★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 地域7 > 133.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
伝統文化と産業が融合した国家【亀井静香の緊急提言】
http://www.asyura2.com/0311/ishihara7/msg/133.html
投稿者 エイドリアン 日時 2003 年 11 月 12 日 21:55:30:SoCnfA7pPD5s2

(回答先: 都市と地方の共生【亀井静香の緊急提言】 投稿者 エイドリアン 日時 2003 年 11 月 12 日 21:27:43)

★ 「文化力の育成は、日本の将来の経済発展とも無縁ではない。」

http://www.nb-j.co.jp/katteren/ronbun/kamei1.htm

前自民党政調会長・衆議院議員●かめい・しずか 亀井静香

 伝統文化の振興は、私が重点的に取り組んできた施策のひとつである。フランスやイタリアは経済力においては必ずしも右肩上がりではないが、文化の発信力に秀でていて、世界の国々から尊敬を集めている。翻って日本はどうか。戦後、経済の輸出には熱心だったが、文化の発信はなおざりにしてきた。
 だが、経済の発信だけでは、日本に対する理解は得られないというのが私の考え方である。経済の輸出は競争しか生み出さない。経済的に征服するかされるかでは対立構造になってしまう。相互理解を得るためにも文化の発信力を高めていかなければならない。
 となると、伝統工芸も含めた日本の伝統文化をもう一度見つめ直す必要がある。今、日本の伝統文化はやせ細っている。いや、伝統文化といいながら、日本人の実感からはますます遠ざかっている。歌舞伎や薪能、狂言などの伝統芸能にしても、自分たちの身近な自国の文化としてとらえるのではなく、生活とは遊離した一種の異国趣味になり果てている。異文化としてではなく、自国の文化として受け入れる土壌づくりから始めなければならない。伝統文化は先人たちが長い間かかって築き上げたものであり、本来、日本人の琴線、魂にふれる本質的な要素が凝縮されている。日本人の感性、座標軸を考える大きなきっかけになるはずである。また、日本の伝統文化を発信していくことによって、日本という国への理解も深まる。
 守旧主義、復古趣味で伝統文化に固執せよといっているわけではない。日本文化は元来、外来文化の同化力によって形成されてきた。古くは大陸の文化を取り入れ、明治維新では西洋文化を従来の文化に見事に同化させ、固有の文化を築いてきた。戦後、この同化力が落ちている。古来の伝統文化は切り捨て、アメリカの猿まねに終始してきた。所詮、借り物は借り物である。同化を経ずして、着せ替えた文化は日本人には馴染まない。かくして日本には無国籍的な文化があふれている。
 海外への発信・同化、外来文化の同化による新文明の創出という視点から、政調会長時代、私が実行した施策が、大幅な文化予算の計上である。この厳しい財政難の折、無理をいって文化庁のプロパーだけでも百億円、ほぼ各省庁全域に渡って総計一千五百億円もの巨額の拠出をお願いした。
 これまで政府は施設面に重点的に予算を配分してきた。おかげでハード面は充実したが、ソフト面はなおざりになっている。ソフトがなければ、いくら箱ものをつくっても機能しない。時代の流れに沿って、要不要、急不急で予算をシフトしていく、この観点から、政調会長時代、私は二百二十三事業、二兆八千億円という大幅な公共事業の削減を断行したが、文化事業についても今後は、箱もの行政から中身の充実のための支援・補助へ転換を図っていく必要がある。
 例えば地方の交響楽団のバイオリン奏者は、演奏費だけでは食べていけないのが現状だ。村祭りの太鼓の皮ひとつを張り替えるにも、収入の少ない村の青年団では実現はむずかしい。村の神楽なら神楽に農水省から予算を出すといった具合に、思い切って補助金をつけ、日本の文化力を高めていこうという狙いである。
 今ひとつの狙いは、日本の文化の発信。例を挙げるなら、日本文学の秀作の翻訳、海外での出版である。私の政策を聞きつけた石原慎太郎都知事から打診があって、今実施に移している。日本の文学はほんの一握りの作品を除いて、翻訳されていない。馴染みが薄い日本の文学では読者が少なく、採算が取れないからである。なら国が援助し、日本の素晴らしい文学を海外に伝えていこうというわけだ。
 これまで海外に日本の文化を伝える努力はしていなかったわけではない。しかし、どこかの祭りや歌舞伎を海外のイベントとして披露するといった程度で、計画的、体系的に紹介してきたわけではない。これを国家戦略として綿密なプランの下、系統だってアピールし、日本文化を海外の国々に共有してもらう。文化の共通項が出来上がれば、少々の経済衝突が起ころうと、理解し合える。国と国との友好関係にとってもプラスに働くはずである。
 文化力の育成は、日本の将来の経済発展とも無縁ではない。私は、二十一世紀、日本が目指すべき国家像は、芸術文化・伝統工芸と産業・最先端の科学技術が融合した国家だと考えている。
 ある意味で手本となるのはイタリアである。イタリア人特有の色彩感覚、デザイン感覚で作り上げたファッション性のあふれる様々な製品は、広く世界の人々に愛されている。感性という点では、日本にも十分過ぎる素地はある。過去にも、日本の伝統的な職人芸が、世界の産業に貢献したという例がある。現在、目覚ましい勢いで増殖しているコンピュータのICは、日本の精密な工作機械なくしてはできない。
 では、日本だけがなぜ、精巧な工作機械をつくることができるのか。きさげ職人の伝統的な技術があったからである。
「きさげ」とは、機械仕上げを行った平面をさらに精密にならすための工具で、きさげ職人たちは手の感触を頼りに平面に仕上げていく。その精度たるやミクロンの単位で、他の国の職人には決して真似のできない芸当である。日本の職人たちに培われた伝統技術があって、初めて最先端の科学技術の粋であるコンピュータの製造も可能になる。
 これは日本の伝統工芸と最先端技術が見事に融合した一例だが、芸術性にしても日本民族は素晴らしい感性・美意識を秘めている、また、その感性は世界の人々の共感を得ると信じている。文化の香りが匂い立つ付加価値の高い工業製品を提供していく。これが日本の産業の目指すべき方向性だと考えている。

 次へ  前へ

地域7掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。