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MSソフトの「単一栽培」はウイルスへの抵抗力を弱めているか(上)(HOT WIRE)
http://www.asyura2.com/0311/it04/msg/1033.html
投稿者 シジミ 日時 2004 年 2 月 23 日 19:22:33:eWn45SEFYZ1R.
 

http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20040220205.html

AP通信

2004年2月15日 12:57pm PT  マサチューセッツ州ケンブリッジ発――コンピューター・セキュリティーの専門家、ダン・ギア氏(53歳)は、会社にクビを切られたが、おかげで人々の耳目を集めることができた。解雇の原因となったギア氏の考え方が、IT業界で重大な議論を巻き起こしているのだ。ギア氏は生物学を取り入れた理論を展開し、米マイクロソフト社が促進してきたソフトウェアの「モノカルチャー」(単一栽培)は全世界のコンピューター・セキュリティーを脅かす(日本語版記事)ものだと主張している。

 ギア氏を支持する人々は、マイクロソフト社のソフトウェアはあまりに広く行き渡っているため、同社のオペレーティング・システム(OS)に存在する1つの欠陥がウイルスに悪用されただけでも、大混乱を招く危険性があると考える。

 マイクロソフト社は10日(米国時間)にも、いくつかのセキュリティー問題について警告を発したばかりだ(日本語版記事)。今回のセキュリティー問題は、フリーの専門家の間で、これまでに公開されたなかで最も深刻な部類に入ると言われている。ネットワーク管理者は、各ユーザーが最新のパッチをダウンロードしてくれるよう祈るしかない。

 ギア氏は昨年秋に公開された論文で、モノカルチャーがネット上の脅威を増幅していると主張し、セキュリティー企業の米アットステーク(@Stake)社を解雇された。アットステーク社にとって、マイクロソフト社は大口の顧客だ。

 ギア氏は、解雇された不遇の身にも希望の光は差していると語る。『Slashdot』(スラッシュドット)などのオンライン・フォーラムで話題になったことをきっかけに、マイクロソフト社の遍在についての議論が盛り上がっているのだ。

 ギア氏は先日、ケンブリッジの自宅でインタビューに応え、「どこを見ても、『モノカルチャー』やそれに似た表現につまづくように思える」と語った。

 生物学の世界で、遺伝的な多様性がほとんど見られない種を意味する「モノカルチャー」は、強力な疫病の被害を最も受けやすい。1つの致命的な欠陥を共有する種は、その欠陥に付け込むウイルスの出現で絶滅に追い込まれる危険があるためだ。遺伝的な多様性があれば、どのようなウイルスにさらされても、少なくとも種の一部が生き残れる可能性は高まる。[訳注:monocultureは本来「耕地での単一の種の栽培」を意味するが、ここでは種の遺伝的多様性の欠如という拡張された意味で用いられている。]

 ギア氏は、「疑問を感じたとき、『自然界ではどうだろう?』と考えてみる」と話す。話し好きで、立派なもみあげを生やしたギア氏は、ハーバード大学で生物統計学の博士号を取得している。

 「自然界ではどうかと問えば――リスクの共有ということを考えるとき――モノカルチャーのことが思い浮かび、さらに疫病にまで考えが及ぶ」とギア氏。「なぜなら、疫病という観念は、われわれがインターネットについて論じている内容と根本的に異なるわけではないからだ」

 生物学的なウイルスに関する理論がコンピューターの多様性にも適用できると論じたのは、ギア氏が初めてではない。マイクロソフト社製品の独占状態と、同社のOSとソフトウェアが強固に統合されている現状が、世界のコンピューターの生態系を連鎖障害に対して脆弱にしているという主張は、以前からあったものだ。

 ギア氏の論文は当初、情熱が込められた1つの主張に過ぎなかったが、その熱が燃え上がったのは、ギア氏が解雇されてからのことだ。

 インターネット・セキュリティーの専門家で論文の共同執筆者でもあるブルース・シュナイアー氏は、「ギア氏の解雇をめぐる騒動によって、特別な刺激が加わった」と語る。「彼が解雇されたのは、アットステーク社がご主人様にいい顔をしたかったからだ。しかし、キリスト教会がボイコット宣言した映画と同じで、人々は逆に見てみたいという気になる」

 マイクロソフト社は、ギア氏を解雇するようアットステーク社に圧力をかけた事実はないとすると同時に、コンピューターを生物に例えることには限界があると述べている。

 マイクロソフト社でセキュリティー戦略責任者を務めるスコット・チャーニー氏は、「このような類推を進めていっても、いずれ行き詰まるはずだ」と話す。

 チャーニー氏は、モノカルチャー理論は合理的な解決策を一切示していないと述べる。ウィンドウズと競合するリナックスをもっと導入すれば「デュオカルチャー」(二種栽培)にはなるかもしれないが、高度なハッキングの抑止力としてはほとんど期待できないという。

 真の多様性を実現するには何千種類ものOSが必要で、もしそうなれば、コンピューター・システムとネットワークの統合はほぼ不可能になると、チャーニー氏は指摘する。さらに同氏は、マイクロソフト社によるモノカルチャーがなければ、IT分野における昨今の進歩は大部分が起こっていなかっただろうと述べた。

[日本語版:米井香織/岩坂 彰]


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