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11・２ 「東海地震の前に浜岡原発を動かすな」現地集会
住民の力で止める最初の原発に
現地行動に全国から６００名が結集
2003-11-25
原発も戦争もなくそう
浜岡住民先頭にデモ行進
11・２集会の発言から
元スイス大使 村田光平さん
浜岡町原発問題を考える会 伊藤 実さん
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11月２日（日）午後、静岡県浜岡町・八千代公園で「東海地震の前に浜岡原発を動かすな 11・２全国集会」（呼びかけ・浜岡町原発問題を考える会）が開催され、原発震災発生を憂う人々６００名が全国から集まった。
原発も戦争もなくそう
午後１時、浜岡原発とめよう全国キャンペーンの田島五郎さんの司会で集会が始まる。まず呼びかけの浜岡町原発問題を考える会を代表して伊藤実さんがマイクを握る。浜岡原発から６００ｍの地点で生活する伊藤さんは、「せめて東海地震が起きるまで原子炉の運転中止を」と切々と語った。メイン・スピーカーの元スイス大使・村田光平さんは、「原発推進という日本の国策は罪深い。浜岡原発の運転中止を突破口に脱原発へと日本の国策を転換させよう」と講演した（二人の発言は詳細別項）。
元ＧＥ原発技術者の菊地洋一さんは、「原発が本当に危険だと一番よく知っているのは原発技術者。チェルノブイリを上回る大事故が起きる前に国民の力で浜岡原発をとめよう」。浜岡原発本訴訴訟団団長の鈴木卓馬さんは、「裁判で国や中電の不正・誤魔化しを暴き出し、法の力で浜岡原発を止めたい」と訴えた。
10月25日のイラク反戦・ワシントン大行進に参加してきた若者８人が演壇に登場。学生エコ・アクションの長岡美智緒さんは、「ワシントンの街中が反戦集会に沸き立っていた。私たちが被爆国日本の市民として劣化ウラン弾の危険性を訴えるとThank you,Japanと大歓迎された。この世界から原発も戦争もなくすために頑張りましょう」。興奮さめやらぬ長岡さんの熱い発言に会場からは大きな拍手が寄せられた。
浜岡住民先頭にデモ行進
放射能のゴミはいらない！市民ネットの兼松秀代さんは、高レベル放射性物質の地下処分の危険性に警鐘を鳴らす。浜岡原発止めよう関東ネットの柳田真さんは、「今後は全国集会の度に、浜岡現地に『原発とめよう』の大看板を立てよう。智慧を出し合い、浜岡を民衆の力で最初に止めた原発とするために一緒にがんばろう」とエールをおくった。きのこの会の安楽知子さん、東京電力と共に脱原発をめざす会の東井怜さんの発言を受け、最後に集会宣言を全員で確認してデモに出発する。
浜岡町原発問題を考える会のプラカードを先頭に、暴れるナマズを描いたイラスト入りの横断幕、タンバリンや太鼓もにぎやかにデモ隊が進む。「浜岡原発で大事故が起これば浜岡町だけでなく日本中が被曝します。地元町民のみなさんと心を一つにして、東海地震の前に原発を止めましょう」、宣伝カーからの訴えに道行く人々が振り返りビラを受け取っていく。国道１５０号を左折すると原発の排気煙突が２本３本と見えてくる。代表団が正門前で申し入れ行動を行っている間に、デモ隊は人間の鎖を結ぶ。２度３度とウェーブが人間の鎖の端から端まで往復し、「なんとしても原発を止めたい」という参加者の思いが鎖となってつながった。
総括集会に、高速の渋滞で到着が遅れていたみやぎ脱原発・風の会の仲間がようやく到着。女川原発の運転再開に反対して女川町・牡鹿町への全戸ビラ入れを計３回行うなどの活動を紹介し、全国住民運動の連帯をアピールした。浜岡原発を考える静岡ネットワークの長野栄一さんは、「日本も原爆をつくれなんて言う政治家がいるが、私たち戦争世代は戦争にも原爆にも絶対反対だ。原発から出るプルトニウムが原爆の材料になる。地震の前に浜岡原発を止め、脱原子力社会を目指そう」と訴えた。
