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「狂牛病の」呼称について−−食の安全をめぐる一考察
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投稿者 竹中半兵衛 日時 2003 年 11 月 04 日 20:01:36:0iYhrg5rK5QpI

農業にはシロウトなので、祖先が農民であることにかんがみ、農家の声をここにお伝えします。

日本では「狂牛病」という呼称が社会的にはきわめて悪しきイメージを連想させるのであろうか。ついに一般的にはBSE(牛海綿状脳症)とされてしまった。

最近の話ではなくて恐縮ですが、アメリカでABCテレビで5、6年前に人気キャスターのピーター・ジェニングズが狂牛病の特集をやっていました。アメリカ式発音ではマッド・キャウ・ディジーズ。

これは「狂牛病」そのものがヨーロッパで深刻な影響を与えていることを報道したもので、フランスは狂牛病対策が比較的早かった。イギリスは輸出国として農業保護の立場から対策が遅れ農家は壊滅的打撃をこうむった。いずれにしろ一万頭単位で焼却した、と報道していました。

日本でBSEと呼ばれるのはイギリス式報道にならっていると思われます。イギリスではBSEが牛海綿状脳症のイニシャルであることは国民が知っています。
今BSEと言われると狂牛病のイメージから相当に乖離してしまうことは明白です。

日本では、狂牛病が発生する以前はBSEは「狂牛病」と呼ばれ続けてきました。遠いヨーロッパのことという安心感があって、まさかわが国では発生するまい、水際作戦は万全だ、と農林省はのたまわり続け、たかをくくっていました。

さて、発生した途端、「狂牛病」ではイメージが悪い、農家への悪影響が心配だ、というわけでなかなか国民に知らせません。狂牛病にかかった牛の肉を食べると人間も同じ症状が発生するとなれば恐怖感から誰も食べません。

しかしこれが農民保護につながるのでしょうか。
農林省のノー天気な対応が問題とされるべきでした。

畜産農家はただでも農政に不満を持っていました。
ことの起こりは、1990年からオレンジと牛肉が自由化されたことです。これで日本農業の崩壊が始まりました。

ホンダとトヨタをアメリカ人は買っている、だから日本の農業は自由化せよ、というアメリカの圧力に工業優先の日本政府はいとも簡単に城を明け渡しました。

オレンジについてはアメリカの現地で日本向けの果実に大量の農薬をぶっかけているビデオを全中が暴露したところアメリカから猛烈な抗議が行われ、幻のビデオになってしまいました。いまや全中は農家に「自由化後の対策」(事後対策)を、政府の後方機関よろしくやってます。オレンジが輸入され、店頭に並び我が家で何ヶ月保存していても滅多に腐らない原因はここにある。

さて牛肉ですが、農民の大きな楽しみであった肉牛。これは自由化以前は上質の牛は、銘柄牛ではなくとも1頭あたり百万円以上で取引されていましたが、自由化以降はその10分の1以下に値下がりしました。酪農家も乳牛の副産物として肉牛を飼育していましたが、100万円で仕入れた肥育牛を30万円で手放さねばならなくなりました。

搾乳目的で仕入れたあとに廃牛として肉用にまわされるものも、80万円で仕入れた牛が8万円です。ご存知のように乳牛はお産を3回すると廃牛にまわします。高品質を維持するためには、さっさと新しい牛を導入するのです。そのぶん牛乳が高く売れればいいのですが、ご存知のとおり雪印の事件などで手痛い打撃を受けています。
また、お産で生まれた雄牛はハムの原料にするために生まれてまもなく売却します。肥育する農家もいます。

ようは、農家は農協に機械を買わされ、畜産を奨励され、酪農をやれとだまされ(すぐに供給過剰になった)、その上で自由化され、いまは狂牛病で苦しんでいます。

ついでにお話させていただきますが、日本の酪農は北海道を除いて、乳牛の飼料は主に青草ではなく干草を与えるのが一般的です。農村にゆくとわかりますが、全農の飼料、全酪連の飼料、丸紅、ノーサンなど目につくと思いますが、畜産、酪農の用途別にでありますが、飼料は配合された輸入飼料です。集約農業であるがゆえに、畜産も酪農も基本的には牛舎につなぎっぱなしで干草をどんどん与える。すると牛はどんどん太る、これが肉牛です。(なお、ともぐいもする。牛に牛肉を与えると牛は喜んで食べるそうです。狂牛病の一因でしたね)

酪農では市場で高脂肪。・高ミネラルの牛乳が好まれますので干草をどんどん与えると脂肪の多い牛乳が取れます。北海道では自給飼料を多く与えますが、それでも輸入配合飼料も与えます。本州は前述のとおりです。農業用地の少ない日本の宿命で、飼料は自給出来ないのです。すると輸入配合飼料の中にプリオンがまざっていれば当然広範囲にわたって汚染されていることが考えられる。このような事情は農水省は黙っている。

それでも前のおとどは秘書がわるいことをして、自分も私腹を肥やして、農家のことなどなにも考えていないことを鮮明にしました。

こんないきさつがあって、狂牛病(BSE)日本では思い切った、フランス並みの対策が取れない。

ほとんどのケースが、隔離していた牛を、「安全」といって流通させています。
これでは消費者は安心できません。
牛肉離れに拍車がかかります。

忘れたころとはいえ次から次と「BSE]の牛が現れますが、これも農政の失敗以外のなにものでもありません。

構造改革の名のもとに痛み(激痛です)を国民に強制しつつもイラクの占領軍に維持費を払うのがよいのか、同額の農家への補助金をつけてでも抜本的な対策を立てるのか、どちらが大事でしょうか。

日本農業を、食料自給率を高め、国民を餓死させないために守る、そんな気などまったくないポチ幕府が売国奴政権であることはここでわかります。

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