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(回答先: 善知鳥（うとう） 投稿者：ブッシュ小泉[韋駄天-35608] 投稿者 乃依 日時 2003 年 12 月 15 日 14:19:45)
http://www.idaten.to/bbs/bbshtm.htm
[35652] Re:[35608] 善知鳥（うとう） Ｎｏ．１
投稿者：武田信弘 投稿日： 12/16 Tue 22:13:09 削除
Re:[35608] 善知鳥（うとう）
こんにちは、ブッシュ小泉さん。午前中にレスを書いていたのですが、どういう訳か、完成間じかになって、文章全体が消えてしまい、投稿できませんでした。と言うわけで、今は、ワードにコピーして、書いています。
＞生前なにひとつ悪いこともせず、真面目に働き、
＞妻子を育て、しこしこと汗水たらして生きた男が
＞予想に反して地獄に堕ちたという能の題目は善知鳥（うとう）でした。
そうなんですか、自分は全く能のことは知らないのですが、なかなかしゃれたものがあるのですね。善知鳥とは、善が何であるかを知っている鳥と言う意味ですか、
それとも、善が何であるかを人間に知らせるための鳥と言う意味なのですかね。
＞自分では何一つ悪いことをしたつもりがなくとも
＞この男、猟師で、鳥をずいぶん殺したんですね。
＞それが理由で地獄に堕ちた。
＞妻子を一生懸命守り、人と円満に付き合い、善行を施しても
＞それは人間という輪の中でのことです。
＞他の輪（世界）からみれば殺
＞（この場合は「生きる」というシステム
＞必ずや知らないところで人間はだれかを、何かを殺している。
＞他を殺すことによって生命を、家族愛を、真面目さを維持していることもある。
この部分は、前半については賛成。人間は、多くの動物植物の犠牲の上に生きています。
でも、後半部分は論理のごまかしがあるのではないですか。
「妻子を一生懸命守り、人と円満に付き合い、善行を施してもそれは人間という輪の中でのことです。他の輪（世界）からみれば必ずや知らないところで人間はだれかを、何かを殺している。」の部分は、善が人間の輪の中で行われていると言いながら、他方では、知らないところで他人を殺していると言っている。
この言い方は、三重のわながある。一つには、人間と動物は区別されるものなのに、人間が動物を食べて生きていることをもって、人間は他を犠牲にしているとテーマ立てをしてしまっている点。次に、善行は人間界の中だけのものだ、としている点、この言い方は、微妙で、人間の意識の中には、自然界が含まれるし、人間と自然は共生関係にもなれる。そういう意味で、この言い方は、人間の生きる意味と言うか、その存在を非常に限ったものにしている。そして、第3として、知らないところで、つまり、自分では意識していないが、人間は他人を殺しているんだ、としている点。ある程度、言わんとしている事は分かる。つまり、先進国の人たちは、多くの後進国の人たちの犠牲の上に生きているし、日本国内でも、社会階層はかなり存在していて、ある階層が他の階層を犠牲にしている面はある。だから、「あなた、知らないかもしれないけど、あなたが生きているのは、他の人の犠牲があるからだよ。」と言われれば、なかなか反論しにくい。でも、それでも、これは、やはり一面的だ。つまり、多くの人の意識の中には、互いにフェアにやろうじゃないかと言う意識もあるからだ。公正、公平なルールに基づいて、社会の中で取引をして行こうというのが、大部分の人たちの生き方ではないだろうか。
＞国民がまっとうに生きる、しかも犯罪に関わらずにまっとうに生きていると
＞錯覚できることを保障するために、代わって手を汚すのが大統領「職」です。
＞でなければ、ひとりひとりの国民が直接手を汚していかなければならない。
＞たとえば死刑制度、刑務制度もそうでしょう？
＞わたしたちの知らないところで、不良分子を抹殺してくれる。
＞あるいは監禁してくれる。
＞でなければ、わたしたち一人一人がリンチを加えなければならない。
＞つつましく、真面目に生きているといえども、必ずこのシステムを背景に
＞生きているものです。何人といえども。
＞ふだん、わたしらはそのことを忘ているだけのことです。
この部分も、論理矛盾があると思います。「国民が、本当はまっとうに生きていないのに、まっとうに生きていると錯覚できるように、国民に代わって手を汚すのが大統領」と言われますが、それなら、最初から、国民のほうで、大統領に説明責任があるとは言わないでしょう。多くの場合、権力者は腐敗する。だから、それを覆い隠すために、うそをつくわけです。先進国の国民がまっとうに生きていないのは、後進国の犠牲の上に生活しているからだというのなら、後進国の大統領は、どうなのですか。後進国の国民はまっとうに生活していない、なぜなら、先進国に巻き上げられるだけだからだ、と言いますか。ある程度、人間の生き方には、方向性があって、それは、ちゃんとしたもの、きちんとしたものを作っていくと言うものではないですか。よく、喫煙について色々な議論がありますが、簡単な質問でけりがつくのです。あなたは自分の子供にタバコを吸ってもらいたいと思いますか、と言う質問です。権力者が説明しないのは、ただ単に、それをしてしまうと、大衆をだましていたことが分かってしまうからですよ。
死刑制度、刑務所制度について。司法の制度があまりきちんと機能していないことは分かっています。ですから、今の司法警察の制度が良いものだと言う気持ちは無いのですが、それでも、裁判は公開され、司法手続きがあり、刑事訴訟法、刑法と言う法律が存在します。また、マスコミである程度は、裁判関係のニュースも流されるわけです。
ブッシュ小泉さんの「わたしたちの知らないところで、不良分子を抹殺してくれる」と言う言い方は、とても危険なものですよ。だれが、不良分子かどうかを認定するのですか。どういう基準があるのですか。今の警察制度や司法制度は、それほど暗黒ですか。かなり曇っているかもしれませんが、全く一般の人たちが知らないまま、抹殺が行われているとは思いませんよ。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。