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学校でのスカーフ着用に反対する、フランスのイスラム教徒たち(ルモンド・2003年9月14日)
http://www.asyura2.com/0311/idletalk6/msg/109.html
投稿者 のはら 日時 2003 年 10 月 16 日 09:17:06:ffYgKPaChyDcE

(回答先: リセに通うスカーフ姿の姉妹退学へ(仏) 投稿者 はまち 日時 2003 年 10 月 14 日 16:07:07)

スカーフを手放さない理由は、宗教それ自体の中だけではなく、
習慣をふくめた民族意識を維持することで、フランス植民地主義にたいする
歴史意識・批判意識の低下を防ぎたい、という文脈としても存在しているようです。
フランスの歴史が絡んでいるせいで、とれかひとつの文脈が理論と実践の
両賛同を得る可能性は、とても難しいようです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<序文>
イスラム教徒たちは、非難されることを懸念しつつも「宗教的特徴を禁止する法律」という考え方を拒絶している。この問題は共同体および意見の家族に強く訴えかけている。オベルビリエのリセから追い出された、シザとアルマの家族を引き裂いたこのいざこざは、フランスにおける討論を象徴している。

<本文>
「私は無心論者で、私を宗教の中に閉じ込めるようないかなる法律も認めません。私にとって、スカーフは人目を引き寄せるみだらさの象徴であり、女性の抑圧を要求するあかしです」。イスラム教のスカーフをめぐる問題は、フランス・プリュス協会の元指導者であり、科学界の高等研究院の博士でもあるナディア・アミリの熱意を掻き立てている。「祈ることよりも頻繁にスカーフを着用していた」という、ひとりの開かれたアルジェリア女性は、イスラムが「一貫して、同一性を希求する表現様式になっている」ことを拒否し、公共の場におけるあらゆる宗教的合図を禁止する法律の考えを支持している。

フランスの巨大なイスラム教徒の集団における、この極端な立場は何を象徴しているのだろうか? この集団は、単にスカーフの非着用を要求するだけではなく、若い女性のスカーフを無関心・ためらい・率直な敵意などさまざまな感情にからめて考察している。この問題は答えるのが難しく、差別的な資料をつくりあげる怖れもあり、イスラム教徒に特有な見解を反映しているような調査は殆ど為されていない。

2001年9月のル・モンドによるIFOPの調査によれば、イスラム教徒の36%がイスラム教を「信じ、かつ実践してい」て、42%が単に「信じてい」て、16%が「イスラム教にオリジンを感じてい」て、5%が「宗教感覚がない」と言っている。同様の調査は、イスラム教徒の79%が教会に通っていないことを指摘しているが、スカーフに関する彼らの見解については何も示されていない。

時代の趨勢であろうか、「物言わぬ多数派」を引き合いに出す「政教分離のイスラム教徒」たちが出現してきている。2001年9月11日の出来事に対して相次いだ非難に、ニコラ・サルコズィーによるCFCM(イスラム崇拝のフランス会議)の創設をともなう、宗教的イスラムを受け入れる承認が付け加わった。

トキア・サイフィ大臣の仲間であり助言者であるアモ・フェルハティによって創設された「政教分離のイスラム教徒によるフランス会議」、UMPの側近であるアドデルラマヌ・デマヌの「フランスのイスラム教徒による民主主義会議」、実業家ヤズィド・サベグの「法の下の平等のための政教分離協定」、ブール(訳注:フランスで生まれたアラブ系二世の若者)の運動の古参者によって推進された「フランスのイスラム政教分離運動」……。政教分離めぐるこのような星雲が、個人のまわりや、要求の周辺や、メディアへの登場などをきっかけにして組織されている。近頃は、事実上の支持者が見積もられ得ないままではあるが、それらの星雲が会議やフォーラムや相談会を増加させている。

<打ち明けられない無宗教者>

これらの勢力範囲にいるリーダーは、1980年代以降、政界に締め出されたブールが主である。彼らは今日、国家の高範囲において、宗教に合法性を見い出すことに耐えられない。「彼らは政界に一種の報復を行っていて、特に社会主義者に対して、イスラムを優遇したことを非難している。しかしこの政教分離の勢力は、イスラム連合を創りあげる一定数の若者を動員する力を持つにはほど遠い」と、ヴァンサン・ジェセールは語る。エクサン・プロヴァンスにある、このCNRSの社会学では、ブールの活動家と、祖国で強いられた迫害の残響のごとく、スカーフをめぐる要求を実践するフランスの知的亡命者とのあいだの「一致」を認めている。