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11・２集会の発言から
日本から全地球の非核化を発信しよう
元スイス大使 村田光平さん
今の世代は、未来の世代に属する天然資源を乱用して繁栄を築き、永久に有毒な廃棄物をどんどん垂れ流しています。これは大変罪深いことです。中でも、最も罪深いのが原子力。この負の資産を取り除くことは、現世代に与えられた責務です。原子力推進は日本の国策です。国策の旗を降ろせと主張するのは、外交官であった私としては非常に辛いものがありました。しかし今はその覚悟ができております。かつて吉田茂元総理が軍部の戦争政策に反対して牢屋に入れられました。しかし彼の反対した国策こそは、日本を破局に導いたわけであります。今原子力政策は正に昔の軍部の政策と同じです。このような国策は見直さなければならないと確信しております。
しかし原発推進という国策の旗を降ろさせるためには、電力会社だけを責めてもなかなか実現しないと私は思います。お若いみなさんは、大川越前という奉行をご存じですか。大岡越前の名裁きに「三方一両損」があります。大工さんが３両入った財布を落とし、左官屋さんがそれを拾う。ところが二人ともその３両を受け取らない。そこで大岡越前が１両出して４両にし、２人に２両ずつ受け取らせたというのです。私は日本で脱原発を進めるのには、この「三方一両損」方式しかないと思います。
まず国が原発推進の国策を転換し、脱原発により経済的損失を被る電力会社を補助する。国民もエネルギー過消費型の市民生活を改め、若干の電気料金の値上げには応じる。こうやって３方が痛みを分かち合って脱原発を達成していく。実際ヨーロッパでは、産業界と国が交渉して脱原発を進めています。
被爆国日本は、地球の非核化を伝える義務と責任があります。地球の非核化のポイントは、軍事利用と民事利用を区別しないことです。北朝鮮、イラン等々、原発は核開発の拡散の元になっています。劣化ウランの使用や原爆の小型化など、とんでもないことです。原発の廃止を含む全地球の非核化が必要です。「良き想い、天は助ける」という確信の下に、未来を楽観しながら今後とも努力を続けてまいりましょう。
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せめて地震が起きるまで浜岡を止めてくれ
浜岡町原発問題を考える会 伊藤 実さん
浜岡町という地元で原発を止めようと運動をやっております。
２年前の11月７日に浜岡原発は、緊急炉心冷却システム（ＥＣＣＳ）の水素爆発とひび割れによる制御棒駆動機構からの水漏れという、私たちを震撼させる大きな事故を起こしました。当時この町の周辺では、原発に対する大変な危機感が広がったのです。昨年９月からたった３カ月でしたけども、浜岡原発が４基とも全基停止するという、私たちにとっては本当に安心できる時期がありました。
ところがたった２年の間にその危機感は風化しつつあります。中部電力は昨年の12月20日に２号機を、さらに今年の８月４日に４号機、そして一週間前の10月26日には、私たちが動かしてはいけないと懸命に訴えてきた、３号機まで動かしてしまいました。
日本は現在地震の活動期にはいったといわれております。いつ東海地震が起きても不思議ではないこの時期、せめて少しの間でも原発を止めてほしいというのが私たちの思いです。法律では浜岡町がＯＫすれば原発は運転させてもいいということになっています。しかし実際に浜岡で事故が起こりますと、東京、大阪、名古屋という大都市圏まで巻き込んだ、日本を壊滅させるような事態になるのは明らかです。私たちは今後もこの現地で原発を止めようと精一杯声を出していこうと思っています。
（文責編集部）
http://www.bund.org/opinion/1128-2.htm#3
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。