそ、“彼ら”は、産業が成長しないなかで利益を増加できる仕組みを世界化しようとしています。(金融で広く浅く稼ぐことや生活必需品の供給で利益で貪るというもの)

イスラム諸国は、イスラムが利息取得を禁止していることから、日本や欧米のような金融活動はできません。
また、イスラムは、共同体や家族を重視しており、米英的な個人主義を忌避します。
(共同体や家族があっての個人という考え方と、個人の自由な活動のために国家や社会があるという考え方とでは、天と地の違いがあります)

しかし、イスラム世界には膨大な天然資源が埋蔵されています。
産業資本主義が行き詰まった今、イスラム世界は天然資源だけを安価に安定的に提供してくれていればいいというわけにはいかなくなったのです。

イスラムの価値観を政治・経済制度から切り離し、「金融で広く浅く稼ぐことや生活必需品の供給で利益で貪る」体制を確立するために、イスラムの「近代化」を目的としているのです。

>現世の究極の富が目的であるのなら色々汚い考えで頭を振り回している間にぽっくり
>の短い人生ですし、僕にはこの世界を動かすほどの野望の最終的ゴールというものが
>思いつきません.どう思われていますか.

多くの人が、「考えで頭を振り回している間にぽっくりの短い人生」だという利己的な構えで生きてきたのなら、人類の歴史は違ったものになっていたはずです。

大東亜戦争で死んでいった人たちも、天皇というより、我が親であり妻であり兄弟姉妹そして同じ国家で生きてきた人たちの安寧と少しでもましな生活を願って戦いに身を捧げたはずです。

魂の永遠を信じている人が多いとは言いませんが、自分の身体性が我が子供たちそしてその子らへと伝わる永続性を持っていることや、自分の思考成果が先の世に活かされる可能性を願っている人は少なからずいるのではないでしょうか。


“彼ら”は、成金や守銭奴のように貨幣的富の独占をめざしているわけではないと思っています。
“彼ら”のある部分は、神の似姿でつくられたのが人間であるならば、高度に知性を働かせば神と同じように世界を統御できると考え、神との唯一の違いである永遠の生は子孫に知恵と力(貨幣的富)を継承することでカバーできるのではないかと思っているでしょう。
金融活動や商業活動は、いかにうまく制度をつくるかやいかにうまく相手を騙す(納得させる)かという知的活動です。(農業や産業も大いなる知的活動が求められますが、それは常に自然に向かう身体性が伴っています)

このような特性が、“彼ら”をして、神に対抗して世界を支配できるという妄想に走らせていると思っています。


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