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　金融庁は２１日、金融機関の不良債権処理を促す税制要望について、国の財政負担を軽くする無利子の「交付国債」方式を提案する方針を固めた。

　２７日に与党に提出する税制改正の重点要望に盛り込む。

　金融庁は不良債権処理を進めるため、〈１〉金融機関が税金を納めずに貸し倒れ引当金が積める無税償却の範囲拡大〈２〉欠損金の繰り越し控除期間（５年）の１０年への延長〈３〉欠損金が出た場合に過去に納めた税金を還付する制度の凍結解除と、期間（１年）の１６年への延長――の３つを要望している。「交付国債」方式は、このうち欠損金の繰り戻し還付の凍結解除・拡充を実現するため要望する。

　仮に繰り戻し還付が認められた場合、金融機関が１度に国に還付を求めると、国は合計で最大約９兆５０００億円に上る還付を現金で１度に支払う必要が生じると見込まれている。

　しかし還付金の代わりに同額の国債を交付し、その後金融機関の毎年の納税額分を順次償還していくルールにすると、国は税還付を分割払いでき、負担は長期にわたって平準化される。

　金融庁は、交付先の金融機関が破たんした場合は残額を一括償還することも提案する。

　実現すれば、金融機関が不良債権処理などで納めた税金が将来戻ると見込んで計上している繰り延べ税金資産の大半が国債に置き換わり、金融機関の自己資本の質が大幅に高まる。金融庁は、金融システムが安定化し、産業界を含む日本経済全体に好影響が及ぶ効果は大きいと見ている。

(2003/11/22/03:00　読売新聞　無断転載禁止)

http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20031122it01.htm

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