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経財白書:企業中心に前向きの動き−リスクは米経済、金融市場(2)
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投稿者 M 日時 2003 年 10 月 27 日 04:55:44:.NWrNpMA6MSgk

(回答先: 年金改革に反対、イタリアで3大労組がゼネスト  [読売新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 10 月 26 日 02:44:58)

経財白書:企業中心に前向きの動き−リスクは米経済、金融市場(2) Listen

(第16段落に竹中経財・金融相の発言を加えます)

10月24日(ブルームバーグ):竹中平蔵経済財政・金融担当相は24日午前 の閣議に、2003年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。白書は、 日本経済には企業部門を中心に前向きの動きがみられる一方、米経済や金融市場の 動向がリスクだとし、自律回復には引き続き「金融と企業の再構築」が緊急の課題 だと位置付けた。また、人口減少による中長期的な経済成長の制約に懸念を示し、 両者の関係を試算したシミュレーションも提示した。

白書は、01年度から続く「改革なくして成長なし」シリーズの第3弾。前向 きの動きを確かなものにし、自律的回復に向けて構造改革を進めるべきだとの観点 から、経済の現状や景気回復力、デフレの現状、財政金融政策、高齢化・人口減少 の経済への影響などを分析している。

輸出依存に脆弱性

景気の現状については、輸出増加を背景とした企業収益の改善、設備投資の 増加など企業部門に明るい動きがみられ、さらに求人増など雇用情勢にも変化が出 てきたと指摘。一方で、基本シナリオとして「民間需要の自律的回復力」ではなく、 「輸出に依存」した持ち直しを想定せざるを得ないところに脆(ぜい)弱性が現れ ているとしている。

景気の下押しリスクとしては、「雇用者数の減少、デフレ懸念が再燃する可 能性、経常収支赤字」など米経済が抱えるリスクのほか、為替、株価、長期金利の 動向を挙げた。

日本経済が自律的に回復するために、重石となっている不良債権・過剰債務、 社会保障制度改革などの課題を解決し、より明るい見通しが持てるようにする必要 性を説いた。これにより、日銀の量的緩和政策もデフレ脱却に向けた強い力となっ ていく、としている。

具体的には、不良債権処理の促進による間接金融機能の正常化と併せて、企 業部門の過剰債務の削減、早期事業再生、収益力強化の必要性を訴え、民需の力強 い回復には、こうした「金融と企業の再構築」が急務だと強調。こうした再構築に 伴い発生する雇用・賃金面での調整コストを最小限にするため、雇用政策の重要性 も論じている。

人口減は成長率を大幅に下押し−シミュレーション

一方で白書は、高齢化・人口減少が中長期的に経済成長の制約要因となるこ とに懸念を示した。未婚化・晩婚化・晩産化や平均寿命の伸びなどで急速に進んで いる少子高齢化は、単純にみればマクロ的経済成長にはマイナスの要素になると指 摘。ただ、実際の成長への影響は「政策対応などによるところが大きい」として、 女性の就業と出産・育児の両立を可能にする制度・慣行の改革の必要性を強調した。

また、労働力の減少を緩和するためには、女性の就業促進や、定年の引き上 げ、継続雇用制度の促進などで高齢者の労働力率を高める必要があると指摘した。 さらに財政・社会保障制度の抜本改革が緊急課題と位置付け、人口減少や経済成長 の下方リスクも考慮して「頑健な制度」を確立し、各制度間の整合性を取って改革 を進めるよう求めている。

これに関連して白書では、高齢化・人口減少の進行が2010年代から2040年 代の経済成長にどう影響するかシミュレーションした。それよれば、「現状維持ケ ース」は各年代の成長率が平均0.2−0.4%程度にとどまる。これは「労働投入」 が各予測期間の成長率を0.7−0.9%ポイント程度引き下げるためで、人口減少が 今後数十年にわたり労働投入の面から成長率を大きく下げる要因になることを示し ている。

「経済活性化ケース」では、各年代の経済成長率が1.4−1.6%程度と「現状 維持ケース」より成長率が高い。寄与するのは、労働力率の向上が0.2−0.5%ポ イント程度、構造改革の進展・技術進歩などによる全要素生産性の上昇が0.8− 0.9%ポイント程度。

さらに「経済活性化の下で出生率が向上したケース」では、2011年度以降の 各10年間の平均成長率が1.5−1.7%と、「経済活性化ケース」に比べて0.2− 0.3%ポイント程度上昇する。一方、「経済活性化の下で出生率が低下したケー ス」では、0.3−0.4%ポイント程度下がる。労働力率や生産性の動向だけでなく、 出生率も成長率を左右する重要な要因になることを表している。

「依然として緩やかなデフレ状況」

白書では、日本経済は、景気が持ち直す一方で、依然として緩やかなデフレ 状況にあることも指摘した。この状況は当面続くものの、景気の持ち直しに伴い脱 却の展望も描けるとして、「GDPギャップの縮小」「マネーサプライ増に伴う総 需要増加」「不良債権処理、過剰債務の削減による経済の円滑な循環」が必要だと 訴えている。

このほか、財政政策のマクロ経済的影響も検討。財政支出がほぼ横ばいで推 移する一方、収入が弱含んでおり、財政赤字は若干拡大していると指摘し、一般政 府ベースの財政政策は、歳出改革の下でもマクロ経済に対し必ずしもマイナスの影 響を及ぼしていない、との見解を示した。

量的緩和政策の効果が十分にみられない理由として、政策実施のタイミング が、銀行の自己資本に対する懸念が高まった時期だったことや、銀行などによる流 動性需要が高い時期だったことを挙げた。

今後の対応としては、政府が不良債権処理を進め間接金融の正常化を進める 一方、日銀は「これまでの政策の実効性を高める努力を続けるとともに、どのよう な金融資産をどのような経済主体から購入するのが適切か、期待形成にどのように 働き掛けるのかといった点も含め、さらに実効性ある金融政策を検討・実施する」 必要があると主張している。

公表後、竹中経済財政・金融担当相は閣議後会見で、白書で初めて取り上げ た高齢化・人口減少は、「人口学的要因というのは中長期的に経済社会の枠組みを 規定すると思う。大変厳しい問題ではあるが、だからこそ構造改革を進めないとい けない。悲観論に陥るだけではなく、構造改革を進めることにより問題の克服は可 能なのだということも積極的に議論した」と述べた。
Last Updated: October 23, 2003 23:25 EDT

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