彼らはイスラムに、あるいはもっと一般的に共和国の価値観に暗に関わっているといえる。イスラムのスカーフに反対する者たちは、罠から脱出するために必死にもがいている。もしも彼らが「政教分離のイスラム」の名においてスカーフを拒否したならば、宗教家達は、なにを余計な口出しをするのだ、と彼らを尋問するだろう。もしも彼らが、誓約と密接な関係のある性質を身に纏うことを拒もうとして、政教分離の旗をふりかざし、しかしながら「われわれ」が共同体主義を非難するのだ、と言う勇気をもつならば、それは流れゆく時間のなかで批判の価値を持つ一語となるだろう。

パリ北部の大学教授である、社会分析学のナシラ・ゲニフは「実際、、明らさまに言えはしませんが、多くの「反スカーフのイスラム教徒」が無宗教者なのです。他人の視線が彼らを「イスラム教徒」として名指しすることが続いた結果として、判断領域としての「イスラム共同体」を存在させているのです」。ゲニフ女史は、「土着人」「移民」というイメージの面々と続く歴史的な系譜の中に、「イスラム教徒」に対するこの紋切り型が刻み込まれている、と考えている。

ブールの運動家で、ヨーロッパの元代議士であるドゥジダ・タズダイートは、イスラムのスカーフを「真の政治的イスラム主義の旗」であると規定する呼びかけの草稿に参加していた。彼女は「イスラム教徒の大多数に似た、つつましい信者」として自らを定義し、政治的な一定の人々によって身に纏われた、「ポストコロニアル的侮蔑」の形態としての寛容を検討している。しかし、政教分離教徒を含むほぼ全体のイスラム教徒にならって、彼女はスカーフを禁止する法律の考え方を敵視しているようだ。というのも「この法律は火に油をそそぎ、殉教者を生む」からである。どのような基本的権利も、その儀式を引き合いに出すことで延期され得ない、と彼女は断言する。

彼女もまた「迫害戦略を促進させないため」に、あらゆる新法と敵対している。「イスラム教徒は、植民地時代のごとく、フランス人であるための最良の方法についての法的命令を受け入れる用意はない」。あるいは「法の下の平等のための政教分離協定」の代表者であるヤズィド・サベグは、ジャック・シラクが「共和国が承認し、また拒否する事柄を公式に言う」のを待っている。また彼は教育機関において、規定の文章がその手順を明確にする」のを望んでいる。またあるいは、スカーフを「真の後退」として見なすPDJを推進している移住者の息子は言う。「法律がスカーフを禁止するだろうその日、女性の平等と解放が進歩するだろう、となぜ私に言わないのか?」と。「真の解放、それは教育の権利だ!」

「フランスのイスラム教徒による民主主義会議」の代表アドデルラマヌ・デマヌによる、パリのリセにおける教育の主要な相談をする実践会で、彼自身も、教育界が「弱者の合図」と形容するスカーフの着用を控えるための、教育的対話の効果を信じている。彼によれば、一つの法律が「共和国の文化ではないマイノリティを犠牲者に導きかねない」。宗教の中に「均衡の要素」を見る彼は、「宗教によって何も強制されない」と宣言する章句を、ほかのあらゆる命令の上に据えた「コーランの現代的解釈」を推奨している。

<道具化としての討論>

学校におけるスカーフの敵視について、とてもさまざまな展望をもつ観察者たちが、過剰にメディア化されるとみなされ、かつ政治的な道具とされるとみなされる討論から脱するため、あるひとつの戦略の要求に協力しあっている。コロニアル・ポストコロニアルの歴史の教育の復活は、イスラムを起源にもつ生徒たちに、フランスの歴史を刻み込ませ、またイスラムの役割の価値を引き上げる助けをするだろう、と彼らは弁論する。そのプログラムにおける、宗教的事件の複数の歴史の統合は、一定の人々によって推奨されている。「スカーフ事件」が、とりわけ対話形成の復活および教育機関における民主的生活の要求を引き起こしているが、調停の局地的な場所における増加は、スカーフ問題をふくめたあらゆる違反の不敬形態を扱うことを許可するだろう、と彼らは主張する。

http://www.lemonde.fr/web/imprimer_article/0,1-0@2-3226,36-337839,0.html

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